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虚ろな忌み子の殺人衝動  作者: 猟犬
第2章 逃亡地にて
15/46

15.逃走劇

 飢賀 玲は町の外で腕を組み、考え事をしていた。


「にーちゃんここで何してるの?」


 目の前の子供をどうするか。

 服装は変えた、武器も隠している。

 よって俺が勇者、もとい危ない人間には見えないだろう。


「お兄さんはね、人を待っているんだ」

「ふーん、にーちゃんは冒険者なのか?」


 期待のこもった目で見てくる。

 心底鬱陶しい。しかし、子供相手に、本気になる訳にもいかず


「残念ながら、ただの旅人だ。ほれ、町の外は危ないからとっとと戻れ」


 なるべく優しい口調で話す。


「なーんだ、じゃあいいや。あと、町には戻らねぇ。俺は冒険者になるんだ!」


 そう言い、子供は町から遠ざかる。

 自分の元から離れれば、自殺しようが、人を殺そうが、どうでもいいため、玲は追わない。

 そんなことよりも、勇者パーティから抜けた今、シーフの職に就いている理由は無い。

 ならば武器は、短剣よりも威力のある武器が好ましい。候補としては、大剣や斧、変身した時のことを考えるとこの辺だろう。


 〈あの立派な右腕で戦わないのか?〉


 プルトリファが聞いてくる。


 〈どちらかと言えば右腕は盾だ。戦えはするが、扱い辛いだろう〉


 そう、あの右腕はとても動かし辛いのだ。

 普段の腕より、何十倍にも肥大化するため、重くもなるし、動かすための予備動作も必要になる。

 それなら右腕は、ぶつける、置く、この2つの動作で完結させて、盾にするのが有効的だ。

 子供とのやりとりが終わり、プルトリファの質問にも答えた所で、買い出しに行ってた2人が戻ってくる。


「随分と遅かったな。秘密の会談は、楽しかったか?」


 皮肉を交えて言う。

 こいつらが2人っきりになれるのは、この買い出しが初めてだ。

 俺の事や、これからの事を話して無いはずがない。


「ええ、そうですね。貴方の話の裏を取るために、情報収集をして────

「そ、そんな訳ないだろ!秘密の会談なんて一切してない!」


 ローブが優雅に返そうとした矢先、シェルがそれをぶち壊す。

 シェルの性格が分かった気がする。こいつは、物事をしっかり考えれるが、予想外の展開が起きると、一気に崩壊するタイプだ。

 ローブは頭を抑えて、深いため息を出している。

 あんたは苦労しそうだな。


「わざわざ自白ありがとさん」


 情報を提供してもらったんだ。礼は言わないとな。

 玲は皮肉のこもった、感謝の気持ちを伝える。

 意味を理解出来たのか、シェルは真っ赤になり、ワナワナと身を震わせている。


 不味い。怒りが噴火する前に逃げなければ。


「準備出来たんなら、さっさと行くぞ」


 そう言い、今度は玲が駆け足気味に、先頭を駆ける。

 ローブは距離を取りつつ、付いて来る。


「待て!こんの!」


 そう聞こえたため、後ろを振り向く。


 なんと走って来た。

 駆け足ではなく、全力疾走だ。

 ローブが距離を取っていた理由が分かった。

 巻き添えを喰らいたくなかったんだ。


 仕方がない、向こうが潰れるまで走るとしよう。

 Lv1とは言え、こっちは熟練の冒険者並みの、ステータスだ。追いつかれな──


 ヒュン、と音を立てながら顔の横を何かが通り過ぎる。すぐに振り返ると、そこには、魔法陣片手に走るシェルがいた。

 つまりさっきの何かは、魔法と言う事だ。


「おいおい、これは流石に笑えないぞ」


 これは『反魂の狂乱』の使用も視野に入れよう。

 そして、これからシェルを煽るのは控えよう。

 2人と1人は、見事な逃亡劇を続ける。

 町はどんどん遠ざかり、街道の先で子供の悲鳴が聞こえる。

 そこには先程の子供が、魔物の群れに襲われていた。

 いつもまにか逃亡劇は、魔物の群れに突っ込むチキンレースに変わっていた。


 異常に気がついたシェルが足を止め、魔物と対峙する。


「おい、まさか助けるとか言わないよな?」


 玲はそう言う。

 この言葉には様々な意味がある。

 この子供は自己責任だ、助けるメリットが無い。それに魔族のお前が人族を助けるのか?

 そう、問うているのだ。


 しかし、シェルは


「残念だが、私の目的のために助ける」


 そう言い、放たれた魔法により、魔物は死に絶える。

 だが、すでに子供は重症を負っていた。

 まだ息はあるが、喚き声が煩わしい。


「ロウ。お前は回復魔法は使えるか?」

「あいにくそんな便利なものは使えないな。もう助からない、トドメを刺すぞ」


 玲はシェルが頷いたのを確認してトドメを刺す。

 しかし、これといった感情は無い。

 この事により、シェルの怒りも消えたのだろう。何か考え事をしているが、鬼ごっこは終わる。


「魔族領土まであとどのぐらいだ?」


 玲が聞く。


「このペースならあと10日ぐらいだ」

「急ぐぞ」


 小さく「ああ」と返事が返ってくる。

 大した会話もなく3人は魔族領土へと向かって行った。

時間がっ!無いっ!猟犬です。

このような駄作に付き合って頂き、ありがとうございます。

明日は上げることが出来るか分かりません。

忙しいのです。

たとえ明日、更新が無くとも、覗いてくれると、とても嬉しいです。

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