第35話 指定依頼と帰還におかえりと。
クローネを調教!頑張りにより
なんとか彼女は使えるようになった
ところまでが前回までの朝ソコ。
休むことなく働く男女……一人はたっぷり休憩を楽しみました。主にリリ。
当たり前だが体力的にキツい……筈なのだが。コータはいつも通り力の恩恵により疲れません。すり減るのは主に精神。コータ地味にチートである。
一方、クローネはと言うと。
「い…いらっしゃい……ませ……あ、ありがとうご、ごじゃいましゅいたぁぁ……」
うん、ヘロヘロだわぁ~ありゃダメです。コータとリリが心配な目でクローネを見ている。二人もきっと同じことを考えてることだろう「「あ、コイツ分かりやすく疲れてる……」」と。そんな彼女に見かねてリリは「大丈夫か?」と、そう声を掛けて気遣う。クローネは「だ、大丈夫なのじゃ~」と言って尚も働き続ける。注文、配膳、会計の三連コンボをヘロヘロながらも必死に。クローネ……ええ娘やぁ~。リリ、働け……あ、働いてるわ……じゃあコータ!働け……働いてるな……作者働け!はい。
クローネは頑張っていたがやはり体力的に限界が訪れたようでついに、矯正した歩き方が崩れ倒れる!とコータとリリは合間合間に見ていて駆け寄ろうとしようとした時だった。転ん……でない?そうだクローネは転ばなかった。クローネが踏ん張ったからか?違う。支えた人物が居たからだ。それは。
「お?嬢ちゃん大丈夫か?」
その人物とは、常連でありながら暫くは店に顔を出して居なかった男。冒険者なかで最高峰の男リカルドであった。支えて貰ったクローネは。
「あ、ありがとうございますなのじゃ……」
そう言い離れる。
「おお、気にすんな」
豪快いに笑いながら気にするなとクローネに言う。リリとコータはその二人のもとに近づいていき数日振りと挨拶を交わす。
「リカルド、最近顔出さないから死んだのかと思ったぞ?」
「リカルドさんお元気そうで何よりです」
思い思いの言葉を掛ける。
「おう!リリ、ちゃんと生きてるぜぃ!!あんちゃんも元気にしたみてぇだなぁ」
リカルドの名前の威力は相変わらず凄い。回りが振り返り注目を浴びているのだから。まあ、直ぐ料理や酒や話に戻りはするが、流石は最強と言われる男だ皆、敏感に反応してしまうのはわかる。
「何処に行ってたんだ?」
「お?ああ、とりあえず酒のませてくれ。話はそれからだ」
リリは、リカルドがこの数日間何をしていたのかと気になるらしく聞いた。だが、立ち話もあれだから座って酒を傾けながら話すとリカルドそう言っているらしい。リリは「わかった、今用意する」手早くエールと適当なつまみを用意した。それから話をすることに。少しずつ客足が落ち着き始めコータも話を聞ける態勢になる。
「あ?そう言えば新しい子また雇ったんだな。名前なんてんだ嬢ちゃん?」
リリはクローネにある程度リカルドがリリの知り合いの冒険者だと簡単な説明を話して自己紹介するように促す。
「よ、余はクローネなのじゃ!よろしく頼むのじゃ!!」
「おぉ~!元気いいじゃねぇかぁ~よろしくなクローネの嬢ちゃん!!てか面白い喋り方してんな嬢ちゃん?」
「これは、昔からの癖なのじゃ」
「昔から?嬢ちゃん貴族さんか?」
「……あ、な、内緒なのじゃ! 」
「そうかぁ!内緒なのか?じゃあ聞かねぇさ」
あっさり貴族とバレるクローネに内心リリとコータはため息をついた。そんなやり取りがあってから。
「自己紹介も終わったことだから話すか。俺は依頼で、この街を離れてたんだわぁ」
「依頼……か」
「ああ、いつもながら指名の依頼がきてな。依頼先が依頼先だから断れねぇんだわぁ」
「依頼先……というと?」
コータはリカルドにダメ元で聞いてみる。ダメ元の理由は、普通は依頼人の事はあまり聞いていいものではないからだ。プライバシーな事もあるし、余計な詮索などはしてはならない。それが秘密裏の事柄だと余計にだ。冒険者という仕事は雑用もあればそういう仕事もあるのだ。殊更、リカルドは冒険者の中でも最高峰であるので実力がある。だから余計に重要な仕事の依頼や困難な依頼などがよく来るのだ。Sランク冒険者という名は伊達ではない……ということだ。作者が珍しく説明をまともに書いている……たまにはちゃんと仕事してることを証明したかったのだ。ありがとう!そしてありがとう。
