転入生
丘村サルトはモスリーンが自害しようとしてるのを阻止すべく、その場にあった石を投げた。ハッキリ言って当たるとは思わなかった。石はモスリーンの銃に当たり引き金を引こうとしたモスリーンは「はっ!」とした。そして、こちらに気付いたモスリーンは涙を流した。
「お前なぁ!」
サルトがそう言うと、走ってきてガバッとモスリーンが抱きついてきた。サルトは優しく包み込む。暫し沈黙。お互い聴きたい事だらけだ。
ビッ! っと人差し指を立てて沈黙を破ったのはモスリーンだった。
「ホテルで私を撃ったのはどうして?」
かったるそうにサルトは答える。
「……上から言われてたんだよ。見張りがいたろ?」
「じゃあ、どうしてペイント弾なの?」
「お前を死なせたくなかった。わりぃ……」
クスクスと笑うモスリーン。
「学生時代から変わらないのね」
そう、この二人、学生時代はクラスメートだった。今回の話は、その学生時代の話。では、始めるとしよう……。
ジリンジリン! けたたましい音が校内をこだまする。ここは【私立ハイスケール大学】。今日はここに転入生が二人いる。一人は日本から来た丘村サルト。もう一人は親の転勤で他の大学から来たモスリーン。当然二人は別のクラスだ。
ある日ー
「なぁサルト! お前と同じ日に転入してきたやつ知ってるか?」
「ああ、モスリーンさんだろ?」
「結構美人だよな!」
「……。何が言いたいんだ?」
男なんてわかりやすいものだ。つまり。
「告白してみろよ!」
「はあ?」
キョトンとするサルト。偶然聞いていた女子がひそひそ話を始める。「サルトってモスリーンの事好きみたい」と。その噂は雷より早く全校生徒に伝わった。
寮に帰宅したモスリーンは相棒の自作のパソコンでネットに繋げた。「ねぇ! 聞いて! なんか私の事好きな人がいるみたいなの! みんなどうしたらいいと思う?」普段は無口なモスリーンはネットでは饒舌だ。