出会い~目覚め~
夕方になった。
俺は家族の帰りをおとなしく待った。
だいたいいつも、夕方ぐらいになるとじいちゃんとばあちゃんが先に帰ってきて、父上と母上が帰ってくる。そして兄上が最後に帰ってくる。
それにしても今日は遅いなぁ。
夕方が過ぎて日が落ちて、周りが暗くなってしまった。
俺は家族を待ってる間に寝てしまっていた。
(絶望の時が始まる・・・目覚めよ)
誰かがささやいた気がしてハッと目を覚ました。
もう真っ暗だ。
まだ誰も帰ってきていない。
「今日はどうしたんだ?皆遅い。」
(ドタドタ!!)
すると突然屋敷の入り口の方から騒がしい音がした。
俺はやっと帰っていたと思い、入り口に向かった。
あれ?なんだか様子がおかしい。
(ざわざわ)
入り口に向かうにつれ、ドタドタという大きな音とざわざわとたくさんの人たちの声がする。もしかしたら、泥棒の類かもしれないと思い、俺はじいちゃんの部屋によって、置いていた刀を持って入り口に向かった。
「声聞師様!!!助けてください!!」
入り口に着いたと思いきや、目の前には土下座をしてとてつもなく慌ててる民がいた。
「ど、どうしたんですか?」
「あ、阿部ノ本様達がよ、妖怪に!!そんで私達の家までにも妖怪が押し寄せてきて!!」
俺は一瞬で理解した。