第四十一話 知られては……
文字数が少なくなりました。
すみません。
次の更新には、元の文字数に戻しておきます。
新入生は遠征終了の次の日から学園は始まるのだ。
だが、流石に疲労が溜まっているだろうと新入生だけが午後から登校になっている。
その為カケルの朝は遅かった……が寝返りをした時に、とある感触が手に触れたので目が覚めてしまう。
『ふにゅう』
『もふもふ』
『あ~柔らかいマシュマロ~え? 手に何でマシュマロがあるんだ? もう一度……』
『ふにゅふにゅ』
『ああ~んっ』
『ああ~んっ? どうしてそんな声が出てくるんだ? 目を開けて――ええ!? ミーニァさん!?
って事はさっきまで揉んでいたのは』
カケルはミーニァの豊富な胸を揉んでいた右手を見て頬が赤くなる。
しばらくの間、手とミーニァを交互に見て嘘ではない事を何度も確認する。
眠りながら嬉しそうに尻尾をゆっくり振る彼女をずっと見ていると、起きてしまう。
「ん? カケルさんおはようございます。顔が少し赤いようですけど、熱でもあるんですか?」
寝ている時の記憶と、感覚を覚えていなかったのか。それともとぼけているのかどちらかは分からなかったが、どっちにしろカケルにとっては好都合だった。
何でもないよと返し、その場から逃げるように洗面所へ顔を洗いに行く。
『確かに顔が赤くなっている……危なかった』
熱を持った顔に冷水はいつもより冷たく感じ熱はじわりじわりと引いていく。
朝食まではまだ時間が余っていたので、習慣の朝練を軽く済ませることにする。軽くと言っても、力を使った状態が基準ではなく、使ってない状態の基準だ。
木刀を握り、何百回か素振りをする。
その後は軽く走り、体操をして切り上げた。
玄関を抜け、家の中に入ると朝食の良いにおいが部屋中に充満していた。その匂いを嗅ぐためにカケルはウサギのように鼻をひくひく動かす。
汗を流すためにお風呂場に行く途中で、台所に寄ると不思議なことに気がついたらしく、ミーニァに尋ねる。
「ミーニァさん。どうして今日は朝食の量が多いんですか?」
するとミーニァは振り向き、どうしてそんな事を聞いたの? と言っているような表情になる。
「昨日カケルさんが連れてきた五人の分も作っているんですよ。全く疲れで昨日のことも忘れたのですか?」
「ごめん。すっかり忘れていた」
「まあ良いです。それであの子達の事なんですけど、夜エリン王女に相談してみたらメイドとして働かないか。と誘われたんですが、どうしましょう?」
現段階ではカケルがあの子達を買い取ってので、全ての権利は当然カケルにある。彼の様子を見ているとそんなことは気にしなさそうだが。
「欲を言えば、一人ぐらいはこの家に居て欲しいと思っている。ミーニァさんが居ないときにその子にフローラリアの世話を頼みたいから」
その意見を聞いた彼女は深々と頷き、無言ではあったが了承してくれた。
「ではカケルさんが、残す子を選んでおいてください。そしてあの子を達を不安にさせないために、事前に説明をしていてください」
「分かりました。ご飯を持っていくときに一緒に説明しておきます」
会話が終わった直後にフローラリアが眠りから覚めた。
恐らくだが、二人の会話が聞こえてそれで起きたのだろう。
ミーニァはまだ眠たそうにしているフローラリアを抱えて朝食が置かれているテーブルの前に座らせる。
そして初めての三人での朝食が始まった……
朝食を食べ終え、別のところに居る少女達に食事と話をした。エリン王女様のところで働くとなると、少女達もざわめき始め『私がいきます!!』とお世話係は嫌みたいに食いつき始める。だがお世話係も一応エリン王女様関係で繋がっていると試しに話してみたら、さっきと同じようにとはいかなかったが、食いつく者はいた。
お世話係は、食いついた者から優しそうな人を選ぶ。
その他は、エリン王女のメイドとして働いてもらうことにした。
朝早く起きすぎたカケルはまだ眠たかったらしく、登校するまで寝ることにした。
『カケル様。久しぶりですね』
夢も見ていない状況で頭の中で聞き覚えのある声が響く。
『その声はマーズか』
『正解です。それで言いたいことがあるのですが、良いですか?』
『別に構わないよ』
マーズがあえて、睡眠時に声を掛けて来るのは、正体をあまり明かしたくないからであろう。
もしミーニァが見たときなど、興奮するか、混乱するか、毛が逆立つかぐらいだろう。反応が薄かったとしても、その事実を知ってしまっている。もしかしたら、その情報を悪用されるかの知れない。そのことを考えると、必要最低限に纏めたほうが情報漏えいも少なくなる。
まあミーニァは悪用などはしないと思うが。
『単刀直入に言えば、この世界に少しずつ危険が忍び寄っています』
『それはどういうことですか?』
『私も未来が見えるわけではないのですが、長年生きていると予感が分かるんですよ。それで今は嫌な予感がしているんですよ。でもまだ遠いものですが、いつ近くなるかは分からないです。なので言いたいことは、警戒をしておいて下さい。そして覚悟をしていてください』
『分かりました。一応頭に入れておきます』
『では私はそろそろ……』
言葉が途切れると、次はフローラリアの声が聞こえた。
あらかじめ、寝る前に『時間になったら起こして』と伝えておいたらしく、若いお父さんを起こそうと頑張っている。
その様子を起きてこっそり薄めで見ていたカケルの頬は少し緩んでいく。がそれに気がついたフローアリアは小さい手で、顔を『ペシンッ』と音がなるほど強く叩いた。
どうやら怒っている様子だ。
「ごめん。ごめん。もう起きたから泣きそうにならないで」
起こしてといって起きないカケルを見て、このままじゃ自分のせいで遅刻してしまうと思ってしまったのだろう。自分を責めるている時に流れた涙だと彼は理解していた。
「じゃあ、がくえんにつれていって」
現在は部屋にはカケルとフローアリアしか居ない。
ミーニァはエリン王女の方に行っている為留守にしている。
少女達は明日から世話係りと、メイドとして働くことになっている。
「そうだね。一人じゃ寂しいからね。よし! なら着替えて行こう!」
「うん!」
そうして、二人は一緒に学園へ向かったのだ。
今日の授業は普通とは違い、疲れが残っているだろうと教師が気遣って難しい内容の事はしないようになっていた。それだからか、昨日の疲れを感じさせないほど皆イキイキしている。特に女子達は学園という安心して生活が出来る場所に戻ってきたという喜びからか、男子よりテンションが高い。
だがそれは新入生だけだ。
在校生はいつもと同じように授業がある。
そして、その在校生の中に一人いつもずっと願うものが居た。
『お願いします神様。今日もバレずに一日が済みますように。あの人たちには私の正体を知られてはいけない。そう知られては……』
前々から言っていた新作のほうは、多分なろうに載せるのは来年になります。
その理由は、どことは言いませんが、賞に応募するからです。
まだその期間まで時間があるので、少しは更新が早まるかもしれないです。
なので、そのときはよろしくお願いします!




