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魔王の作り方  作者: 妄幽
第1章 世界を滅ぼす人間《サイコパスな魔王》
3/4

盗賊の末路

誤字脱字報告ありがとうございます。本当に助かっております。

 この日、山 内  透 磨(やまうち とうま)は魔王になった。

 驚くことに身体的特徴は人間のままだ。魔王だからまったく別の生き物になっていると思っていた。これなら人間の町に行っても問題がなさそうだ。

 僕は近くのツボに入っている水を覗き込んだ。

 そこに映っていたのは、漆黒な髪に瞳、スラっとした鼻筋のイケメンだった。身長は体感だが170前後か。このルックスなら行動がしやすそうだ。

 前世では153㎝と男にしては小さかった。それも相まって虐められていた。

 

 そういえば自分のステータスを見ることが出来るんだったな。確か「ステータスオープン」だったかな。

 視界の右上側に何かが映った。



 【 名 前 】 トウマ・ヤマウチ

 【 年 齢 】 16

 【 職 業 】 魔王

 【 レベル 】 1

 【 H P 】 100

 【 M P 】 100

 【 攻撃力 】 150

 【 防御力 】 100

 【 素早さ 】 100

 【  運  】 -10000


 【 称 号 】 魔王(ALL+5000%)       


 【 スキル 】 身体能力極 アイテムボックス アイテム製造 翻訳 鑑定 異常状態無効



 運が身体能力向上の影響で低いが仕方がない。

 こう見るとまるでゲームだ。名前はカタカナになっている。


 ステータスを統合表示いますか?【YES/NO】

 

 なんとなくYESを押してみた。



 【 名 前 】 トウマ・ヤマウチ

 【 年 齢 】 16

 【 職 業 】 魔王

 【 レベル 】 1

 【 H P 】 7000

 【 M P 】 7000

 【 攻撃力 】 9500

 【 防御力 】 7000

 【 素早さ 】 7000

 【  運  】 -∞


 【 称 号 】 魔王(ALL+5000%)   


 【 スキル 】 身体能力極(運以外ALL+2000,運-10000)

         アイテムボックス アイテム製造

         翻訳 鑑定 異常状態無効


 

 見やすくなった……運はバグっているが。

 魔王補正強いな。

 鑑定でアイテム製造を見たところ、MPを消費して自由にアイテムを作ることが出来るとのことだ。これで楽しめるな。

 地球で愛用していたナイフをイメージして作ったが、MPは1しか使わなかった。

 

 一通り確認を終えた僕は人里を目指すことにした。



 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ● 



 「もう無理だ。」


 トウマが召喚された祭壇は人里から離れた森の中だった。

 丸1日彷徨いが、まったく進展がなかった。

 ステータスが高いから飢えや寒さで死ぬことがない。しかし耐えられないことがあった。


 「早く……誰かを見つけないと」


 そう呟いてナイフを強く握りしめた。


 暫く森を歩いていたら街道があった。ここを辿っていけば恐らく目的地に着くだろう。

 なんでこんなに僕は苦労してるんだろう。

でもこの体はとても素晴らしい。どんなに動いていても疲れを感じない。

なんでもできると思えるこの全能感、なんて充実した気持ちになれるんだろう。

 

 僕は気分が良くなり物凄いスピードで走った。

 すごい。これが素早さ7000の速度……。時速100㎞は軽く出ていただろう。しかし、30分ほど走ったところで、強烈な怠さが全身を襲う。乱れる息、ぼやける視界。ひどい頭痛が止まない。

 全力を維持することはできないようだ。

 なんだよこれ!? すごく怠い。ピンチの時だけ全力を出そう。


 10分ほどで息を整えて再び歩き出す。

 遠くに動いているものが見える。多分……人か!? 

 僕は興奮気味に歩く足を速めた。

 

 近づくとそこには幾つもの死体の山が出来ていた。死体は重鎧を着こんでいて顔が隠れているが、女も混ざっていることが分かった。また、簡素な皮の鎧を着ている男が何人も倒れていた。

 血の乾きからしてついさっきだ。


 周りを見渡すと、街道の横には脱輪した跡が残っていた。

 しばらく辿ったら立派な馬車があり、周りには人間が囲っていた。その数10。

 人数が多いいな。この馬車は護衛をしっかり雇っていたが、盗賊側が数で勝っていてそのまま蹂躙されたのだろう。

 

 暫く観察をしていると馬車の泣いている裸の少女を無理やり引きずりだしながら、大男が出てきた。

 

 「お願い! 助けて!! こんなひどいことはもうやめて?!」

 「うるせえ黙れ!」

 そういって女の腹を殴る。

 「っ?!」

 「静かにさせるにはこれが一番楽でいい お前らこれは大事な商品だ! 手を出すなよ?」

 

 大男は周りの盗賊に釘を刺す。

 「リーダーがもう食った後だろ」

 「そうだそうだ! 俺らにも回してくれよ!」

 「うるせえよ!? こいつは売るまで俺が可愛がってやるんだよ。文句のあるやつは俺が殺す」


 そういうと周りは静かになった。恐らくこの大男が頭一つ抜ける強さなのだろう。いくら人数が多いいからって護衛を務める人間が賊如きに負ける事は考えずらい。

 女の顔は整っている。恐らく権力者の娘か何かだろう。動きやすくなるためにコネクションを作るのもアリだな。

 僕は打算で少女を助けることにした。ゆっくりと男たちの前に姿を現す。


 「なんだてめえは!」


 返事はしない。

 アイテム製造で作成したナイフで男たちの腕を切り落としていく。即死させたら断末魔が聞けないじゃないか。


 「3人目……4人目。」

 

 そう呟きながら、人間をバターのように切り落としていく。

 魔王のステータスと魔法で作り出した武器がそれを可能にしていた。


 ――――――――断面が綺麗だ。


 「うわぁ!!」

 「た、助けてくれぇ」


 何をこいつらは叫んでいるんだろう。今まで壊して、犯して、奪ってきたのに。自分たちがその立場になったとたんに意味のないことを言い出す。


 9人目の腕が宙を舞う。

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さんは盗賊がいたらどのように対応しますか?

僕なら盗賊になってみたいです。



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