欲しがりの妹に、これ以上奪われるのはごめんなので
「婚約を解消して欲しいのです」
婚約者、リベリオ・オルフィーノ様へ私はそう言った。
婚約者同士の良好な関係を築くべく、定期的に開いているお茶会。
公爵邸のガゼボでお茶を飲んでいる最中、周囲に人がいない事を確認してから私は彼に話を切り出したのだった。
日頃から表情が硬いリベリオ様の顔が、この時ばかりは驚きを見せた。
「これまで頂いたアクセサリーも、そちらに送らせて頂けますか?」
私が更に話を続けると、リベリオ様は瞬きを数度繰り返してから持っていたカップをテーブルへ戻す。
そしていつもの硬い表情に戻ると、怒るでも取り乱すでもなく静かに口を開いた。
「……何故?」
まずは相手の意見を聞こうと、侯爵家の娘である私相手にも尊重してくれる彼の在り方は、いつだってありがたかった。
私は社交界で築き上げた作り笑いを顔に貼り付ける。
「妹が、私達の関係に嫉妬しているので」
「……ジャンナ嬢か」
私は小さく頷いた。
妹のジャンナは、幼い頃体が弱かった。
寝たきりの事が多く、何かと不自由な生活を送っており……また熱を出す事も多かったので、両親や私と顔を合わせる事も少なく、一人で過ごす事が多かった。
そんな彼女の過去に対し、両親達は申し訳なさを感じているのだろう。
ジャンナの体が良くなり、普通の令嬢としての生活を手に入れてからというもの、両親は彼女を甘やかし続けた。
同時に、自分達の後ろめたさを和らげるため、ジャンナの前で私を厳しく躾ける事も増えた。
「お前は駄目な子だ」、「ジャンナに比べて苦労もしていないのだから、もっと努力をしなさい」と……。
それを見たジャンナは思ったのだろう。
「お姉様は不出来で、私は両親から最も愛される娘なのだ」と。
彼女は自分の立場を理解してからというもの、両親に何でも強請ったり、我儘を言うようになった。
そしてそんなジャンナを両親も受け入れ、本当にどんな我儘も聞くようになった。
それに調子づいたジャンナの要望は更にヒートアップしていき……あとはもう悪循環だ。
ジャンナは家の貯蓄を着実に貪っていたし、両親もそれを止めない。
ただ……それだけならばまだよかったのだろう。
我が家の貯蓄はすぐに尽きるようなものではなかったから、どこかのきっかけで両親が引き返すことが出来る可能性だってあった。
それにジャンナだってどこかへ嫁ぐ未来が待っているのだから、やはり我が家が妹一人の手によって潰れる事はなさそうだった。
そう考えれば、ジャンナがただ我儘を言っている分には、私に直接的な被害はあまりなかったけれど……。
***
「お姉様はいいなぁ」
ある日を境に、ジャンナの口癖はそれになった。
「その髪飾り、可愛いなぁ」
「ネックレスもいいなぁ」
「イヤリングだって、私のより可愛いわ」
「結局お父様とお母様はずっと一緒にいたお姉様の方が大好きなのね」
新しいのを買ってあげようと両親が提案すれば、ジャンナは「今、あれが欲しいの」と言う。
その結果……両親は言った。
「お前はジャンナの姉なのだから譲ってあげなさい」
と。
こうして私のアクセサリーやドレスは次々と奪われていった。
私は知っている。
一度通ったジャンナの我儘の度合いが上がり続ける事を。
「いいなぁ。お姉様のお部屋は私の部屋よりも庭園が良く見えて」
「お姉様には仲の良いお友達がいて良いなぁ。ずっと寝たきりだった私にはいないのに」
人の物を強請る癖に、自分の者は渡したがらない。
結果、私は使用人と同等の狭さの部屋を押し付けられ、身を飾る物は殆ど失い、友人と会う機会も奪われた。
友人達のお茶会にはジャンナが出席するようになった。
それでもジャンナの欲は止まらない。
ついに彼女は――
「いいなぁ、お姉様はリベリオ様と仲が良くて」
――私の婚約者を欲しがったのだった。
