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虚ろな忌み子の殺人衝動  作者: 猟犬
第1章 偽りの勇者
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5.禁忌の書

 部屋に戻る頃には既に夜が更けており、出来る事が少ないので、スキルの『禁忌の書』を確認する。



 ・『禁忌の書』

 全ての禁術の知識と才能を得ることが出来る。



 この説明によると俺はまだ禁術を使う事が出来ないという事だろう。

 そうなると1度このスキルを使わないといけない。

 計画を組むのにも自分が何を出来るかを知らないと計画の立てようがない為、知識だけでも欲しい。

 早速使おうとするが、使い方がわからない。


「…………」


 部屋を沈黙が支配する中、答えが出てきた。


 〈…自分の魔力の流れを意識しながら心の中で唱えろ〉


 盛大な溜息と共に呆れた声で言われる。

 しかし魔力の流れなど、これっぽっちも分からない。

 そう考えているとまたもや答えが出てきた。


 〈心臓の動きを意識しろ。しばらくすると血液の流れる感覚が分かり、なし崩し的に魔力の流れが分かるようになる〉


 言われた通りに心臓に意識していく。

 心音を立て、血を送り出す。血は流れ体の隅々まで巡り、また心臓に戻る。

 それらの感覚を繰り返していると血液と共に流れる力を感じる。

 魔力の流れが分かりプルトリファ様に礼を言う。


 〈プルトリファ様ありがとうございます。助かりました〉

 〈私は自身の為にお前のサポートをしていくつもりだ。分からないことがあればいつでも聞け〉







 ?プルトリファ様が何を言っているか理解出来なかった。

 何故人に聞かなければいけないのか理由が分からない。

 プルトリファ様の意思を理解しようと、しばらく考え込むものの、まるで霧がかかったように考える事が出来ない。

 頭に残る気持ち悪い感覚を無視して答えを出そうとするも、答えは出てこない。


 〈とにかく人に聞くことを覚えろ!〉


 キレ気味にそう言われてしまったので、考える事を止めた。

 スキルの使い方が分かり、魔力の流れも感じ取れたので、『禁忌の書』を使う事にする。

 血液と共に流れる力を意識し、心の中で唱える。


 次の瞬間、地面が急速に近づいてくる。

 思考が追いつかず、何が起きたか理解しようと体を動かそうとするも微動だにしない。

 俺は暗転した視界の中で意識を手放した。





 □





 目が覚めると周りから聴こえてたのは、朝の喧騒だった。床に倒れたはずなのにベッドで寝ている事に疑問を感じつつ直ぐに理解する。

 意識を無くしてから随分と時間が経っていたようで、部屋に朝食が置かれて居た。召使いが運んで来た際に、床で寝ていた俺をベッドに運んだのだろう。

 自分の身に何が起こったか調べようとするが、昨日の事を思い出し、プルトリファ様に聞いてみる事にした。


 〈プルトリファ様。昨日の夜、俺の身に何が起こったか分かりますか?〉

 〈ただの魔力切れだ。ステータスを確認してみろ〉


 意外にも即座に帰ってきた声に頷き、ステータスと唱える。



 飢賀 玲


 Lv1


 HP1000/1000

 MP260/520


 筋力:STR 240

 敏捷:DEX 300

 体力:CON 290

 精神:POW 0


 スキル

 異空庫、言語翻訳、禁忌の書、反魂の狂乱


 称号

 邪神プルトリファの加護




 確かに魔力が減っている。1度0になり、気を失っている時に半分まで回復したと見るのが妥当だろう。

 魔力が0になると気を失う事も分かり、症状まで体験出来たのは非常に良かった。

 しかし、俺たちのステータスは熟練の冒険者並みの筈だ。それでも魔力切れになるとはかなり使い勝手が悪いスキルだ。異世界大好き眼鏡君の言った事はあながち間違いでは無いのかもしれない。

 だが、その考えをすぐに改める。何故なら頭の中に禁術の知識があるからだ。

 魔力は0になったが、スキルの使用は成功したという事だろう。


 〈いや成功してないぞ〉


 無慈悲な声が聞こえる。


 〈何故ですか?禁術の知識は確かにありますが〉

 〈よく確認してみろ〉


 そう言われて禁術の知識を確認していき、俺はまた考えを改めた。なんと禁術の知識は3つしか無かった。明らかに少ない理由を問うと


 〈使用した魔力だとそれだけしか得られなかったのだろう。何度か使用していけば全て理解出来る筈だ〉


 使うたびに魔力切れを起こし、気を失ってては非常にまずい。しかも邪神降臨に関する知識は得ることが出来なかった。

 手に入れた知識を確認しつつ、朝食をとっていると部屋にノックの音が響く。


「どちら様でしょうか」

「俺だ。信二だ。今から昨日調べた事をみんなに説明するから、よければ手伝ってくれないか?」


 教室で俺たちはそれほど仲の良い関係では無かった筈だが、昨日の事でいい機会だから親交を深めたいとの事だろう。うざい。使えるとは思ったが、このまま張り付かれるとまともに動けない。

 しかし断る理由もない為、少し待つように言う。

 準備が終わり、信二と共にするクラス全員が集まる部屋へと向かった。

前回こたつから投稿すると言ったな。あれは嘘だ。

はい、今回もこのような駄作に付き合って下さり誠にありがとうございます。

今回は布団の中からの投稿です。冬場の布団は明け方俺を中々離してくれないため、まるで恋人のようです。恋人は居ませんが。

明日こそはこたつから投稿するので時間があればまたお付き合い下さい。

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