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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 野球と海と『革命家』  作者: 橋本 直
第三十三章 崩壊する『男子下士官寮』と言う看板

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第136話 口下手による事情説明

「あのね島田君。私達は今度、誠君と結婚することにしたの!それでその新居として私が誠ちゃんの部屋に住むことになったの」 


 アメリアの軽口に島田はぽかんと口を開ける。


「ふざけんな!この嘘つきが!」 


 かなめのチョップがアメリアを打つ。痛みに頭を抱えてアメリアはしゃがみこんだ。


「冗談に決まってるじゃないの……全くちょっとしたお茶目をすぐに暴力で解決しようとして……嫌われるわよ」 


 頭をさする。かなめのチョップは本気に近かったのだろう、アメリアの目からは涙が流れていた。


「貴様ではだめだ。神前!説明しろ」 


 そう言うカウラの顔を見てアメリアは仕方なく引き下がる。 


「あのですね、島田先輩。三人は僕の護衛のために寮に引っ越してきてくれるんですよ……今日、僕が『廃帝』の手先に襲われたじゃないですか。そのせいで……」 


 島田は全員の顔を見た。そして首をひねる。もう一度全員の顔を見回した後、ようやく口を開いた。


「隊長の許可は?」 


「叔父貴はOKだと」 


 かなめの言葉を反芻するように頷いた島田がまた全員の顔を眺める。


「まだわからねえのか?」 


「つまり、三人が寮に入るってことですよね?」 


「さっきからそう言っているだろ!」 


 さすがに同じことを繰り返している島田にカウラが切れた。そこでようやく島田も状況を理解したようだった。


「でも、まとまって空いてるのは二階の西日が強い西側だけだったと思いますよ。良いんすか?」 


 携帯端末を取り出し、その画面を見つめながら島田が確認する。


「神前の安全のためだ、仕方ねえだろ?」 


 かなめがそう言ってうつむく。


「何よ、照れてるの?」 


 いつもと違う煮え切らない態度のかなめをアメリアが冷やかした。


「アメリア、グーでぶたれたいか?」 


 かなめは向き直ってアメリアにこぶしを見せる。


「キャー怖い。助けて!誠ちゃん!」


 そう言うとアメリアは誠の陰に隠れた。


「全くこれから先が思いやられる」


 一人、冷静なカウラはそう言って急展開にいつもと違う反応をしている誠達に呆れたように静かにため息をついた。



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