***
私とリベリオ様の婚約が決まったのは幼い頃――ジャンナが部屋に籠りがちだった頃だ。
良く体を壊す者より健康な者を公爵家が婚約者に求めるのは当然の事であったし、両親とてそちらの方が安心だと考えていたはずだ。
加えて私とリベリオ様は同い年でもあった。話も合いやすいだろうというのがオルフィーノ公爵夫妻の見解だった。
「ジャンナはこれまで、どんな我儘も突っぱねられた事がありません。今回だって最終的には自分の思い通りに行くと考えているでしょうし……何が何でもそうするつもりでしょう。両親も今は正気とは思えない程ジャンナ絡みに対しては判断力が鈍っていますから、きっと我が家での意向は既に殆ど定まっていると言った方が良いはずです」
「婚約者の取り換えなど、公爵家が許すとでも?」
「仰る通りです。一度交わした婚約を反故にした上で、別の娘と婚約を交わし直して欲しいなど……公爵家の侮辱とも取れます」
自覚はなかったけれど、もしかしたら私の顔は少し曇っていたのかもしれない。
リベリオ様は私の顔を見て何かを察すると深く息を吐きました。
「……貴女を責めている訳ではない、エルヴィーラ」
「ありがとうございます」
「確認だが、この婚約解消の申し出は貴女の本意ではないという事だな」
「はい」
私は自分の耳につけたイヤリングに優しく触れる。
共に街へ出かけた時、リベリオ様が選んでくれたプレゼントだ。
家族に見つからないように隠して、リベリオ様と会う時にだけ着けている。
「初めは政略的なお付き合いでしたけれど……同じ時を重ねていく内、私の心は自然と貴方の方へ傾いていきました。今だって、リベリオ様を想う気持ちは一切変わりありません。ただ……」
私は最近のジャンナの姿を思い浮かべる。
欲に染まった瞳、私から物を奪った時に見せる醜悪な笑み――。
「今のジャンナは、きっと自分の目的の為ならば手段も問わないでしょう。リベリオ様が彼女と婚約をするつもりがなくとも、きっと、ご迷惑になってしまう」
「婚約者の為に労する事を迷惑とは言わないだろう」
「そう言ってくださるとは思っていました。だからこれは、私の気持ちの問題なのでしょう」
私はリベリオ様を真っ直ぐと見つめる。
「今の私に残っているのはリベリオ様との関係と、貴方から頂いた贈り物――思い出の数々です。それだって、いつまで隠し続けられるかわかりません。けれど……その一つだって、奪われたくはない」
これまで、何を求められたって最後には諦めて差し出すことが出来た。
けれど、リベリオ様に関する物だけは、一つたりとも与えたくはない。
そう強く思える程、私は彼を愛していた。
「それに、簡単に奪えるものだとも思われたくもないのです。私にとっては、全てが替えの効かない大切なものですから」
ジャンナがリベリオ様との関係を求めるのは、彼が公爵家の嫡男である事、自分がリベリオ様に愛される自信がある事、そして……私が彼を慕っているという事実があるからだ。
私の物を完全に奪う事で、自分の方が優位であると知らしめたいという思いが強いように思えた。
だから思ったのだ。
それならば、婚約が無くなり、私がリベリオ様に興味を示さなくなったならばどうだろうかと。
リベリオ様は私の話に耳を傾け、暫し考えを巡らせた後に……深い溜息を吐いた。
「……わかった。正直に言うならば、俺とて彼女から言い寄られ続けるのは勘弁願いたいからな」
「身勝手な願いで申し訳ありません。ただ、待っていてくれとは言いませんから……全て片が付いた時、もう一度この関係を続けたいと願う事を許していただけないでしょうか」
私は深く頭を下げる。
死角から、小さく笑う気配があった。
「一体何を言っているんだか。当然、こちらから迎えに行くつもりだったさ」
予想外の反応に顔を上げると、青い瞳と目が合う。
