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Cafe Shelly

Cafe Shelly このままではいけない

作者: 日向ひなた

「おはようございます」

 オレは元気にあいさつをして、職場に入る。おはようございます、といっても時間は午後三時。業界的にはこうやってあいさつをするのが当たり前。

「おはようございます」

 先に職場にいる人達から返事が返ってくる。その中でもひときわ目立つ声がこれ。

「ひろとさん、おはようございます!」

「ゆうちゃん、おはよう。さぁ、今日も張り切って仕事するぞ!」

 オレの職場はピザ屋。宅配のピザをつくる。この時間はパートのおばちゃん二人と店長、そしてゆうちゃんとオレ。五人でお店をきりもりする。

 オレは午後三時からラストの十一時までというシフト。パートのおばちゃんたちは午後四時には上がる。店長は昼間はいるが、夜はオレがこのお店を仕切る形になる。

「ひろとくん、ちょっと」

「はい、なんでしょうか?」

 来て早々、店長から呼ばれる。このお店では、店長だけが本部の正社員であり、あとは全員アルバイトかパート。

「昨日、レジの締めをやったのはひろとくんだよね?」

「はい、そうです。終わってからいつもの通り、金庫に売上金を入れましたが。それが何か?」

「お金が足りないんだよ。一万円」

 オレは耳を疑った。そんなはずはない。

「昨日レジを締めた時には、ちゃんとありました。これは間違いありません!」

 オレはムキになって否定をした。

「まぁ、数え間違いというのもあるから。とにかく、今日は気をつけてくれよ」

 なんだか腑に落ちない。まるでオレがお金を盗んだかのような言い方だ。

 店に戻ると、パートのおばさんたちがオレのことを冷ややかな目で見ている。どうやらレジのお金が足りないことは、すでにみんなに知れ渡っているようだ。

 オレが最後にお金を扱うことは皆知っている。だから、オレが一番疑われても仕方ない。

 オレが疑われる理由はそれだけじゃないこともわかっている。

「やっぱり、あんなチャラそうな人にお店を任せるのはねぇ…」

 おばさん、聞こえてるって、その悪口。

 理由はオレの格好にある。茶髪にピアス、服もダボッとしたスタイル。これでコンビニの前でうんこ座りしてタバコを吸っていたら、誰も寄ってこないだろう。

 どうしてこんな格好をしているのか。まぁ、好きでやっているというのもあるが、高校時代のツレたちの影響が強いのは確かだ。あの頃はオレも荒れていたからなぁ。

 不良とまではいかないが、よく学校はサボってゲームセンターに出入りしていた。

 そんな感じで高校を卒業。就職はしたが、三ヶ月で会社を辞めて今はフリーター生活。そんな中、子どもと遊ぶボランティアに出会い、休日はそこに出入りしている。

 ありがたいことに、子ども達はこんなオレでも

「ひろとにいちゃん」

と呼んでくれて、なついてくれる。そこで出会ったのがゆうちゃん。彼女は以前引きこもりだったが、一念発起して子ども達を喜ばせることに生きがいを持ちはじめたという。

 ここで仲良くなったのも縁なので、オレが行っているこのピザ屋のアルバイトを紹介した。

 まぁ、本音を言うと、ゆうちゃんともっと仲良くなりたい、彼女にしたいという願望があったからなんだけど。

「ふぅ…まいったな。それにしても、どうしてこんなことが…」

 オレが落ち込んでいると、ゆうちゃんが元気な声でオレに話しかけてきた。

「ひろとさん、元気だしてよ。ひろとさんはちゃんとお仕事しているって、私は知っているよ」

「ありがとう。そうだね、オレはオレの仕事をきちんとすればいいだけだし。オレは間違ったことはしていなんだから」

「うん、私はひろとさんがどんな人なのか知っているから」

 ゆうちゃんはそう言ってニコリと笑う。なんだか癒やされるなぁ。

 この日はお金のことが気になりながらも、自分がやるべき仕事をきちんとこなしていった。バイトリーダーとして、周りに指示を出しながらもみんなと楽しく会話もやる。

「おつかれさまでしたー」

 閉店後、みんなが店の片付けをしている間にオレはレジを締める。今日は間違いないように確実にしなきゃ。

「あ、ゆうやくん、ちょっと」

「はい」

 バイト仲間の中でも、まじめなゆうやくんに声をかけた。

「悪いけど、レジの締め、手伝ってくれる?」

「はい、わかりました」

 二人でやれば、間違いなく金額が合っていることは証明できるはず。オレがお金を数え、さらにゆうやくんも同じ作業をやってもらう。結果はレジの金額とピッタリ。よし、今回は間違いないぞ。

