表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

はずれ神シリーズ

劣悪交通弱者との付き合い方

作者: 真田 逆

 ~~ちゅういがき~~


 交通弱者・強者という言葉は、どちらが偉いだとか、上から目線だとか、そういう意味は全くありません。


 また、交通弱者という単語には他の意味もありますが、このエッセイにおける意味はただ単に、交通事故における責任の大小の上下関係というだけです。


 以上、ご了承ください。


 ――横断禁止の道路を、車が来ているにもかかわらず、平気でノロノロ横切る歩行者。


 ――夜に無灯火でフラフラと蛇行しながら車道を逆送する自転車。


 ――車とガードレールの間がギリギリなのに無理矢理入ってくる原付バイク。


 ――車が頻繁に走っている車道で、スケートボードに乗ってる馬鹿以外の何者でもない馬鹿。


 ――酔っぱらって車道に横たわるおっさん。




 私は仕事でよく車に乗るのだが、上記のような行動をよく拝見する。あくまで一部であって、これ以外の危険行為も枚挙に(いとま)がない。


 そういった行動を、車の運転手としての立場で受けた場合、どういった感想を抱くか。



「ふざけてんじゃねえよクソが!!」



 ――である。



 口に出しては言わない。(だから書く)

 社用車の場合は車内でもドライブレコーダーに撮られてしまうしね。うっかり独りでアニメ曲カラオケ熱唱もできやしない。



 「その程度で憤慨するなんて短気」とか「そんなことばっかり考えてると禿げるぞ」などと思う人もいるだろう。……確かに頭頂部の薄毛が気になってきている。いや、髪の話は置いておこう。この話は俺に効く。




 要は交通に対するモラル低下に嘆いているのだ。




 もちろん地域によっても交通マナー、ルールを守る守らないの傾向は変わってくるだろう。

 私が長い期間を運転した経験があるのは栃木と東京しかないが、たまに走る他の地域でも確実に危険行動を見かけるので、おそらく根本的な部分では同じではないかと思う。まぁ沖縄とかはわからないが。


 交通ルールは守りましょう、という言葉を子供の頃から聞かされたことのない人は、ほぼ皆無だと思う。それでも守らない人はいくらでもいる。

 平気で人に迷惑をかけるような行動をするような人が、他人の言うことを素直に聞くはずがない。


 だから私は車を運転する側の立場として、あえてこう提案したい。




「車の運転手さんたち。劣悪交通弱者から被害を受けないように気を付けましょう。(※ ただし清い運転手に限る)」




 忘年会やらの宴会が増えてくるだろう、この寒い時期である。

 劣悪交通弱者の更正は見限って、我々運転手の自衛手段を探していこうじゃないか。





――――――――――――――――――――――――――




 私は仕事で車を運転する上に、社用車という「自分の所有物ではない車」に乗っているからこそなのだが、運転をする際にはかなり気を配っている。

 社名も入っている車である。自分の運転行為がそのまま会社の評判にも繋がってしまいかねないのだ。当然の配慮だと思っている。


 事故っても自分の車じゃないから、会社の保険でなんとかなるから、とか考えてるようなやつには「クズが!」と言って差し上げたい。


 自分の運転スタイルとしては「教習所で習ったことをそのままに」だ。普通自動車免許を取ってから約15年、法律改正がなかった部分は守り続けている。スピードも制限速度から時速10㎞よりはオーバーさせたことも……たまにあったかもしれない。


 さて、常日頃から危険な鉄の塊を走らせている身としては、交通事故、特に人身事故こそが一番怖い。ちょっとの不注意で大惨事が起こる可能性があるのだ。仕事だろうがプライベートだろうがそこは変わらない。

 もし事故を起こした場合、それが運転手の不注意で起こしたものなら、後悔や自責の念に(さいな)まれもするだろう。


 しかし、ここで言う劣悪交通弱者の行動によって引き起こされた事故だったならば、悔やんでも悔やみきれない部分がほとんどを占めてしまうのではないか。

 理解は出来ても納得は出来ない……と感じてしまうのではないかと思う。


 人との接触事故を起こした場合、法律上は車の運転手側に大幅に責任がある。例外は交通弱者側が「あまりにも」危険な行為をしたときのみ。しかし、ほぼそんなことにはならず、多少の責任の割合は前後するが運転手側は必ず責任を取らされる。


 だからこそ怖い。事故を「起こさせられる」可能性が怖い。ふざけた行動のせいで自分の人生が壊されるかもしれないのだ。


 それを防ぐにはどうしたらいいか。


 極端な話、「車に乗らない」、「自らが運転する乗り物を使用しない」が最適解となってしまうだろう。


 もちろん普段から車とは切っても切れない人には、そんな現実的ではない提案はできない。



 真面目な解答をするのであれば、


 「『だろう運転』はせずに『かもしれない運転』で常に危険予測を」


 「車間距離を保ち、目視を含めた安全確認を怠らない」


 「自車の近くに二輪車、自転車や歩行者が近付いてきた場合、完全に止まって通りすぎるまで待つ」



 他にも細かい指摘はあるだろうが、基本はこれらに尽きると思っている。


 けれども、運転手がそれらを守っていたとしても、どうしようもないことはある。あるのだ。



 標語通り「車は急には止まれない」のだから。



 自殺をしようと車道に飛び込む人もいれば、当たり屋だっているし、他の車が轢いた人が目の前に飛んでくるかもしれないし、歩道橋から人が飛び降りてくる可能性だって否定はできない。