その瞳が優しく細められていて、私は小さく笑みを溢すのだった。
婚約解消の申し出については公爵家からする方が自然だろうというリベリオ様のご厚意から、後日我が家に婚約解消を願い出る書面が届いた。
公爵夫妻には事情を話して説得しておくとのお話しだったので、きっと話し合いが上手く言ったのだろう。
結局迷惑を掛けてしまう事になった件については、大変申し訳ないと思った。
両親はオルフィーノ公爵家からの申し出を好都合と捉え、承諾する。
互いの合意の上に成り立った婚約解消によって、私達の婚約は静かに終わりを迎えた。
それからすぐの事。
ジャンナは夜会に出席してはリベリオ様と接触を図ったらしかった。
私はジャンナ程夜会に顔を出す事はしなかったので、ジャンナは私が出席しない夜会に出席してはわざわざその時の報告を私まで持って来るようになった。
「今日もリベリオ様ったら、すごくかっこよかったの」
「大勢の女性が居たのに、私を見つけてくれたの。挨拶だってしてくれたのよ」
「きっとリベリオ様、私の事を気に掛けてくれてるんだわ。ああ、どうしましょう」
そんな彼女の言葉を聞いた私の反応は決まって同じだった。
「ああ、そう」
その返答が気に入らない彼女は更に自慢話の風呂敷を広げるが、その殆どが誇張した話しかそもそも根っからの嘘だとわかるものばかり。
どうやらリベリオ様はジャンナを全く相手にしていないようだった。
リベリオ様との婚約を解消した事で、予想外の事があった。
夜会で異性に声を掛けられる頻度が大幅に増えたのだ。
年頃の男性が同年代の女性に、というのはよく考えれば当然の話ではあるのだが、幼い頃から公爵家の婚約者であった私は社交辞令以外でリベリオ様以外との異性と話す機会はそう多くはなかったし、ジャンナからも殿方と多く話す機会があったなどという自慢話は聞いた事がなかった為、すっかり忘れていたのだ。
とはいえ、社交界の事情を考慮しても尚、私へ声を掛ける異性は多い方であったのかもしれない。
恐らくは公爵家に嫁ぐために積んだ教養のおかげだろうと私は踏んでいた。
異性からのアプローチやダンスの誘いを受けるさながら、ふとリベリオ様へ声を掛けるジャンナの姿がある。
彼女の声掛けにリベリオ様は冷たい表情と短い言葉を返すだけ、それに対してジャンナは顔を真っ赤にして震えていた。
ふと、そんな彼女と目が合う。
殿方とダンスを踊る私を見てジャンナの顔が酷く険しいものになる。
ここで私がする事は、ただただ興味がないふりをする事。
だからすぐに何もなかったかのように彼女から目を離したのだが……少しだけ、気味が良いと思ってしまう性格の悪い私がいた。
それからもジャンナはリベリオ様にアプローチをするも、取り付く島もないようである。
会話のきっかけすらつかめなければ婚約に漕ぎつくきっかけも見つけられない訳で。
両親も流石に焦りを見せ始めていた。
可愛い愛娘ならば公爵子息の婚約者という空席にすぐつけるはずだと信じていた両親達も、こんな事ならエルヴィーラを婚約者に据えたまま婚約解消に待ったを掛けた方がよかったのではないか……と。
「なんっでよぉぉぉっ!!」
夜。
何となく目が覚めて夜風に当たろうと廊下を歩いていると、閉まり切っていない部屋の扉からそんな叫びが聞こえた。
且つて、私の自室だった部屋。
「お姉様なんかより、私の方が可愛いのに! 私の方が愛されてるのにぃ! お洒落だってしてるのに!!」
何事かと隙間から覗けば、ジャンナが枕を投げ付ける姿が見える。
「っていうか、お姉様もお姉様で、何で余裕なワケ!? あんなに好きだったじゃん! 婚約無くなった時も平然としてたし……っ、もう好きじゃなくなったてこと!? ってかあの男達は何なの! お姉様ばっか声掛けに行って……見る目無さ過ぎでしょ!」
