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虚ろな忌み子の殺人衝動  作者: 猟犬
第3章 多重猟奇殺人
33/46

32.求めていた片

お久しぶりっす☆(適当

ほんと、さーせん放置で。やる気が起きなかったんです。

私だってハンターになりたかった!(言い訳

自分自身でも内容が曖昧だったので、読み返すついでに内容を少し変えました。最初から。言葉を変えただけで、物語の進行には関係無いので、内容を覚えていれば関係ないです。読み進めてください。覚えていれば。

 翌朝、玲は意識が覚醒する。そして鼻に異質な匂いが突き刺さるが、もはやお約束となった展開に慣れた玲は狸寝入りをする選択をした。

 まずは逃走経路の作成だ。兵器の創造主は今部屋にいる。そのため、部屋のドアから出る事は出来ない。窓は鍵をかけてなかったため、逃走する際はそこを使うしかない。作戦の決行は奴が部屋を出て言った瞬間…………今だ!


 玲は逃走に成功し、背後から聞こえる声を無視して朝食を買う。

 その際双子と出会う。向こうもこちらに気が付いたようで逃げようとしている。前日の事から、こちらが気が付いているのは向こうも知っているだろう。

 問い詰める事はしない。最早敵同士、互いに殺し合う関係だ。慣れ合う気は無いし、人目のある昼間から殺りあうのはこちらも勘弁だ。

 玲はコソコソと逃げる双子を無視する。


「で?何か弁明することはあるか?」


 いつのまにか追いついていたシェルから声がかかる。


「無い。強いて言うならまともな食事を作ってくれ」

「栄養価は高いから無理してでも食え」

「断る、既に朝食は食った」


 シェルは不満げな目を玲に向けるが、関係無い。今日は朝からやることがあるのだ。


「ひとまず今日はギルドに行くぞ」

「何故だ?殺人鬼を調べるために必要か?」

「大いに必要だ。ギルドの出している殺人鬼の調査依頼を受ける。そしたら双子も不自然無く会えるし、情報も手に入れやすくなる」


 玲はそう言い、ギルドに足を向けた。





 □





 日が高く上った正午。

 玲はギルドの外でしゃがみこんでいた。横には声も出ない程笑っている連れ。気分は最悪だ。


「ふ、ふふっ。ランクが足りない為受けられません、と言われたお前の顔は滑稽だったぞ。大いに必要だ、とまで豪語したのに……ふ、ふふ」

「わざわざ皮肉を交えてご苦労様だ。お前気づいてたろ」

「なんのことかさっぱりだ」


 両手を上げて首を振るシェルを横目に玲は溜息をつく。やることが無くなった。めぼしい情報は昨日のうちにあらかた集めている為、情報面で調べる事は無い。

 玲は少し考えた後、シェルに銀貨を数枚投げ渡す。


「いきなり金を渡してどうした?私のご機嫌取りか?」

「やることが無くなっただけだ。夜までその金で好きに遊べ」


 遊べ、の単語にシェルの目が点になる。本当にいいのか?といった様子だ。玲はその様子に笑いそうになるが、何を言われるか分からないから、なんとか耐える。


「よし、なら服を買いに行こう。もちろんお前もついてこい。拒否することは許さん」

「……まあ、いいだろう」


 シェルの言い分に呆れながらも手を引かれ、玲は歩き出した。





 □






 空が茜色に染まる時間に2人は帰り道を歩いていた。

 2人の服装は変わっており、シェルはミニスカートにヘソを出し、フードのあるマントを羽織っていた。

 玲は執事服を改良した物を着ていた。首元を大きく開き、ベストのボタンを閉めずに大きく開く。相変わらず仮面をつけているが、髪をかきあげ、深い青の耳飾り飾りと同色のチョーカーを付けている。


「執事服か……」

「私のチョイスは嫌いか?」

「そう言うわけじゃない。ただ、肌を隠すだけならもっと色々あっただろうに」


 玲は首元を引っ張り、露わになった痣を眺める。


「私の趣味だ。お前に似合うと思ってずっと着せたかった」

「お嬢様がお気に召したのなら何よりです」


 玲の少しばかりの遊び心にシェルは少し頬を染めるが、歯を見せて微笑んだ。

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