「じゃぁ、これで金庫に入れるから」

 ここまで見てもらえば、証人になるのは間違いない。これで一安心だ。こうして一日の仕事が終わり、家に帰る。

 翌日、オレは昨日と同じ時間にバイトに入る。

「おはようございます」

 お店に入ると同時に、また店長が手招きをする。

「なんっすか?」

「ひろとくん、また一万円足りない」

「うそっ、そんなことはないっす。昨日、ゆうやと一緒に数えて間違いないことを確認しました」

「うぅん、でも実際に一万円足りないのは事実だからなぁ…よし、今夜は私もレジの締めに残るから」

「…はい」

 なんか疑われるのはシャクだ。けれど、店長が一緒にいれば間違いないし。その日は釈然としないまま、バイトを続けた。

 そして夜、閉店作業でオレは店長と一緒になってレジの締めを行った。

「よし、これで間違いないね。じゃぁ金庫に入れよう」

 どちらかというと、店長主体でレジの締めを行った。これなら間違いないだろう。もやもやしたものは残るけれど。

 そして翌日。いつもと同じ時間にバイトに出る。出てすぐに店長に言われた言葉はこれだった。

「今日は大丈夫だったよ。さすがに、私の目の前では同じ間違いは起こらないか」

 店長のこの言葉、あきらかにオレのことを疑っているとしか思えない。パートのおばちゃんたちもヒソヒソ声でオレのことを疑う言葉を言い合っている。

 やっぱオレって信用ないのかなぁ。仕事はまじめにやっているのに。人を見た目で判断するなっての。

「ひろとさん、元気だしていきましょうよ」

「ゆうちゃん…ありがとう」

「私はひろとさん、きちんとやっているって知っています。ひろとさんがお金を盗むなんてわけがないです」

「ゆうちゃん、信じてくれてありがとう。でも、どうしてこんなことが…」

 真犯人を見つけるか。いや、下手に動くとまた疑われる。今は騒ぎ立てないほうがいいかな。

「さて、仕事しようか」

「はい」

 ゆうちゃんといると、オレのほうが元気にさせてもらえる。今は目の前のことを精一杯やるだけだ。よし、頑張るぞ。

 だが、オレに対しての偏見はこれだけで終わらなかった。

「ひろとくん、ちょっと」

 パートのおばちゃんたちの時間が終わる午後四時。おばちゃん、といっても見た目はまだ若い。一人は四十代前半、もう一人は三十代後半だったかな。二人とも小学生の子どもがいると聞いている。

「ひろとくんさぁ、子どもと遊ぶボランティアやってるでしょ」

「あ、はい」

「あれ、ひろとくんみたいな子がいると、うちの子を行かせられないんだよね」

「え、どういう意味ですか?」

「うちの子、ひろとくんの真似しはじめちゃって」

「お二人のお子さんも、あそこに来ていたんですか? 知らなかったなぁ」

「ていうか、あまり子ども達に悪いこと教えないでくれる? ホント、困るんだよね」

「悪いことって、オレ、変なこと教えたりしていないですよ」

 オレはムキになって反論した。

「でもねぇ、そこに来ている子がこの前万引き事件起こしちゃって」

 それは初耳だ。ていうか、万引きとオレとは関係ないだろう。そう言いたかったが、この人達に今何を言ってもムダだということもわかった。

 くやしいけれど、今は黙るしかない。

 パートのおばちゃんたちと入れ替わりで、若い学生たちがアルバイトにやってくる。気持ちを切り替えて、こいつらの世話をしないと。

 だが、いつもと雰囲気が違う。オレが作業を指示しても

「えーっ、そのくらい自分でやってくださいよ」

と反論される。どうしてこうなったんだ?

 その理由はレジを締めるときにわかった。バイト生のさとるがこんなことを言ってきた。

「ひろとさん、今日はだれのせいにするんっすか?」

「だれのせいって、どういう意味だよ?」

「昨日はゆうやを犯人にしようとしてたんっすよね? オレ、そういうことやられると困るんっすよ。みんなもそう思ってますよ」

「おい、それはどういう意味だ?」

「どういうって、ひろとさんがレジの金くすねる共犯者にされたくないってことっすよ。ゆうやのやつ、愚痴こぼしてましたよ。自分のせいにされそうだって」

 どこでそんな話になったんだ? 意味がわからない。

 オレという存在、周りはどのように見ているんだ? まるで犯罪者のごとく扱われているじゃないか。どうしてなんだ?

