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第五十二話 人生2度目の学園生活

更新が遅れてしまいました

 防衛魔法学園。その施設はこの日本の運命を握り、権力も握っている言わば最高権力を持っている大きな集団。校舎は一般の高校や大学とは格段に大きく、広い。それも当たり前、この学園には全国の高校生が揃っている。高校生が伸び伸び生活していくには、相当の領地が必要だ。

 そんな校舎の一室。生徒会室では……


 「報告とは何だ?」


 「また外の者が死んだ報告なの? そんなの聞き飽きたわ」


 「まあまあ真央そんな事を言わずに。それで報告とは?」


 生徒会室に五名の生徒が扇状に並んでいる机と椅子に腰掛け、それぞれ違う表情で報告を聞いている。報告者はそんな五人には物怖じせず、淡々と書類を読んでいく。


 「書類によると、外で蟻型のモンスターが出現したそうです。数は二十」


 「ほら~また外でも死亡報告じゃん」


 真央と呼ばれた女は自分の指を気にしながら、話に突っ込み報告の妨げをしていた。


 「気にしないで先を読んでくれ」


 「ここでまでは普通なのですが、ここからです。謎の少年と女性が一瞬で蟻型モンスターを倒した……いや、殲滅させました。現地の者の報告では少年は余裕を持っており笑っていたと。女性については特に書いては無いです」


 この報告には真央も他の四人も驚きの表情を隠せなかった。

 蟻型を複数体相手にするのは、モンスターとの戦闘が慣れている人でも苦戦するというのに、その少年は一瞬で倒してしまった。しかも、そんな力を持っている者が学園に所属してないという点でも驚いてしまう。


 「新たな帰還者か、それとの別の者か……」


 一番権力を持っている者が悩みながら、ありえる可能性を考える。

 その左隣に居る男性は驚くが、特に気にする様子は無く質問をする。


 「そいつは俺達より強いのか? それとも弱いのか?」


 「今の情報では分かりませんが、恐らく上位の方には入る人物ですね。これも帰還者の場合ですが」


 「も、もしかして……駆君ですか? 駆君ですか!?」


 一番右端に座っている女性が席を立ち、声を荒げながら報告者に問いかける。

 その隣に座っている真央と言う女性が『落ち着け』と一言で自分がしてしまった事を反省したようだ


 「その駆という者がどんな人かは分かりませんが、先ほど蟻型を倒した者達と思われる集団が防衛区内に入ったと報告書では書かれています。相馬家としか名前は書かれていませんが」


 その名前を聞いて座っている五人中四人は何か理解したのか、不自然に黙り。右端に座っていた者は希望の光が心に差し込んだのか、表情を明るくし嬉しそうにしていた。


 そして、この五人は後に来るこの少年に学園全体を掻き回される事をまだ知らない……。


 

 

 カケル達は防衛区内に無事入ることに成功し、新しい家にも入ることが出来た。防衛区の家は家庭の人数によって敷地の広さ、建物の大きさなどを計算し建てれてる。相馬家は、母親、父親、カケル、モーリス、ミーニァ、フローラリア、カグラの七名家族なので、家も相当豪華で二階建て。

 

 「お、おい……こんなに豪華な家に住んでも良いのか?」

 

 「本当ね……今までの家とは大違いだわ」


 「え、そうでも無くない? ほら早く入ろうよ」


 家の表札にも 相馬 と表示されているので、正真正銘カケル達の家だ。

 カケルが中に入っている事で、モーリス、ミーニァ、フローラリア、カグラらは遠慮なく入っていく。その光景を眺めていた両親もゆっくり中に入る。


 「へぇ、一人一人の部屋が設けられているのか」


 部屋は一階に四部屋。二階に三部屋で合計七部。一階から二階にかけて吹き抜けになっており、その中心にはリビングがあり、その両側に二部屋づつ。玄関から見て奥にキッチン。風呂、トイレは玄関から入ってすぐ右の扉に。


 「私はずっとカケルさんと居たので、一緒だと安心するんですが……」


 「わたしもーいっしょー」


 そして、一人取り残されたカグラも『な、なら私もご一緒します』と恥ずかしそうに申し出る。流石にモーリスは一緒になることはなかったが、隣の部屋が良いと言う。両親は取り敢えずカケルといつもの通り生活できれば、それで満足だったので希望の部屋とは無いという。


