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序章
『たとえばそれは想いをくれる人だったり、願いを叶えてくれる人だったり、優しい笑顔を向けてくれる人だったり。
心から傍にいたいって思える存在を作ってほしいの。
そしたら、もっともっと、ずーっと世界は綺麗に見えるよ』
いつだってそう云って笑ってくれた。
でも、もう彼女はいない。
だから彼女の最期の願い、ずっと傍にいたいと思える存在を探しにいこう。罪滅ぼしと、祈りと。
世界は、自分が思うよりもほんの少しだけ彩やかなんだ。
つたない物語ですが、どうぞよろしくお願いします。