 三日後は子どもを遊ばせるボランティアの日。でも、なんだか行きたくなくなってきた。明日のバイトも行きたくない。全てが嫌になってきた。

 でも、ここで投げ出したらオレの負け。「やっぱりね」と言われそうだ。

 翌日は重い足取りでバイトに出る。すると、今日はゆうちゃんが真っ先にオレに話しかけてきた。

「ひろとさん、元気ないですね」

「ん、あぁ、まぁ」

 オレは曖昧な返事。

「私、ひろとさんを信用しています。ひろとさんはお金を盗むような人じゃない。ボランティアだって一生懸命やっている。何も悪くない」

「うん、ありがとう」

 ゆうちゃんにそう言われて、少しは気持ちが回復したが、根本的なところが解決したわけではない。さて、どうすればいいのか。

「あの…」

「ん?」

「もしよかったら、私がいつも行っている喫茶店に行ってみませんか?」

「喫茶店? どうして?」

「ここのマスターとマイさんっていう方と話すと、元気になれるし悩みも解決できるんです。私、このお店のおかげで今があるんです」

「人生相談みたいなの、やってるの?」

「うぅん、人生相談というよりも、そこにあるコーヒーが変わっていて。魔法のコーヒーがあるんです」

「魔法のコーヒー?」

「はい。私はそのコーヒーのおかげで、いろいろと大切なことに気づかせてもらいました。だから引きこもりから脱出して、今があるんです。ひろとさん、ぜひカフェ・シェリーに行ってみてください」

 魔法のコーヒーって、一体何なのだろうか? 興味は湧いてきたけれど、ちょっとうさんくさい気もする。けれど、ゆうちゃんが真面目な顔でそう言ってくるのだから、何かあるに違いない。

「ありがとう。じゃぁ、明日にでも行ってみるよ」

「はい!」

 このときのゆうちゃんの笑顔はとても印象的だった。この笑顔があるから、オレはゆうちゃんの言葉を信用できる。

 ゆうちゃんからカフェ・シェリーの場所を聞いて、位置を確認。ゆうちゃんはそこでほとんど毎朝モーニングを食べているというから、そのときにお店の人にオレのことを話してくれるとのこと。

 この日、周りの目線は冷たかったが、ゆうちゃんの言葉が勇気となってこの日を過ごすことができた。

 そして翌日、オレはいつもよりも少し早めに起きて出かける準備。とはいっても、いつもの格好だが。

「えっと、この通りか」

 街中の一角にある通り。こんな通りがあったのか。この街に住んでいながら、今まで来たことがなかった。

 パステル色のタイルで覆われた道。道の両側にはレンガでできた花壇があり、華やかさを盛り上げている。

 道幅は車一台が通れるくらい。道の両側には雑貨屋やブティック、中には歯医者とかもあって、いろいろなお店が並んでいる。

 通りの長さはそれほど長くはない。が、なんだかここだけが別の街にいるような感覚を感じる。

 その通りの中ほどに目指すお店がある。ビルの二階にある喫茶店だが、通り沿いに黒板の看板がでているという。まずはそれを探す。

「あったあった、ここだ。カフェ・シェリーだな」

 このとき、黒板に書かれているこの言葉「いつもの幸せがあるから、明日も幸せ」が印象的だった。

 いつもの幸せ、か。でも今のオレはいつもの幸せって感じていない。むしろ、いつもの不幸が積み重なっている。バイト先でお金を盗んだと思われていること。さらにパートのおばちゃんたちからオレの存在を嫌がられていること。

 どうしてこうなってしまったのだろう? オレは何もしていないのに。あらためて自分の不幸を嘆いてしまった。

 ちょっと重たい足取りでお店の階段をあがる。そして扉を開く。

カラン・コロン・カラン

 心地よいカウベルの音。そしてお店の奥からはコーヒー独特の香り。この香りに包まれた瞬間、先ほどの嫌な気持ちがどこかに吹き飛んでしまった。ひょっとしたら、これが魔法なのか?

「いらっしゃいませ」

 カウンターの奥から女性の声が聞こえる。だが、出てきたのはお店のマスターと思われる人。

「あのー、ゆうちゃんから聞いて来たんですけど…」

「あ、ひろとさんですね。お待ちしていました。よかったらカウンター席へどうぞ」

 ゆうちゃん、ちゃんとオレのことを話してくれていたんだな。

 席に座ると、少し遅れてカウンターの奥から女性が出てきた。髪が長くて綺麗な人だ。だが、オレの姿を見た時に、一瞬驚いたような表情をしたのを見逃さなかった。

 やっぱオレの格好って、そんなにおかしいかな? まぁ、確かにこのお店の雰囲気には似合わないとは思うが。ピアスの数も半端ないしなぁ。

「何か悩みがあるって、ゆうちゃんから聞いていますけれど」

 マスターがそう話を切り出した。本当にオレの悩み、このお店で解決するのだろうか? 不安ながらもオレは悩みを話すことにした。

「オレ、仕事でバイトリーダーやっているんですけど」

「リーダーか。大変な仕事なんだろうね」

「まぁ、仕事自体は楽しいんっすけど。でも、最近ちょっと周りの目が…」

 オレの頭のなかで、店長やパートのおばちゃんたち、さらには夜の学生のバイトたちの顔が浮かんできた。オレのことを泥棒扱いする、そんな偏見の目。その視線がオレに突き刺さる。

