TS型天使、任務を開始します
ご覧いただきありがとうございます。後書きまで読んでくださると嬉しいです。
あくまでプロローグ的なお話になっておりますのでご注意ください。
「レイ。明日にどこだったかの世界で降霊の儀があるんだが、依代がレイのサイズらしいんでな、よろしく頼むぞ」
「またですか先輩…」
どうも地上に住まう人間の皆様方。
僕の名前はレイ。天界人…まぁ、わかりやすく言えば『天使』です。
突然ですが、天使と聞いてどんなのを思い浮かべます?
多分頭の上に光輪があって、腰から背中辺りに真っ白な翼を生やした、人によく似た姿ではないでしょうか?神話とかいう伝承や、『さぶかるちゃー』…?とやらを参考にしたので間違いはないはずです、はい。
ただ、一つだけ訂正させていただきたい。
天使=美しく清らかな少女であることが多いみたいですが、決してそんなわけではありません。えぇ、決してそんなことはないのです。というか僕自身が男ですよ。少女じゃなくて少年ですのでお間違えなきよう。
確かに天界人の男女比は2:8〜1:9ぐらいで圧倒的に少なくはありますが、全員が女の子なわけじゃないんです。
え?夢を壊すな?知りませんよ事実を言ったまでです。
なお、女性だって全員が若いわけではありません。
僕はまだ200歳程度の、人間基準ならかろうじて赤子と呼ばれなくなったあたりでしょうけど、最高齢は10000歳を超えます。まぁ、見た目に変化がないのが天界人の特徴ですから、ぱっと見で年齢はわかりにくいですが。
「ん?レイじゃん。これから降霊の準備か?」
「そうですけど…ファリス先輩が何で知ってるんですか」
「そりゃあそんなの―――――」
「盗み聞きしたからに決まってるんだぜっ!」
「…そりゃあ!」
ゴチン!
「痛ぁ!?」
何したかですって?そんなの頭にゲンコツをお見舞いしただけですよ。
いやぁ、天界人は光輪があるから叩くのもちょっと大変なんですよね。ちょうどアレに地似たようなかんじです。地上のスポーツ…確か、『ばすけ』とかいうのの『だんくしゅーと』なるやつ。あんな風に飛び上がって拳を叩き込むんですよ。きっと人間の中に天界人の頭を叩いた人がいたんでしょうね。
「ったく、すぐ暴力に訴える。これだからガキ…いや、ショタは」
「あ"?」
こいつ今僕の禁忌に触れやがった。これでもなぁ!身長のことかなり気にしてんだよ!そのせいで依代が子供だと高確率で僕になるんだ!
「次言ったら戦天使長に矯正してもらうよう進言します」
「!?わ、悪かったよ。ほら、な?またなんか奢ってやるから…」
「食部門が新しくつくったスイーツショップで僕の気が済むまで食べさせてくれるなら許しますが?」
「…地上から戻ったら奢るよ」
「頼みますよ、我らが戦天使第二翼様」
儀式場に到着した僕は、大きな魔法陣の中央に立ち、正面に佇む我らが創造神に宣言をする。
「戦天使第十二翼、レイ。これより任務を開始します」
面白い、続きを読んでみたいと感じていただけたら、ぜひ評価やブクマでptをお恵みください。感想も送ってくださるとなお嬉しいです。作者が喜びます。ついでにレイがちょっと照れます。
…総合ptが300超えたら連載も考えます。どうか応援よろしくお願いします。