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【コミカライズ】たとえこの愛が偽りだとしても  作者: 頼爾@「軍人王女の武器商人」発売中


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いつもお読みいただきありがとうございます!

来週4/7の投稿は所用のためお休みの予定です。もうちょいで良いところなので次回をお楽しみに!

メイメイとエリアスの前には挨拶の列ができていた。


フライアはアート様と出席していて……ニコニコ笑っているだけのメイメイを見て意外だったのか笑いを堪えている。

クロエは結婚式後も相変わらず、旦那様にぴったりくっついている。新婚旅行も終わったはずだが結婚前の雰囲気を周囲に振りまいていて、近くにいる人は砂糖を過剰摂取したような顔だ。


ブルックリンとトーマス様は挨拶を終えると、すぐ私とアシェルのところにやってきた。普段よりも疲れているが、目が輝いているあたりは領地経営やビジネスがうまくいっているのだろう。


「あの案、殿下に聞いてくれた?」

「えぇ、手紙を送るわ」

「ねぇ、陶器のカエルは作れない?」


ブルックリンとコソコソ喋っていると、アシェルは突然思いついたように言う。


「陶器、陶器……」


まずい。ブルックリンがブツブツ言い始めてしまった。目が怪しく輝いている。


「陶器なら絵付けで美しい柄にできますね」


トーマス様が社交辞令なのか本気でそう考えたのか、話に入ってくる。


「エリー、またイケる気がするわ!」

「いや、そんなにカエルに特化しなくっても」

「大丈夫よ! 動物シリーズだっていいじゃない!」

「それは可愛いね」

「アシェル!?」

「そうと決まればトーマス。早速、あちらの伯爵様に挨拶に行くわよ! 陶器の生産で有名なところよ!」


ブルックリンはトーマス様を引っ張ってあっという間に去ってしまった。


「またブルックリンが張り切って……」

「カエルの置物が部屋だけでなくて執務机にも欲しかったんだよね」


エリーゼと同じ藍色の礼服を着たアシェルは機嫌がいい。

前の時は主役であることと人に群がられたことでここまで楽しそうではなかった。あの時はエリーゼも余裕がなかったが、今日は人を観察する余裕がある。もしかすると慣れてきたのかもしれない。


「あ、二人が踊るみたいだよ。一緒に踊れって言われてるから行こうか」

「はい」


ほとんどの視線は王太子の婚約者であるメイメイに注がれているが、たまに強い視線が飛んでくる。王妃様のチェックするような絡みつく視線を一番感じるが、いつもよりは格段に少ない……ということは王妃様のチェックはメイメイに向いているのだろう。


チラリと視界の端でメイメイを捉えると、楽しそうに踊っていて足を踏んでいる様子もない。


「緊張してる?」

「えぇ、大規模なパーティーだから。でもこの前よりは緊張してないよ?」

「この前は緊張したよね」


会場の隅で気だるげに飲み物を飲んでいるスチュアート殿下を視界にとらえる。ついでにルルティナ王女殿下がいるのも見えた。新しいドレスを作りたいという要望を王太子が笑顔で一蹴したと聞いているから、あれは国から持ってきていたドレスだろう。


「濃い色もよく似合うね」

「へ?」


考え事をしているとアシェルに話しかけられた。


「今までブルーが多かったから、今回のドレスもブルー系統ではあるけど。こういう色もエリーゼには似合う」


曲がちょうど終わって、ネックレスをするっと撫でられる。

ふ、普通に今、ネックレスと一緒に鎖骨にも触った!?


「次の曲始まるよ」


ダンスとは違ういきなりの接触に目を白黒させていると、腰を引き寄せられた。一曲目が終わったので中央には次々と踊るために男女が集まってきている。


「そ、そういうことは恥ずかしいから始まる前に言って」


曲が始まって踊りながらアシェルと視線を合わす。いたずらっぽく笑っている顔がなんだか憎たらしい。始まる前は何も言わなかったのに、今そんなことを言うなんて。


「始まる前は王女に気を遣って忙しそうだったし。多分これからもお守りで忙しくなるから」

「お守りなんて……」


メイメイのお守り……。

まさか拗ねているのだろうか? いやそんなのエリーゼの思い上がりだろう。


「エリーゼがいつもより数段大人っぽく見えるから緊張してるよ。だから始まる前に言えなかった」

「んぐっ」


耳元でささやかれたので、唾が変なところに入って危うくステップを間違えるところだった。アシェルはまたちょっと笑いながら簡単にフォローしてくれる。

この顔。いつも不意打ちでのキスが成功した時に見せる顔だ。


カエルやオタマジャクシの時もだが、アシェルは時と場所関係なく平気で他人を振り回す。それが彼の持つ素直さなのだろうか。


三曲終わる頃にはダンスではなく、周囲の視線でもなく、アシェルが急に変なことを言うので疲れてしまった。



「え、エリーちゃんよ」


ダンスの後、笑顔で近寄ってきたメイメイは私の腕にぐわっと縋りついた。


「こ、この会場は臭い……鼻がバカになりそうじゃ」


メイメイは周囲との距離を素早く確認して小声でうめく。空気がこもっている状態で香水の香りもするからキツイのだろう。


「別の場所で休憩しましょうか。少し抜けて戻ってくれば大丈夫ですよ?」

「お、おぅ……うぷっ」


かなり素が出ている。これは早めに休憩させた方がいいだろう。


「じゃあ、あれがうるさいから一曲踊っておくよ」


すぐにやってきたエリアスがあれと差す方向にはルルティナ殿下がいる。確かに一曲くらいは踊っておいた方がいいだろう。


「では少し休憩してきます」

「アシェルは? 飲み物? あ、捕まってるな」

「はい。ダンスが終わってすぐ……なので、二人で少し抜けますね」

「悪いね。よろしく」

「く、くちゃい……」


エリアスと話そうとする貴族たちに取り囲まれる前に、輪の中からメイメイを連れ出した。


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