「周りの目がひろとくん、君を今までとは違う視線で見ている。そう感じているんじゃないかな?」

 マスターはオレの考えをズバリと言い当てた。まさにそのとおりだ。

「オレ、何もしていないのに…」

「何かあったのかい?」

「はい、ここ数日間の間に、レジからお金が盗まれていたんです。オレがレジの締めをやるから、一番疑われるのは仕方ないんですけど。でも、オレは何もしていません。今までどおり、一生懸命働いているのに。なのに、みんなオレを疑うんです」

「なるほど。周りの人たちがひろとくんを疑っているのか」

「オレ、仕事を一生懸命やっているのに、どうしてみんなそう思うんでしょうね。どうしてもオレのことを信用してくれない。あらぬ窃盗の疑いまでかけられている。一体オレ、どうすればいいんでしょうか?」

 するとマスターは、ニコリと笑ってオレにいっぱいのコーヒーを差し出した。

「まずは、このコーヒーを飲んでみてください」

「あ、これがゆうちゃんが言っていた魔法のコーヒーですね」

「はい、飲んだ人が望む味がするものです。飲んだあとにぜひ感想を聞かせてくださいね」

 魔法のコーヒーとは一体どういうものなのだろうか? オレは期待を込めてコーヒーに口をつけた。

 味を確認する前に鼻の奥に広がる香り。コーヒー独特のなんともいえないこの香りがオレを刺激する。今までこんなにコーヒーの香りを感じたことがない。

 そしていよいよ口をつける。熱いっ! 一瞬そう思ったが、その後に来る感覚のほうがさらに強い。

 舌を刺すような刺激。コーヒーってこんなに刺激が強いものだったのか?

 だが、その突き刺すような刺激が、今度は次第にマイルドになっていく。下の上で溶けていく、という感覚。結局、あの刺激が今度は舌全体になじんでいった。こんな味のコーヒーは初めてだ。

「お味はいかがでしたか?」

 マスターの声で、ふと我に返った。さっきの感覚、あれはなんだったのだろうか?

「え、えぇ、なんかすごく不思議な味がしました。初めてです、こんなの」

「ほう、どんな味がしました?」

「なんだか最初は舌に突き刺さるような感じでした。えっと…あ、ミント味のガムをかんだ時のような。すごい刺激でした。けれど、それが徐々に溶けていく感じでマイルドに変わっていくんです。で、最後は舌全体になじんできて」

「なるほど、突き刺さるような感じが最後は舌全体になじんでいった、ということですか。それはおもしろいですね。そういう感覚、何か思い当たることはないですか?」

「思い当たること…うぅん…」

 オレは考えこんでしまった。そういうことって…あ、ひょっとしたら。

「もしかしたら、ですけど。見てわかるように、オレの格好ってあまり人に受け入れられていないんですよね。奇抜というか、今時の若い連中って感じで見られることが多くて」

 言いながら自分の格好をあらためて見てみる。耳にはピアスがたくさんついているし、マスターくらいの年齢の人から見ると、とんでもない格好だと思われているんだろうな。

「でも、格好とかじゃなく人を見て欲しいんです。オレ、自分で言うのもなんなんですけど、わりと真面目にやってます。バイトも、ボランティアも」

「そういえばゆうちゃんと同じボランティアだったね」

「はい、子どもを遊ばせるという活動をしています。ただ遊ぶだけじゃなく、そこにきちんと生きていくうえでの道徳的な学びの要素も取り入れています」

「とてもすばらしい活動をしているじゃないか。ところで、そこではひろとくんはどう見られていると思う?」

「え、ボランティアでですか? そうですね、子ども達からは変な格好のおにいちゃん、って感じですかね。最初はビビッてた子もいましたが、今では馴れ馴れしいほど仲良くなっていますよ」

「なるほど。ではボランティア仲間からは?」

「うぅん、ゆうちゃんは親しげに話をしてくれますが。学生さんたちはオレにちょっと距離を置いている感じはありますかね。でも、バイト先のような不審がるような扱いはないです」

「つまり、最初はどうしてもひろとくんを異質なもの、刺激物として見てしまう。けれどひろとくん自身はもっと周りになじんでいきたい。そういうことじゃないのかな?」

「なるほど。さっきのシェリー・ブレンドの味の解釈はそうなるのか…」

 オレはマスターの言葉に納得できた。そもそもオレは、どうしてこんな格好をしているのだろうか? 今では当たり前になっているので、きっかけを思い出してみた。

 始まったのは高校時代。遊び仲間がこういう連中だったから、その影響でズルズルと今にいたっている。

 あの頃は、これがオレたちの当たり前だった。よく考えたら、オレがこの格好を今も続けている理由というのはない。ただの惰性。

 周りからは異質な目線で見られていることはわかっていた。けれど、なんだろう、反骨心とでもいうのかなぁ。そういう目線で見られれば見られるほど、「これがオレのポリシーだ!」と言わんばかりに格好が派手になっていったきがする。

 だからといって、何かに憧れているとか、何か意味があるとかではない。

 じゃぁ、本心はどこにあるんだ?