髪を振り乱し、頭を掻き毟る彼女はとても侯爵家の娘には見えない。
「あああああっ、つまんない! つまんない!! 意味わっかんないッ!!」
(いくら貴族とはいえ……教養を積んでいないと、ああなってしまうのね)
両親はジャンナにしっかり教養を積ませようとしたが、それを嫌がったのは他でもないジャンナだ。
あれでは確かに、いくら着飾っても寄ってくる殿方は限られて来るでしょう、と私は内心で呟くのだった。
その後。
ジャンナはリベリオ様の話を私の前でしなくなった。
どうやらリベリオ様を想う私の気持ちが完全に消えたと思った様だ。
またジャンナはそれからすぐに両親からの提案でリベリオ様に婚約の申し出を送ったようだが、結果は玉砕。
気遣い一つない身近な文章で断りの手紙が返されたとか。
自分がフラれたという事実をジャンナは認めたくなかったのだろう。
おまけに今のリベリオ様は『お姉様のもの』ですらなく、また私が彼に興味が無くなったとも思っている。
結果、彼女は。
「…………まぁ、もともとそんなに欲しくなかったし」
頭を抱えて悲しむ両親の前でそう吐き捨てたとか。
それから起きた予想外の事としては、社交界に私の謂れもない悪評が流れた事だ。
……正確には、『ジャンナが姉に虐められていると言いふらしている』噂が流れた。
どうやら今度のジャンナは、殿方に囲まれている私の立場を欲しがったようだった。
そんなもの、あげられるのであれば、いくらでもあげたというのに。
尚、これでも大貴族との婚姻という未来の為に育てられた私は、謂われない悪評や、批判が社交界で飛び交った時の対処法は知っている。
『触れない事』だ。
噂の類は、印象操作という面では先出しした側が有利だ。
それに対し慌てて否定すればそれこそ噂好きの格好の餌となる。
けれど噂に対して動じず、いつも通りの振る舞いをしていればいつか勝手に消えていく。
根も葉もない噂は善行でいくらでも上書きできるものだ。
仮に、悪意を持った誰かがその噂を繰り返し掘り返そうとしたところで、噂の主が必死になればなるほど信憑性は薄れていき、残るのは本人の悪意だけ。
だから私は徹底して普段通り振る舞った。
そしてジャンナはそれに反し、あまり広まらない噂を何とか広めようと何度も必死に私への被害を訴えた。
結果広まった噂は――『清廉潔白な姉を陥れようとする惨めな妹』の話。
少し考えれば当然の話だった。
夜会に入り浸り、ドレスもアクセサリーも毎回新調する贅沢三昧のジャンナ。
一方の姉はあまり夜会には出ず、ドレスもアクセサリーも何種類かの物を使い回す。
おまけに言動の品の差も大きい。
明らかに家で優遇されているだろう妹側が姉に虐められていると豪語したところで、誰も信じる訳がなかったのだ。
こうしてジャンナは自滅し――殿方はおろか、誰も寄り付かなくなってしまった。
***
ジャンナが社交界から孤立するようになってから、数週間が経った頃。
オルフィーノ公爵家から手紙が来る。
差出人はリベリオ様だ。
用件は……父が焦った様子で私の部屋まで駆け込んできた時に察した。
夜会では未だに話しすらできていなかったというのに、と先を越された事に驚きながらも喜びが心を満たしていく。
私は感情が顔に出ないよう必死に押さえつけながら、平然を装ったのだった。
「よろしかったのですか」
婚約の書面を交わすべくわざわざ我が家まで赴いたリベリオ様。
両親は彼の機嫌を取りつつ、私との中を深めさせる為に、二人きりで庭を歩いて来てはどうかと提案した。
丁度二人きりになれる機会は欲しかった為、私はそれに従い、リベリオ様と共に庭を散歩していた。
私の問い掛けの意図を問うようにリベリオ様が眉を片方上げる。
「一度目もこちらの立場を気にして婚約解消を申し出てくれたというのに、二度目の婚約の申し出までそちらからとなると……世間体など、公爵家の評判が」
