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ギルドスタッフ! 3  作者: ケシゴム
シェオールの英雄 リーパー・アルバイン
1/63

日記?

「いよいよ決戦の日が来ました」


 普段とは違う雰囲気を醸し出し、神妙な面持ちでサブマスターが言う。


「皆さん。今日という日の為にこの数か月、様々な努力をしてきました。そんな私達に天は、新たな仲間を与え、さらには、より高みに登り詰める為の試練を与えてくれました」


 二人の新入社員が加わったことで、今までブラック気味だったシェオールのギルドは、職場環境が改善されつつある。シェオールのような田舎で、短期間で二人もの人材を確保できたことは、正に天の恵みと言っても過言ではない。

 そして、敵の出現により、今までの現状維持では後退を意味する事を悟り、スタッフの意識改革、サービスの向上という基礎をメインに、ギルドとしての質を高める改革が行われ、お客様だけでなく、町やスタッフまでもが、成長という恩恵を得た。


「そして私達はまだ途中ながらも少しずつ高みに上り、数か月前とは比べ物にならないほど成長しました! それが今日、形となりはっきりと顕れます!」


 普段は気の抜けた朝礼を行うサブマスターは、試練を与えてくれるライバルの出現に喜びさえ感じているのか、その表情には自信と輝きがある。


「皆さん、思い出して下さい。この数か月、一体どれほどの汗を流しましたか! どれほどの涙を流しましたか!」


 余程高揚しているのか、サブマスターの一言が演説に変わりつつある。


「皆さんの手にはどれほどの傷が出来ましたか! それは全て皆さんの成長の証です! それが今日! 証明されます!」


 そろそろサブマスターを止めるべきだ。確かに今日という日はとても大事な日だ。だからこそサブマスターがここまで鼓舞するのは分かる。それでも朝礼に時間を掛け過ぎれば開店が遅れる。


「私は知っています! 寝る間も惜しんで対策を考え続けた人を! 私は知っています! お客様を取られないよう、休日返上で町内を駆け回った人を!」


 いや多分それをしたのはサブマスターだけ。


「私は知っています! 建設途中の冒険者ギルドが天災に合い、工事が中止になるよう願い続けた人を!」


 うちのサブマスター最悪だな! っというか誰か止めて! 


「そんな皆さんの小さな力が……」

「あ、あの、リリア?」

「はい! どうしましたマスター!」


 マスター!? 今までニルの事そんな風に呼んでなかったよ!?


「そろそろ開店しなきゃいけないから、もう少し手短に出来ない、かな?」


 いつまで続くか分からないサブマスターの挨拶に、しびれを切らしたギルドマスターが諭す。


「分かりました! では私の話は終わります! マスター! どうぞ!」


 あぁ良いんだ。結局リリアは何がしたかったの? 


 

 生物は進化の過程で様々な能力を身に付け、狩りをして来た。その中で知能を発達させた種族は、社会という仕組みを作り上げ、仕事という概念を生み出した。

 これにより個々で行わなければならなかった作業が分割され、生存率が急激に上がった。

 しかしその代償としてお金というものも生み出され、それが無ければ、特に人間は生きていくのが困難になった。そしてそれを得る為仕事をする。

 

 この物語は、そんな世界で、地元ハンターギルドのスタッフとして働く俺の、日記である。


 超のんびり投稿します。

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