 そう考えた時に、オレは無意識にシェリー・ブレンドに手を伸ばして口にしていた。

 このとき、オレの頭のなかに映像が飛び込んできた。みんなと手を取り合い、ひとつになっている。さらに、みんな白い服を着て、誰かが目立っているというわけではない。かといって、みんな同じではない。一人ひとりがそれぞれ光るものを持っている。

 そう、一人ひとりが光り輝いているのだ。それを認め合いながらみんなが笑顔になっている。

「ひろとくん、なにか見えたかな?」

 マスターの声で我に返った。

「あ、えっと…」

 オレは言葉に詰まった。今のは味ではなく幻覚のようなものが見えてしまったから。オレがおかしくなったのかな?

「とまどっているようだね。シェリー・ブレンドの魔法は、人によっては自分が欲しいものを映像として見せてくれることもあるんだよ。だから、ひろとくんが今見たものは自分の願望の姿なんだ」

 マスターのその言葉を聞いて安心した。オレがおかしくなったわけじゃないんだ。

「えっとですね、実は…」

 オレは今見たものをマスターに説明した。説明しながら思った。オレはみんなと同じになりたい。同じように見られたい。といっても、個性もしっかりと認めて欲しい。このことも付け加えた。

「なるほど、個性を認めつつみんなと同じに見られたい、か。一見すると矛盾しているようにも思えるけれど…そうだな、ゆうちゃんを思い出してごらん」

 ゆうちゃん、オレをこの喫茶店に導いてくれた人。そして、今のオレの唯一の理解者。さらにオレの…

「ゆうちゃんは今まで引きこもりだったけれど、勇気を持って活動を始めただろう。ときどきイベントでぬいぐるみを着たり、パフォーマンスをしたり」

 マスターの話すゆうちゃんの姿が目に浮かぶ。

「ゆうちゃんって、すごく目立っていると思わない?」

 マスターに言われてみると、確かにゆうちゃんはアルバイト先でも、ボランティアの中でも目立った存在だ。だからといって、周りに馴染んでいないわけではない。

 あ、まさに今オレがシェリー・ブレンドを飲んだ時に見た、あの光景にピッタリだ。手を取り合い、一つになっているけれど、ゆうちゃんは光り輝いている。

「オレも、ゆうちゃんみたいになりたい…」

 オレの本音が口から先に出てきた。言葉にしたところで、自分の気持に初めて気づいた。

「だったら、まずは何から初めて見るかな?」

 マスターから言われて悩んでしまった。まずは何から…。

「悩んだ時には、シェリー・ブレンドに答えを聞いてみるといいよ」

 そうか、この魔法のコーヒーは望んだものの味がするんだった。さらに、さっきみたいに映像で見せてくれるかもしれない。

 オレは残りのコーヒーを一気に口に含んだ。そして静かにその味を確認する。

 最初に感じた、あの突き刺さるような感覚はない。むしろ、普通のコーヒーだ。特に映像も感じない。

 普通のコーヒー、普通のコーヒー…この言葉だけがオレの頭のなかで何度も繰り返されている。

「普通でいること…」

 口からそんな言葉が飛び出した。そして気づいた。

 オレの格好はどう見ても普通じゃない。だが、そこに何かポリシーやこだわりがあるわけではない。ただなんとなく、高校時代からの惰性でこうなっているだけ。

 そうか、周りがオレをはねのけているんじゃない。オレが周りを寄せ付けないようにしていただけなのか。

「わかりました。そうなんだ、オレが変わらなきゃいけないんだ」

「ほう、どんなふうに?」

「今わかったんです。オレ自身が周りを寄せ付けないような格好をしていたんだって。こんなチャラい男を信用しろというのが間違いですよね。信用されるためには、信用されるような格好をしなきゃ」

