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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第三十三章 崩壊する『男子下士官寮』と言う看板

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第137話 引っ越し準備に関して

 その有様を見つめながら島田は手にした通信端末でメールを打ち始める。


「明日は掃除で、次の日に荷物搬入ってな日程で良いですよね?」 


 決断力だけが島田の取柄だった。島田は次々と整備班のメンバーにメールを送り、明日の掃除の段取りの指示を始めた。


「別に引っ越す際の身の回りの荷物の少ない私は良いがアメリアが……」 


 カウラはそう言うとかなめにヘッドロックされているアメリアを見る。


「無理よ!荷物だって結構あるんだから」 


 本気でないかなめのヘッドロックに苦しいふりをしながら、アメリアはそう言った。誠も趣味人であるアメリアの部屋には相当のアニメグッズやお笑い関係の小道具が蓄えられていることを知っていたので、彼女の引っ越しが一日で終わるものでは無いことは容易に想像できた。


「あのなあ、お前のコレクション全部運べってわけじゃねえんだよ。とりあえず生活必需品だけ持ち込んで、後のコレクションはトランクルームでも借りてそこで管理しろ。言っとくけどそのトランクルームを借りる費用はオメエのポケットマネーから出せよ。オメエの趣味と任務は関係ねえ」 


 そう言って脇に挟んだアメリアの頭をかなめはねじり続ける。


「最後の送信っと。段取り済みましたよ。明日の掃除の手伝いの人員は確保できました」 


 島田は二人の様子を確認しながら携帯電話の画面を見つめていた。かなめは島田の手元を目で確認すると、ようやくアメリアを解放した。


「じゃあ、アタシ等帰るわ」 


 かなめはそう言うと誠の手をつかんだ。誠は昨日はかなめに強引にカウラの運転する『スカイラインGTR』に乗せられてきたので、いつものように自分の原付で自力で帰ることができなかった。


「カウラ、車を回せ!もう遅いんだ、アタシは早く寝たい」 


 相変わらずかなめは自分の都合だけでカウラをこき使うつもりだった。


「全く我儘な奴だ。わかった、少し待ってろ」 


 カウラはかなめのそんな性格を知り尽くしているので、半分諦め気味にそう言うとそのまま駐車場に向けて歩き出した。


「じゃあ私はジュース買ってくるわ。私も今日は車置いてきてるし。私もカウラちゃんの車に便乗するわね」 


 アメリアも一応、中佐と言う階級にふさわしいような結構高い車を持っているのだが、運転するのがめんどくさいということで、大概はカウラに送り迎えをしてもらっていた。


「カウラはメロンソーダだぞ!」


 カウラはなぜか食べ物や飲み物に彼女の髪の色と同じエメラルドグリーンの色がついていると喜ぶ性質があった。 


「知ってるわよ!」 


 誠はこうなったら何を言っても無駄だとあきらめることをこの一月で学んでいた。誠は得意満面の笑顔で大股で歩くかなめの後ろを照れながら歩くことにした。





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