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いつもお読みいただきありがとうございます!

こちらの小説、アップしたらすぐ「いいね」を毎回同じくらいの数頂いているのですが……もしかして定時更新待っていただいている!?

本当にいつもありがとうございます。更新頑張ります!

アルウェン王国では、蒸し暑い時期が続いていた。


ウイスキーを片手に王太子ロレンス・アルウェンは月を見上げる。


「月がぼやけているな。明日は雨かもな。湿度が上がる」


「月を見てぼんやりしていらっしゃいますが、今日はナディア様のところには行かれないので~?」


「ナディアは蒸し暑さでバテている。無理をさせるわけにはいかない」


「それはそれは。お優しいことですねぇ~」


茶化しているのか、本気で言っているのか。読めない側近のダラスの前に「お前も飲め」とばかりにグラスを置く。


「これ度数が高いやつじゃないですかぁ~。喉が焼ける感じが嫌なんですよねぇ」


そう言いながらもダラスはシレっとウイスキーを飲む。


「この前の茶会でナディアに絡んだ令嬢達は処分できたか?」


「さすがにあれだけでは命までは取れませんから~」


「分かっている。せいぜい厳重注意と数カ月の謹慎といったところか?」


「ん~、注意しても反省せず自分の方が王太子妃にふさわしいという態度だったのでぇ。そんなにふさわしいなら孤児院に勉強を教えに行って貰おうと思って週5で行って貰っていますぅ~」


「……孤児院の子供達が可哀そうではないか?」


「彼らは逞しいですよ。それに王太子妃にふさわしいならヤンチャな彼らくらいなんとかできませんとぉ」


「お前は恐ろしいな」


「あなた様ほどではございません~。それに、あまりひどく罰すると反感を招きますのでぇ。このくらいがちょーどいいのですよぉ」


「何もしない貴族ほどうるさいものだ。王族たるもの、無能な貴族は切らなければいけないだろう」


「まぁそうなんですがぁ。有能者ばっかり集めてもギスギスしますからぁ、無能が何人かいる方がちょうどいいんですよぉ。そうそう、そういえばぁ。例の女の居場所がまた変わりそうです~」


ダラスは軽い口調で重大なことをサラリと言う。ロレンスはあやうく聞き流すところだった。


「研究所預かりじゃなかったか? 別の研究所に移されるのか?」


「いえ、もっと逃げられないような場所に移すようですよ~。ザルツ王国の王太子も彼女の処遇をやっと決めたんでしょうかねぇ。研究所で飼い殺しても旨味はありませんし~」


「まぁ、ブレスレットでひっかかった令息達に逆恨みされているとでも言えば移動は簡単だろうな」


「おそらく、島の修道院ではないかと見当をつけています~」


「なるほどな。ほとんど牢獄と同じか」


ロレンスはあまりこの件に興味がないのか、それ以上話を広げなかった。バレないという自信があるのだろう。



「そうそう、ザルツ王国のご令嬢・ご夫人方からナディア様にお手紙が来ていますよ。最近はまとめて送って下さるようになりました~」


ダラスは分厚い手紙を取り出す。


「またあの友人四人か。暇なことだ」


「ナディア様は毎回楽しそうに手紙を読んでいらっしゃいますよ~」


「面白くないな。あの四人、いくらナディアの友人といってもあまり好きではないな」


「ちょっと何を仰っているのか分かりかねますねぇ~」


ダラスは鋭い目を細めてニヤニヤと笑っている。


「まぁ、うちの王太子殿下は器が小さいってことだけは分かりましたぁ~」


ダラスのニヤニヤ顔を見て、ロレンスは渋面を作る。


「うるさい。四人分の手紙でそれぞれ分厚いんだぞ? それで返事まで書くんだ。どれだけナディアとの時間が減ると思ってる」


「でもぉ~、お菓子のレシピを送って頂いたからこそナディア様の可愛い面も見れたでしょうに~」


「あぁ……それは悔しいが確かに……。だが、ナディアに火傷や切り傷をつけるなどあり得ないだろう」


「ドジっ子萌え要素ですよねぇ~。で、その愛してやまないナディア様にあの件のことは一生言わないつもりですかぁ? 墓場まで持って行きますぅ?」


「最初からそれは変わらない」


「ほぉ~、一緒に過ごすうちに情がさらに湧いて話そうかどうしようか葛藤してるのかと思ってましたぁ~」


「葛藤は常にしている。ただ、最初に決めたことを覆さないだけだ。お前はナディアに話した方がいいと?」


ダラスは大げさに肩をすくめた。


「じゃあ、ダラス。俺と賭けをしようじゃないか」


ロレンスはウイスキーを飲み干すと、不敵に笑った。それはダラスが幼少のころからよく見ていた表情だった。


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