「なるほど、人は見た目が8割という本もあったくらいだからね。じゃぁ、具体的にはどうするんだい?」

「まず、格好を変えます。もっとまじめに。ピアスもやめます。こんなにジャラジャラしていたら、みんな引いちゃいますよね。髪も切って黒く染めるかな」

「そうか、じゃぁまずは思ったような格好をしてみるといいよ」

「はい、ありがとうございます」

 どんな格好になるのか、自分でも想像がつかない。けれど、何か一歩踏み出せる気がした。

「ところで、ひろとくんはゆうちゃんのこと、どう思っているのかな?」

「えっ、ゆ、ゆうちゃんのことですか?」

 マスターは意地悪っぽく笑いながら、そう問いかけてきた。

 ゆうちゃんのこと、悪くない。いや、正直なところ彼女にしたい。けれど、今のオレじゃ…。

「今朝ね、ゆうちゃんがひろとくんのことを相談に来たときに感じたんだよ。ゆうちゃん、ひろとくんのことを本当に信頼して、頼りにしているなって。だから、ひろとくんが困っている姿をなんとかしてあげたいんだなってね」

 そうなんだ。こんなオレでも心配してくれる人がいるんだ。なんかありがたいな。

「ゆうちゃん、人に喜んでもらうことに対しては積極的に動くんだけど。自分自身が喜んだり楽しんだりすることに対しては、今一歩動きがにぶくなっちゃうんだよなぁ。そんなゆうちゃんを支えてくれる人がいると、いいなとは思っているんだけどなぁ」

 マスターはまるで独り言のよう、あさっての方を向いてそう言う。つまり、オレにゆうちゃんを喜ばせたり、楽しませたりしてあげる役目になって欲しい、ということなのか。

「でも…」

「でも?」

「いや、なんでもありません」

 オレにはまだ、その勇気がない。

「ひろとくん、一つ提案があるんだが」

「はい、なんでしょうか?」

「妻のマイがカラーセラピーというのをやっているんだよ。ほら、ここに二色のボトルがたくさんあるだろう。これを使うんだ」

「奥さん、そういうのやられているんですね。これ、占いみたいなものですか?」

「占いとは違うかな。どちらかというと、カウンセリングに近いかもしれない。おそらくひろとくんの悩みの答えが、より明確に出るんじゃないかと思うんだよ。今夜時間があれば、ぜひ受けてみないか?」

「今夜、ですか……」

 本当ならバイトが入っている。が、休もうと思えば休めなくはない。特に今日のシフトは、どちらかというと人が余っているくらいだし。

「わかりました。時間はなんとかします。ぜひ受けさせて下さい」

「うん。じゃぁマイに話してみる」

 マスターはそう言うと、カウンターから身を乗り出した。

「マイ、ちょっと」

 えっ、マスターの奥さんって、あのきれいなウェイトレスさん!? これには驚いた。マスターはどう見ても四十代、マイさんは二十代だもんなぁ。

 そういえばゆうちゃん、カフェ・シェリーのマスターとマイさんと話すと元気になるって言ってたな。それがあの人なのか。

「マスターの奥さんて、若くてお綺麗ですね」

「あはは、ありがとう。なにせ二十才以上も歳の差があるからなぁ」

「えぇっ、そ、そうだったんですか。でも、どうやってあんな人とお知り合いになったんですか?」

「実は、私は元は高校教師をやっていてね。そのときの教え子だったんだよ。マイが高校を卒業してから、なぜか私と一緒にいろいろなセミナーに参加するようになって。そうしているうちに、つきあうようになってね」

 マスターは照れ笑いしながらも、そう話してくれる。ここでどうしても聞きたいことが浮かんできた。

「あの、今後の参考のためにお聞きしたいんですけど。マイさんと恋人としてお付き合いするようになったきっかけって、どんなことだったのですか?」

「あ、ゆうちゃんと付き合うきっかけの参考にしようとしているな」

「えへへ、わかっちゃいました? でも、オレにはどうしてもゆうちゃんに告白する勇気がなくて…」

「じゃぁ、一つだけヒントをあげよう。ひろとくん、今のままの自分でいいと思っているかい?」

「えっ、今のままですか? そりゃ、変わらなきゃと思っています。この格好も、そしてゆうちゃんに対しても」

「じゃぁ、もう答えは出ているよ」

 もう答えは出ている。マスターの言葉で、今一度自分が何をやろうとしているのかを考えてみた。

 まずはこの格好。普通と言われるようなものにしていこう。じゃぁ、その次は?

 周りの人の誤解を解くこと。オレはお金は盗んでいない。でも、犯人を探すというのとはちょっと違う。自分の行動でそれを示そうと思っている。

 じゃぁ、ゆうちゃんに対しては?

