出会い
「……。さてと、これもドワン様に報告しなくちゃ♪」
カタカタ。自作パソコンをドワンへの直通モードに変えた。『報告。大学で私に好意を寄せる男子あり。適正次第できたるべき時の駒になるかと。』
「はぁ〜、変な事になったなぁ。なぁ【トニー】俺にはお前がいるのにな!」
トニーとは、同僚の同室の相方だ。一室二人が原則である。トニーは気さくないいやつで、メガネをしているのだが……。
「なぁ、トニー、やっぱりそのメガネ似合ってないって!」
「失敬な! さっきから愛人みたいな言い方したり、私のチャームポイントのメガネをぞんざいにするとは!」
トニーは牛乳瓶底のようなメガネをしている。
「【トビザル】、今日もアレやってくれたまえ!」
トビザルとはサルトの事である。どうやらトニーは日本に詳しいらしい。なるほどルームメイトになるわけだ。そして、トビザルとは忍者で有名だが、アレというのは?
「だから、まぐれだって!」
「いいから! さ!」
不貞腐れながらもサルトはあるものを手に的のようなものへ投げる。そう【手裏剣】である。サルトの投げた手裏剣は見事真ん中へ!
次の日、登校途中。
「トビザル! 昨日で三日連続だ! これはいよいよ遺伝子レベルで……」トントン、と肩を叩く女生徒。モスリーンだ。
「落ちた……」
見るとサルトの学生証。
「あっ! なぜ?」
サルトの疑問一、モスリーンがなぜ?
疑問ニ、内ポケットに入れてた学生証がなぜ?
三、このタイミング。
「あ、ありがとう!」ぎこちなく。
「私、モスリーン」
「知ってるよ。俺はサルト、日本人です!」ぎこちなく。
「ぷ」トニーが笑いを堪え切れなかった。その場で爆笑。周囲の人が「なんだ? なんだ?」と、見ている。そして、当然噂からして、「転入生カップルか!」と、始まり、冷やかしが始まる。