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宙に揺蕩ふ者なれば  作者: ユカタタン
第一章 黎明期の終わり
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エピローグ 友人






「ねぇ夢子…友達って…なんなんだろうね?」

 

学校の帰り道、隣を歩く友人が、いきなり、わたしに尋ねてきた。


「え?ぇぇ…な、何なの、急に?」


一見、単純な質問。だが、いざ聞かれると、わたしは言葉に詰まり、戸惑った。

今のお互いの関係を率直に言えば良いのか。それとも、今に至るまでの交流や、これまでの言動について、回想すればいいのか。はたまた、もっと哲学的で、深淵な金言(きんげん)を求められているのか。

一人苦悩するわたしは、難儀(なんぎ)な表情で、視線を彷徨(さまよ)わせると、頭の中で無数の言葉を攪拌(かくはん)する。

同性で同級生の友人は、そんなわたしの様子を見て微笑む。

  

「ふっ、ごめん…なんだか…難しい質問、しちゃった?」


 私は、ひ弱な表情で、窮状を訴えた。


「もぅ…なんでいつも、いきなり変なことを聞くの?」


「ぇえ…だって…困ったときの夢子って、面白いんだもん」


眼鏡が良く似合う大人びた顔の友人は、悪戯(いたずら)っぽく笑う。

私は小学生と揶揄される童顔で、一生懸命怒りを表現し、にじり寄る。

友人は、苦笑いを浮かべた。


「何なのその顔?」


「おこってるの!」


「変な顔…」


「なんだとうぉ!」


友人は、楽しそうに駆け出し、後ろに束ねた黒髪を快活に跳ねらせた。 

私は、両手を上げ、まてー!と言って追いかける。


少女の明るい笑い声が、夕焼けに染まる住宅街に響く。

















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