プロローグ
明るい森の中で『それ』は現れた。『それ』は人間の子供程度の緑色の肌の人型生物で、頭部には小さな角があり、とても醜い顔をしている。『それ』というのは小鬼と呼ばれる魔物だった。
小鬼たちはヒソヒソと何かを話しながら歩いていく。
そんな小鬼たちの近くに、錆びてボロボロになった剣が刺さっていた。
(ここは……どこなのだろう)
その錆びた剣は意識があった。無機物の剣は生物には到底見えない。だがそこには考える知性があったのだ。
(これは…もしかして成功したのだろうか)
こことは違う世界で生きていた。そんな時、世界間転移装置と言うものを作り、実験で使った。そんな記憶が残っている。小さな頃に作った夢を叶えるために、知識をつけ、機械を完成させた。だが機械が誤作動して人間とは違う生物になり、異なる世界に飛ばせれたのだ。
(そういえば実験では肉体の構造そのまま飛ぶようにしたはずなんだが)
彼女は足を動かそうとしても全く前に進まない。剣は生物のような四肢は持っていないからだ。
でも成功したわけでもなく、実験の後気を失って夢を見ているだけかもしれない。
もし夢なら少し時が経てば覚めるはず。
そう思い、しばらく小鬼たちを見て楽しむことにしたのだった。
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(うん、ここは別の世界のようだ)
一週間と二日経った時、彼女はそう結論付けた。
前の世界では研究者をやっていたが働きすぎで倒れたこともあり、少し長めの眠りも経験したこともある。それでも一週間も長い夢はなかった。なので実験に巻き込まれたと考えた方がいい。
そして十日の間で気付いたことが少しあった。
(話すことは出来ない、食事も睡眠も不要、浮かぶことで動くことがが出来る、何より……)
彼女は自分の内側に意識を落とす。
(意識を内側に傾けると、自分自身の情報が浮かんでくるみたいだ)
私は意識ある剣になってしまったらしい。それは私の今の種族を指しているのだと、何故か理解できた。さらに、自分には『加速』と言う能力があるみたいだ。
とても単純でいい能力だと彼女は思った。
(名前の通りだろうけど試してみようかな)
彼女は近くにあった岩に向かって剣先を向け、頭の中に『加速』を強く意識する。
そうすると次の瞬間には岩に刺さっていた。
目で見えないくらいの速度で岩に突撃したのだ。
さすがに発動させた彼女も驚いた。
研究者の彼女の心に火がついたようでその他にも出来ることと出来ないことを知るために、
いろいろ試した。
それでいくつか分かったことがある。
1つ、加速が発動し続けるのは5秒しか持たないこと。
2つ、加速は自分以外にかけることができること。
3つ、自分以外に加速をかけれる対象は視認している範囲だけ。
4つ、加速で進む方向は自分が決めれる。
これらが分かっただけで能力を応用する方法が浮かんでくる。
肉体の老化の加速、風の加速、投擲物の反転など….
それらを考えたら
(これはさっきの小鬼も倒せるのでは?)
そう思うと試したくなるのが研究者だ、
彼女は小鬼を探しに周りを見て回った。
……
(探すこと2分、見つけた…見つけたのだが……)
そう思う彼女の前にいるのは小鬼が二匹と小鬼を大きくして、さらに筋肉質の体になっているような生き物がいた。
(言うなれば緑鬼というところだろうか)
ただ小鬼緑鬼の力を知らないので
下手に攻撃してもいいかがわからないため、
小鬼の方をおびき寄せて試すことにした。
次の話から小鬼はゴブリン、緑鬼はホブゴブリンとカタカナで書いていきます