 猫を助けようとして転生する主人公もいれば、運よく魔方陣が現れて召喚される人物もいるかもしれないし、転生トラックがインターセプトしてくれるかもしれ……



 ……話が逸れた。



 私はいままで人身事故を起こしたことはない。ないが、それは「たまたま今まで起きなかっただけ」だ。



 いくら安全運転をスローガンとしていても、安全確認を心掛けていたとしても、それは事故確率を下げているだけにすぎない。

 運転手と他の存在がいる限り、事故が起こる可能性をゼロにすることは出来ない。


 完全な安全運転などは存在しない。


 ならば、どうすればよいのか。






 【 他 人 を 信 じ る な 】






 厨二病ではない。(さすがにトリプルスコアに近い年齢であるので勘弁願いたい)


 正確には、「他人のとる行動を勝手に予測して、勝手に信用するな」である。




――――――――――――――――――――――――――


 


 車を運転中に見かける歩行者はあなたの知り合いでしょうか?


 横から走り抜けていく自転車に乗っている人の性格を知っていますか?


 ――あなたは、心のどこかで、知らない他人の行動を、大抵の人は交通ルールを守るものだ、と勝手に信じていませんか?



 はい、大抵の人は交通ルールを守ります。

 その通りです。

 ですが、守らない人もいます。

 そして、誰が交通ルールを守らない人なのかはわかりません。

 普段は守っていても、たまたま魔が差して守らない人もいるでしょう。



 だったら全員を警戒するしかないですよね?



 え? そんなこと常に考えて運転してたら疲れる?



 当たり前じゃないですか。だから運転は疲れるんですよ。



 完全な安全運転は無理なのだから、出来る限りの「リスク軽減運転」をするしかないでしょう?



 私の場合、ガードレールの向こう側の歩道にいる歩行者すら、その行動を信じていません。

 もしかしたらガードレールをいきなり飛び越えてくるかもしれない、とも警戒します。これこそが「かもしれない運転」だと考えています。


 自転車に乗る人なんて、道路交通法を知らずに走っている人ばかりじゃないですか。免許持たなくても、道交法を勉強しなくても運転できるんですから。平気で対向車線側を走ってるような人たちを、どうやって信じられるんですか?


 有り得ないことなんて有り得ない。事実は小説より奇なり、と言えるような事故はいくらでもあるんです。注意をしすぎても、しすぎることはありません。



 というのが持論であるのですが、皆さんはいかがでしょうか。




――――――――――――――――――――――――――




 穴だらけの暴論を書くだけ書いて〆に入るが、他人の行動を信じられないと言っておきながら、その(じつ)、一番信じていないのは自分自身だったりもする。

 自分で見たものですら見落としがあるかもしれない、と考えるからこそ執拗(しつよう)な安全確認をしているのだから。

 その安全確認だって、前進しているときに前方以外を見ていれば、余所見(よそみ)の一種なのだ。


 運転とは、かくも事故と隣り合わせの行為だと感じざるを得ない。


 運転手の皆さんはそこまで考えて運転をしている人は少ないだろう。ただ、我々が操作している鉄の塊は、人の命を簡単に奪える代物だ。使い方を変えれば、それはもう簡単に。



 それだけは、絶対に忘れてはいけないことだ。



 事実、日本では年間で四千人前後が交通事故で死亡している。単純計算で一日十人以上。警察署や交番の外壁に掲げられているボードに、赤い数字の「1」やそれ以上の数が示される日常なのだ。黒い数字なんて三桁はざらである。



 人間は間違うもの。だからこそ間違えたときに大惨事を引き起こさないように、そして引き起こさせられないように、常日頃から安全マージンをとり、リスクの軽減をはかってほしい。


 それこそが交通強者の人生を守ることになり、ひいては交通弱者の身を守ることにも繋がるのだから。



 願わくば、皆さんの健やかなる運転ライフを。



動物を車からかばって神様ルームに行ったなろう系主人公



神様「え? 転生? なんで? あんたを転生させるくらいなら、もっと命を助けてる医者とかを転生させるよ?」


主人公「」


神様「はい、次の人ー」


主人公を轢かされた挙げ句電柱に突っ込んで死んだ運転手「コノウラミハラサデオクベキカ」




※ この駄文は特定の作品を批難するものではありません!!!!!!


ご都合主義に俺TUEEEEEE大好き!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 基本的に命の危険を感じるので路肩通り抜けやらの原付における問題行動はしないよう心がけてる原付ユーザーの私ですが、昨年の交通事故死者数がぶっちぎりトップだった中部地方の某県在住という性質からか…
[一言] 初めまして、あかと申します。 私も運転をするので、興味のある内容に惹かれて拝見させて頂きました。 本当に仰る通りで、歩行者や自転車などが怖いです。 田舎なので交通量は少ないですが、高齢者の…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