第二の人生
地獄観の説明を早くさせろ
「おい泥梨、閻魔大王様がお呼びだぞ」
「ふえ!?わ、わたしですか?」
「ああ。お前のような若造が閻魔様直々の司令を貰えるなんて。感謝しろよ」
「はい…でもなんで私なんかが…」
み…みなさんこんにちは!は、初めまして?ですよね…?
私は 泥梨 八と申します。
ここ地獄で働いている新入下っ端職員です。
今モブやro...に言われた通り、なんとこの若造に閻魔大王様直々の司令が来たようです……わ、私なんかが務まるのでしょうか…
「よんやくよんじゅ…」
俺はブツブツと呟きながら地獄の職員控え室とやらで放心していた。
あの閻魔は仕事があるとかなんとかで、俺を1人にして行きやがった。
閻魔の取り巻きの職員によると、俺専用の職員が地獄の案内や快適な暮らしを送る手伝いをしてくれるらしい。
…快適な暮らしってなんだよ。地獄だぞここ…。
こんな禍々しい空間でHappy Hell Life を送れっていうのか?精神が死んでおかしくならないかぎり無理だ。
せめて俺専用の職員が、可愛くて従順で巨乳な女の子だったら少しは楽しくなるが…もう期待するのはやめよう………。
そんな時だった。
「人間!待たせたな。」
背後から、あの金髪幼女…閻魔の声が聞こえた。
振り返るとそこには閻魔と………
「ふあ!に、人間さん…?!はじめまして!」
ふわふわとした可憐な白髪に、長い前髪から覗く潤む紅い目。たわわな胸に細い腰……。
な、なんだこの俺好みすぎる少女は…?!
「お前専用の職員だ。なんでもこいつに頼め。」
「な、なんでもはちょっとぉ…」
え?この美少女が俺専用の職員…!?
「に、人間さん。よろしくお願いしますね。」
俺の視界がぱあっと明るくなった。
俺と少女を囲って天使が祝福しているように感じる。(地獄だけど)
「あ、おれ、専用…?よろしくお願いします!!!!」
「はっやはり好みのおなごだったようだな。」
閻魔が全てを見透かしたように鼻で笑う。
「四百四十四年、地獄にいるというのは人間にとっては辛いだろうからな。お前の生前をまるっきり調べて、お前の好みのおなごに近い職員を割り当てたのだ。」
「そんなことまでできるのか…」
「まあ、丁度下っ端で暇そうなやつがおったからな」
「ひ、暇そうだなんて…!ちゃんと仕事してますよお!」
うっ…必死になっている姿も可愛い…
ちょっとバカそうなのも可愛い…
「後は大丈夫そうだな。わしは仕事に戻る。後は任せたぞ。」
「は、はい!閻魔様…司令ありがとうございました…!」
「まあ困ったことがあったらわしの所に来い。」
閻魔が赤と黒の着物をはためかせて去ろうとした。
「…それと人間。」
「!はい」
「お前、生前とても苦労したようだな。」
「!」
「天国に行けなかったのは残念だが…案外地獄での暮らしも悪くない。生前我慢してきた分、此処では法の下であれば好きなようにするがよい。お前は十分努力したのだ。」
「閻魔様…」
「第二の人生を楽しめよ人間。」
そう微笑んで閻魔は去っていった。
俺の頬には涙が伝っていた。
地獄に堕ちて初めて、俺は誰かに認められた。
「最恐最悪の閻魔大王」と謳われるが、善良な者には心優しかった。
「人間さん…?!大丈夫ですか!?」
白髪の少女が俺に駆け寄る。
俺は決意した…。
「なあ、君…。」
「は、はい!」
俺はこの地獄で史上最高の幸せ者になってやる。
「俺と結婚しよう!!!!!」
「…は?」
少女から明らかに困惑した声が漏れる。
そんなの関係無い。俺はこの子と幸せになるのだ!!!
「結婚しよう!幸せになろう!」
「へ、はあ!?何言ってるんですか人間さん!!!」
「何もおかしいことは言ってない!君が好きなんだ!」
「ふぇ、ふえぇぇぇ嫌ですこんなお仕事ぉぉ!!!!」
うわあ…主人公うわあ…
閻魔大王様見習いなさいな…
キャラのイラストとか後々Twitterに上げようと思います。
白髪巨乳ちゃんは「ふぁ!」ってよく言うけど淫夢厨じゃないです。腐女子設定でも萌えるけども。
ではまたどこかで。