番外編・2
マイカ「ごめんなさいごめんなさいもうしません許してください」
トール「情緒不安定になってる友人にはどう声かければいいんだ」
マイカ「『焼肉食べに行かね? 全部奢るから』」
トール「奢らねーよ」
マイカ「何だつまらないな」
トール「んなことよりどうしたんだよ。今はケロッとしてるけど」
マイカ「ゲロゲロゲロゲロゲロゲーロ」
トール「カエルの鳴き声じゃねーよ」
マイカ「いや察しろよ。赤羽先輩が怖かったからに決まっているでしょ? 夢に出て来たんだよ」
トール「うーわマジで? それは怖い」
マイカ「『次、彼に指一本でも触れさせたら君を食い散らかす』って言われたんだよ」
トール「恐ろし過ぎんだろ。カニバリズムか」
マイカ「何てこと言うんだよ。もう赤羽先輩をそうとしか見れなくなるでしょ」
セイ「僕は人肉なんて食べないよ。別の意味でなら、マイカを食べてしまいたいけどね」
トール「どぉわっ⁉︎ イカれ先輩! も、もうすっかり元通りだな」
マイカ「何言ってんのトール。お前の眼は節穴か。耳は飾りか。いつものあの痛い発言がないんだから、怒ってるに決まってるでしょ」
トール「あっ……」
セイ「僕の話をしているみたいだけど、本人の前でよくそんなこと言えるね? 勇気がある」
マイカ「せせせせせせ先輩ちょちょちょちょ、ま、待って待って顔近い近い!」
セイ「僕は、君が欲しいんだマイカ。あまり刺激すると、食べてしまうよ?」
トール「アッ、アッ……」
マイカ「何でキョドッてるんだお前も!」
セイ「──なんてね。いつか君から僕を求めてくれるようになるその時まで、僕は君を諦めない。君の心を閉ざす棘の鎖が解けるのを、穏やかな雲のように待てるかどうかは……マイカ次第だけどね。それじゃあ、また」
トール「お、痛いやつに戻った。本当ヤベー奴だなあれ」
マイカ「……うん、ヤバいね」
トール「だから何であんなの相手に赤くなってんだよバカすず! もう絶対助けてやらねーからな!」
マイカ「はぁあ⁉︎ 何のことだし、赤くなってないからな断じて! ていうかお前が助けようとしたことあったか⁉︎」
トール「うっせぇバーカ! マイカのバーカ!」
マイカ「お前……!」




