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宙に病
15歳から筆をとり、感じる理を綴る日々。
世界から特別に感じ取れていた理、それを書くと皆が喜ぶ。
電子の砂漠に置いてきた、前世の記憶。
それから歳をとり、世界に馴染み、大人になると。
あの時に見えた景色はもうなくて、
あの時に感じた震えはもうなくて。
私が変わってしまったのか、
世の中が変わってしまったのか。
変わらず世界は牙を剥く。
それを脳で受け止めてはみるが、魂は震えない。
日常に潜む冷えた魚、それを見つけてきた私はもういない。
愛だ平和だピースだなんだ。
そんなことに辟易してたのに。
この世界に落ち着いている。
タイムマシンがあったとして、君は私に何を言うだろうか。
私が世界の中心で愛を叫ぶなら、
君は世界の端で狂気を歌うだろうか。