 今まではどちらかというと、ゆうちゃんに助けられていた。今日、こうやってカフェ・シェリーに来れたのもその一つ。だったら今度はオレがゆうちゃんを助けてあげる。色んな意味で。

 自分から人助けをする…そうか、今までそんなこと考えてもみなかった。ボランティア活動は確かに人助けではあったが、言われるままにやっていただけ。子ども達だけでなく、もっとたくさんの人を助けられるようにならないと。

「わかりました。オレ、まずは自分から動いてみます。今まで、周りが応えてくれるのを待っていただけでした」

「ひろとくん、いい答えだ。じゃぁ、早速行動開始してみよう」

「はい!」

 オレはマスターとマイさんにお礼を言って、カフェ・シェリーを飛び出した。このままではいけない、まずは自分から動かなきゃ。

 まずは自分の身なりを変えることに。といっても、家にはいわゆるちゃんとした服はない。わずかばかりの現金しか持ち合わせていないので、とにかく予算内で着られる服を探しに行った。

 結局購入したのは、ジーンズと襟付きのシャツ。色もシンプルなもの。

 次に頭だ。すでに懐は厳しいので、いつも行く美容院じゃお金が足りない。仕方ないので、千円カットのお店に飛び込む。

「えっ、そんなに切っちゃっていいんですか?」

 思わず店員から言われたが、ここは思い切る。そうして出来上がった髪の毛は、かなりの短髪。野球選手みたいだ。

 本当なら髪の毛も染めたかったが、今手元にお金がないから次の機会だ。

 ピアスも全部外して鏡を見る。自分でも驚くほどの別人になっていた。

 そして次はバイト先へ。今日の夜、休ませてもらうことを言いに行くことにした。

「おはようございまーす」

「おはよ…え、だ、だれ?」

 パートのおばちゃん、一瞬オレのことがわからなかったようだ。

「ひろとですよ」

「ど、どうしたの、それ!?」

「え、何かあったのか…え、ひ、ひろとくん!?」

 みんなオレの姿を見るなり、目を丸くしている。

「いやぁ、ちょっとイメチェンしちゃいました」

「ちょっとじゃないよ、かなりイメージ違うね。驚いたよ」

 店長、目を丸くしてそう言う。そこで今日の夜は休ませてほしいことを伝えた。

「あ、あぁ、わかった、いいよ。今日は人数足りてるし。いやぁ、それにしても、ひろとくんってこんな青年だったなんて…」

 店長、そんなセリフを何度も口にする。じゃぁ、今までのオレって何だったんだ、と自分でも思ってしまうほどだ。

「さて、夕方まではがんばって働くか!」

「ひろとさん、ちょっと」

 そう言ってオレを呼び止めたのはゆうちゃん。あ、やべっ、なんか急に緊張してしまった。

「え、な、なに?」

 ゆうちゃんは裏の倉庫の方へと誘導。まさか、ゆうちゃんの方から告白、とか?

「あの…と、とても似合っています。その格好」

「あ、ありがとう」

 まさか、本当に告白、とか?