オホン!とにかく。リカルドはそれだけ信頼に足る人物なのだとわかる。
「ん?ああ、依頼は国王さん直々の依頼でないつもながらめんどくせぇ依頼でよ。行くにも時間かかるしブッ倒すのも時間かかってよ、で、ようやく帰ってこれたのが今日なわけだ。ちなみにその依頼はあんちゃんとあった日に急に入った依頼でよ。で今日までここに来れなかったわけだ」
「国王さま直々依頼……お主何者じゃ?」
クローネは驚いた顔してリカルドを見やる。
「クローネ、リカルドさんは世界に三人しか居ないSランク冒険者の一人の方だよ」
「なんと!?そうだったのか!なるほどそれでなのか」
「あんまり肩書きとかに縛られるのは好きじゃねぇーんだがよ、ま、一応そういわれてる人間ではあるな」
頭を軽く掻きながらリカルドはそう答えた。
「それで……どんな依頼だったんだ?話せる内容なら話せ?」
リリは気になるのかリカルドに説明を求めている。昔からの付き合いである意味、身内みたいなリカルドの事が何をしたのか気になるのであろう。
「別に隠すことでもねーから話すが最近、帝都近辺でフェンリルが現れてよ。それを帝都の住民に気付かれないように早急に討伐してくれって依頼かね」
「……」
「……」
「ん?二人ともどうかしましたか?」
リカルドの話を聞いてリリ及びクローネの顔の表情が固まった。
「……私の聞き間違えか?今、フェンリルって言葉が出てきた気がするのだが?」
「ん?聞き間違えでも何でもねぇぞリリ?」
二人のやり取りを見て明らかに何かがおかしいと感じ取ったコータはクローネに聞く。
「ねえ、クローネ?フェンリルって何か聞いても良い?何だかわからないからさ?」
「なっ!?コータはフェンリルを知らんのか!?世間知らずの余も知っているのじゃぞ?」
「うーん、その辺は色々と疎くてさ。お願い」
「……知らないなら、知っておく必要があると思うのじゃ。だから話すがの」
「うん」
「フェンリルは魔物なのじゃが所謂、災害指定された魔物なのじゃ。見た目はでかい白い狼での、だがその見た目からは想像出来ないほどの強さを誇る魔物中でも最強最悪の三凶獣の一匹なのじゃ」
新たなキーワード最強最悪の三凶獣。
「三凶獣?」
「まさかそれも知らぬのか?」
「恥ずかしながら……」
「全く、仕方ないのぅ~余がちゃんと説明してあげるのじゃ!」
得意気にクローネはコータに勿体振りつつ話始める。
「三凶獣と言うのはの?各々、災害指定されている魔物のことで先程話に出た神狼のフェンリル、暴虐のブラッディベアー、幻獣キマイラ。この三頭のことを指すのじゃ」
「何か……名前からして怖いんだけど」
「ちなみに昔の魔王よりは弱いけど少なくとも魔王に迫る強さを持っていると言われる地上の生物なかの頂点と言われる生物の一角達じゃな」
剣呑とした怖い魔物さんを説明されたコータは会いたくない生物に即行指定した。
「他には知っていることとかある?」
「いいや!これ以上は知らぬのじゃ!!」
胸を張りドヤ~と言わんばかりに断言されこれ以上は何も聞けなかったコータ。なにこれクローネ可愛い。
いつの間にか固まっていたリリがリカルドに対して。
「……また、無茶をして……全くお前は」
「ん?そうでもねぇよ。何か、そのフェンリル弱ってたしよ?」
「そうなのか?……って話を誤魔化すな!まったく貴様というヤツは!」
リリがリカルドを心配しているのが分かりやすくみてとれた。親をなくしリカルドを兄のように慕っているのだろうリリは家族同然の彼を思っての発言だった。リリも可愛いなおい。
「まあ、もうやっつけちまったし問題ねぇよ」
「そういう話じゃない……もういい、無事ならそれで良い……」
「おう!」
そういうとリカルドはリリ対して満面の笑顔で答えた。そしてその笑顔に対してリリは。
「おかえり……リカルド」
そう優しい笑顔で答えるのであった。
久々です~
なんとかバーっとか書き上げました~
今回はコミカルなものはあまりありません。
ですが、新しいキーワードの出現、次話の
リカルドの話の続き必見です(多分)
また、ゆっくり書きますので気長に
お待ちください。
今回はちょっと長めでした。
台詞ばっかですみません。