「そんなもの、今後いくらでも覆せるだろう。ジャンナ嬢の悪評の事もある。赤裸々に語ったとて噂好きの令嬢達の脚色によって美談にすらなりかねない。それに」
リベリオ様は深い溜息を吐く。
その顔に、不服という感情がありありと乗っていて、私は驚いた。
「……これ以上他の男に、貴女が取られる様を見るだけなど耐えられる訳もないだろう」
「あれは……社交辞令もあるかと。一応侯爵家の長女ですし」
私へアプローチしてくれた殿方だって、合理的に婚約者を探していただけで、決して下心を抱いて集まって来ていた訳ではないのではないか……暗にそう伝えれば、リベリオ様は深々と溜息を吐いた。
「貴女は……異性の視線に鈍感な所を治した方が良い」
リベリオ様はそう言うと、私の頬に触れる。
日頃無表情の彼が、この時は酷く甘い顔をしていて……私の胸は大きく高鳴った。
「貴女は――自分が思っている以上に、魅力的な女性だという事だ」
「そ、そんな、ことは」
きっとないと思う。
そう答えようとすると、リベリオ様はやれやれと肩を竦める。
そしてふと何かに思い至ったようにポケットからイヤリングを取り出し――私の耳に付けてくれる。
婚約解消と共に、私が彼に預けたアクセサリーの一つだった。
「もう、着けても問題ないだろう?」
満足そうに、指先でイヤリングを揺らす。
私の目から見えないけれど、宝石が揺れる感覚だけは伝わっていた。
――彼の瞳と同じ、青い宝石が。
「外さないでくれよ。貴女は――俺のものなのだから」
「あ……っ」
リベリオ様の顔が近づく。
私は身を固め、目を閉じる。
柔らかな感触と熱が、唇に触れる。
私を抱き寄せ、頭を撫でてくれる大きな手が優しくて、少しだけ目頭が熱くなった。
私は彼を愛している。
そして彼もまた――私を、愛し続けてくれている。
その幸福に胸を満たされながら、私は彼の愛情を余すことなく受け入れたのだった。
***
その後、一度婚約を解消したとはいえ、長い期間、婚約関係を築いてきた私達はすぐに結婚した。
公爵夫妻は「大変だったでしょう」と私に優しい声を掛け、大層労わってくれた。
勿論ジャンナは、リベリオ様をもう一度欲しがったけれど、もう両親ですら彼女の肩を持つ事はしなくなっていった。
婚約者を入れ替える計画に当たり、あれだけ我儘を聞いてやっていたのに、彼女は「やっぱりいらなかった」と言ったのだ。
流石の両親とて、目が覚めたようだった。
そして、嫁入りから数年が経過した頃。
婚約者を見つけられなかったジャンナは独身を貫いていた三十は年上のふくよかなおじ様貴族の元へ嫁いでいった。
彼女がいくら拒絶しようともう味方はいない。
若い女性を好む、歪んだ性癖の男と噂される悪徳貴族だ。
彼女は以降の人生を恐ろしい記憶で終えるはずだ。
尚、公爵家はジャンナの散財の傷跡で苦しむ生家に一切支援をしなかった。
公爵家側が最低限の干渉以外を全て拒絶した事、またジャンナと私の扱いの差という状況証拠があった事から、『あの家はエルヴィーラを虐待していたのでは』という噂が瞬く間に広がり、白い目を向けられるようになり……政界での権威は失われていったそうだ。
こうして、社交界から私の家族の名は全て消えていった。
けれどまあ、そんな話は蛇足でしかないだろう。
私にとって大切なのは、義父母と夫、そして私の身に宿る新たな命……
――新たな家族との生活が幸福に満ちているという事だけなのだから。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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それでは、またご縁がありましたらどこかで!