「ま、前から言おうと思っていたことがあるんですけど」

 ゆうちゃん、うつむき加減でそう言う。この言葉で、オレはドキッとした。そして期待度アップ。

「な、なに?」

「あれです」

「あれ?」

 ゆうちゃんが指差したのは、天井につけられている監視カメラ。このとき気づいた。

「あれ?」

「気付きました?」

「うん、気づいた。これ、おかしいぞ」

 監視カメラ、とんでもない方向を向いている。

 この部屋はピザに使う食材が置いてあるだけではない。例の売上金を補完する金庫がその奥にひっそりと置いてある。売上金は翌日、店長が銀行に入れることになっている。

 そのため、この部屋全体を、特に金庫のあたりを撮影するための監視カメラが仕掛けてあるのだ。

「これじゃ、金庫のあたりが撮影できない。ということは、お金を盗んだ犯人がカメラの向きを変えたのか…」

「ひろとさん、ちょっと提案があるんですけど」

「なんだい?」

 ゆうちゃんがそう言って取り出したのは小さなカメラ。

「これ、ドライブレコーダーなんですけど。これを仕掛けておけば、何かが撮影できるかも。これなら繰り返しずっと撮影できるから」

「へぇ、そういうのがあるんだ。よし、それでやってみよう」

 早速、ゆうちゃんが持ってきたドライブレコーダーを見つからないようなところに仕掛ける。そして向きが変わった監視カメラも、一度元に戻しておく。

「よし、じゃぁ仕事に戻ろう」

「はい」

 ゆうちゃんとの企み、うまくいくか…。

 だが、この企みは予想よりも早く効果が現れた。夕方、食材を取りに倉庫に入った時にそれに気づいた。

「カメラの向きが変わってる…」

 オレはこのことをこっそりとゆうちゃんに告げた。ゆうちゃんはカメラの映像を確認。オレはお店の中でその報告を待った。そして…

「ひろとさん、犯人がわかりました」

 ゆうちゃんから携帯にメッセージが。オレはさりげなく、再び倉庫へと足を向ける。

「犯人はこの人です」

 ゆうちゃんはオレにその部分の映像を見せた。そこに映っていたのは…

「て、店長!?」

 店長が監視カメラの死角に入りながら、モップの柄を使ってカメラの向きを変えている映像がバッチリ残されている。

「そうだよな、考えてみれば金庫の開け方を知っているのは、オレと店長しかいない。ちくしょう、人に罪をなすりつけやがって!」

 オレは怒りにまかせて店長のところへ行こうとしかけた。が、それを止めたのはゆうちゃん。

「ひろとさん、落ち着いて。この件は私に任せて。今ひろとさんが出て行くと、この証拠を握りつぶされる危険があるから」

「じゃぁ、どうするの?」

「私がこの証拠を持って、本部にかけあってきます。このカメラももう少し仕掛けておきましょう」

 さすがはゆうちゃんだ。オレはゆうちゃんの提案に従うことに。これでオレの濡れ衣もはらせる。

 この事件については、まだ完全に解決したわけではないが。自分の中ではとてもスッキリした。おかげで、再びお店に立った時にはとても笑顔になれた。

「あれ、ひろとくん、なんかいい顔してるじゃない」

 パートのおばちゃんからそう言われたのはうれしいことだ。昨日までオレのことを疑うような目線でしか見ていなかったのに。

 店長に対して怒りの気持ちも湧いてきたが、ゆうちゃんの言葉のおかげで「きっときちんと制裁は加えられるはず」という見方ができた。

 おかげで、店長の顔を見た時に、怒りよりも笑いのほうが出てきた。あなたのこの先が楽しみですよ、という笑いだ。

 五時になり、パートとアルバイトが入れ替わる時間。学生のバイトたちも、オレの顔を見るなり

「ひとろさん、ど、どうしたんですか?」

と驚く。やはり、この変化はインパクトがあったようだ。

「ま、気持ちの変化かな」

と答えておいたが、本当に言葉通り気持ちが変化していくのがわかる。なんだか見るもの、聞くものがキラキラ輝いている感じがする。

「今夜はちょっと用事があるから、締めはよろしくね」

 これについては「はい」という気持ちいい返事。この連中も、昨日までとは違う態度だ。

 この日、オレは六時にはバイトを上がることができた。しかも今までになく気持よく。

 さて、次はカフェ・シェリーに行ってマイさんのカラーセラピーを受けるか。

 セラピーの目的、それはゆうちゃんとの関係をどうするか。オレとしてはゆうちゃんとつきあっていきたい。恋人と呼ぶ関係になりたい。

 でも、本当にこんなオレでいいんだろうか? そういえば今日なんて、ゆうちゃんにお世話になりっぱなしだし。なんかオレ、頼りないなぁ。

 不安を抱えながらも、カフェ・シェリーに到着しようとしていた。そのとき、ゆうちゃんから電話が。

「あ、ひとろさん。良い報告があります」

「え、なに?」

「あの録画した動画を、本部に持って行ったんです。そうしたら、前々からあの店長、本部にも目をつけられていたらしくて。良い証拠を持ってきてくれたって喜んでいました」

「そうだったんだ。よし、これでオレの濡れ衣も完全に晴らせそうだな」

「はい、私もすごくうれしいです」

 ゆうちゃんからそう言われると、オレもうれしくなる。あぁ、やっぱりゆうちゃんとこういう気持ちを一緒に味わっていきたいなぁ。

 そのためにはこのままじゃいけない。オレが変わらなきゃ。

 そうしてオレは決心した。自分を変える、今までとは違う自分になる。そして、ゆうちゃんにふさわしい自分になる。

 そう何度も自分に言い聞かせて、カフェ・シェリーの扉を開いた。

カラン・コロン・カラン

「ひろとさん、お待ちしていました」

 マスターがオレの到着を待っていてくれた。そしてお店の真ん中の丸テーブルの席へと案内される。

 そこには、白い服に着替えたマイさんが待っている。昼間の雰囲気とはまるで違う。ちょっと驚きだ。

「ひろとさん、なんだか見違えましたね」

「あはは、おかげさまで。みんなに驚かれちゃいました」

 やはりオレの変化はまわりの人を驚かせるようだ。けれど、マイさんはこの変化を受け入れてくれた。

「では、今からセラピーを始めますね。まず、あらためてひろとさんの悩みを聞かせていただけますか?」

「はい。朝も話しましたが、バイト先で周りから信用されていなくて。でもこれはほとんど解決しました」

「では、どんな悩みを?」

「えっとですね、実は…」

 ここでゆうちゃんとのことを話した。

 このままではいけない。新しい自分になる。オレのためにも、そしてゆうちゃんのためにも。

 こうしてオレは新しい自分を手に入れた。


<このままではいけない 完>

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