 「多分、一室に四人は流石に厳しいから四人の寝室兼僕とカグラの部屋にして、ミーニァ、フローラリアはモーリスとは反対の部屋で荷物とかを置くと良いんじゃないかな」


 カケルはこれから学園などに行ったりするので、常にフローラリアのお世話が出来る人が良いと思いミーニァに同じ部屋にして任せた。カグラの場合、異世界の方で言う事を度々聞かなかったという場面を何度もカケルが目撃していた為、同じ部屋にはしなかった。

 結果的に二階の部屋は両親以外のもの達が使用し、一階の一室は両親が共同で使用することになった。その他の余った三部屋は物置など色々な事に活用することで決定した。


 防衛区内は破棄区とは違い、敵が襲撃してくる前のような感じで至って普通。スーパーもあり、食べ物も販売していたり、車が時々通ったりしている。究極に普通な生活で何も困っていない様子だが、それはただ周りの外気から遠ざけているだけで、脅威はすぐそこまで来ている。来ているが、今はそれを帰還者達が排除して気がついてないが、突然敵の軍団しかも強敵だとしたら絶対に食い止める事は無理。日本の帰還者の頂点に立つ者がどれだけの力量なのかは不明だが、その者一人で全てを倒すことは奇跡が起きない限り不可能。


 敵の強さの限度がどこまでかは不明であっても、このままの日本は壊滅して滅びる運命。そうならない為にも、新たな者が頂点に立つ必要がある。


 

 翌日。

 早速カケルは学園に通う事になった。

 学園の制服は前日に届いていたので、それを着て登校する。


 「では、僕は学園に行って来るよ。ミーニァ、カグラ、フローラリアの事をよろしくね」


 登校時間は一般生徒とは遅めで行くので、ゆっくり登校する事が出来る。

 学園は高校二年生のクラスに入る事になっている。授業内容は、主に敵対して有力な攻撃方法。戦闘訓練、基礎学力の向上となっているので、カケルが途中で参加したとしても問題ない。学力は異世界の方の勉強と現代の勉強はそこまで差が無かったので、特に問題はないはず。

 

 クラス分けは戦闘技術のレベルに応じて特待生、一組、二組、三組……と分けられているが、それは入学当時から居る生徒限定。途中から入ってきた生徒に関しては、一番下の十五組からのスタート。クラスを上げる為には、毎週行われる模擬試合で現在のクラスで上位(全体の三割)で上のクラスの者を三名倒さないと上のクラスにはいけない。

 この学園のルールを知るのはカケルが実際に入学して、しばらくの事。


 入学の手続きを終わらせたカケルは、担任の先生の後を追いながらクラスの教室へ向かう。

 教室の扉が開き、待っていたのは転入生がどんな人かワクワクしている歓声では無く、生きる気迫が全く感じられない人間だった。


 「なんだこれは……」


 二年十五組は一番下のクラスだからか、人数が馬鹿みたいに多い。その為、上のクラスを目指す前にクラス内で上位に入ることも難しい。もし、入ったとしてもそのポジションが安定するとは限らないので、既にやる気をなくした生徒が多いのだ。


 「自己紹介を」


 担任に言われるまで忘れていた自己紹介。カケルは慌てた様子で噛まないように慎重に話す。


 「相馬 カケルです。この学園に来てまだ一時間も経ってないです。なので、誰かこの学園を案内してくれると嬉しいです! これからよろしくお願いします!」


 浅い礼で最後を締めくくり、一言一句噛むことは無かった。しかも、途中の誰かに案内を頼む! これはギャルゲで得た知識だ。この方法滅多な事が無い限りボッチになることはない! とギャルゲの主人公が物語っていた。


 『あ、あれ? 誰からも反応が無い!? 無視とは流石に考えていなかった……』


 「それでは適当に空いている席に座ってくれ」


 席は奥に行くほど高くなっており、前の黒板が何処から見ても見えるように出来ている。席の奥はいかにも悪そうな男子生徒が居たので、カケルはなるべく手前の席で空いている所に座ることにした。

 ちなみに、両隣女子生徒だ。


 「では、今から実技だから訓練服に着替えるように。相馬は今回だけその服装で参加してくれ」


 『早速入学早々の授業が実技か……運が良いのか、悪いのか』


 複雑な気持ちを抱いたまま、カケルは実技の準備をして向かっていった。

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