処女ビッチ。
入学式から帰って来て、昼飯を食べた後、妹がどこか出掛けたいと言ってきた。
近くにあるコンビニぐらいしか出掛けない、通販生活な俺にはメチャクチャ難しい課題であった。
カラオケとゲーセンぐらいは友達と行ったことあるけど、妹と出掛ける所となると……。
いや、妹というか女子?と遊ぶなんて、小学生の時以来だ。
カラオケで俺が歌えるのは、濃い目のアニソンぐらいだし、ゲーセンで景品をカッコ良く取る自信もない。
女子とお出掛けする脳内シュミレーションは、まだやってなかった。
異世界転生、異世界転移の脳内シュミレーションなら、毎日やってたんだけどな。
まさか向こうから来るとは。このパターンは古くて逆に考えてなかったわ。
「お兄ちゃん、はやくいこ?」
変な言い訳を考えてると、私服に着替えた妹が2階から降りて来た。
妹の私服は、控え目に言ってぶっ飛んでいた。
アニメの1期OPでアリスが着てた、本編には出てこない衣装。俺の願望が具現化した様な衣装。
でもそれはダメだ。色んな意味で、完璧にコスプレだ。
なんて説明したらいいんだ。「その服は俺の趣味全開の魔法少女風衣装だからやめとけ」とか?
固まってしまった俺に首を傾げ、自分の服装を見直す妹。
「あれ?これお兄ちゃんの趣味じゃなかった?」
………趣味です!完全無欠な趣味です!趣味すぎて眩しいぐらい趣味です!とは、流石に言えない。
「いやー、すっごい完璧に似合ってるけど、それは戦闘服というか、ここぞと言う時に着る服だと思うよ?」
スマホのカメラを秒で起動、シャッターを切る。切りまくる。
「あ、やっぱり?もー、お兄ちゃんの考えてる事、全然参考にならないんだけどー。」
「あ、いや、ごめんごめん。そうだった。ちょっと待ってて。後でコンビニで雑誌買って来るわ。」
と言いつつも、シャッターを切る。
最初は色々ポーズを取ってくれていた妹も、段々目が蔑みって来た。
それでも撮る!
その眼はこの業界ではご褒美です。
……コンビニ行って来るか。
キリがないと思ったのか、制服に着替え直した妹を1枚だけ撮って、コンビニに出発した。
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妹は魔王だった。魔王はやっぱり魔力が使えるらしくて、魔力で格好を変えれるらしい。
しかも俺の記憶から映像を見て、そこから再現する事が出来るんだとか。(プライバシーは無い。)
朝、何気なく着てたうちの学校の制服も、俺が何気なく見て覚えてたのを再現したみたいだ。
ついつい色んな妄想が弾けるが、これを再現されたら、折角の妹が処女ビッチになってしまう。
ひとりでニヤニヤしながら、いつものコンビニに入店。
適当にJKなファッション雑誌を1冊選んでレジに並ぶと、何故かエロ本でも持ってるかのように緊張してきた。
誤魔化すために、新商品のプリンや、女子が飲みそうな飲み物も買って帰る事にしよう!
これで俺は妹にパシられる、ヘタレ兄貴だ。
JKなファッション雑誌を買う変態じゃない。
「コンビニ行くなら、私のプリン買って来るのが普通でしょ!」
って言うのを、一度やってみたかったが、仕方ない。
家に着いて、玄関のドアを開けると、そこには見事に処女ビッチな妹がいた。