ネオスフィアの勇者~その後の一幕、おまけ~
おまけです。
めちゃ短いです。
資金を無事に得て、アイリーン様の手助けを受けながら家に隣接している土地を新たに購入した、翌日。
私はそこに畑と放牧スペースを作る為、皆にも手伝いをお願いして、外へ出た。
すると。
「フウリ、フエン、いいかい? いくよ!」
「いつでもどうぞ、ノルン!」
「任せろ!」
「ライカ、ミウ、リーフ、こっちもやるわよ!」
「ああ!」
「ええ、キラリ!」
「頑張りましょう!」
精霊達の元気な声が聞こえてきて、そちらに視線を向けて……絶句した。
まず、畑予定地。
そこにはノルン君とフウリちゃんとフエン君がいた。
みるみるうちに土が耕されていき、雑草が空高く舞って一ヵ所に纏まると、火がついて燃え、跡形もなく消え去った。
少し離れた地面には、錬金術で使える草がきちんと置かれ、残されている。
次に、放牧スペース予定地。
そこにはライカ君とキラリちゃんとミウちゃん、そして初めて見る女の子がいた。
予定地に生えている草の上にだけ雨が降り、同時に日の光がさんさんと降り注ぐ。
そして草の上を初めて見る女の子がくるくると回りながら飛び回ると、ぐんぐんと草が伸びていき、動物達が食むにちょうどいい大きさまで育った。
その周囲に、ライカ君が雷で出来た小鎚を振り下ろし、地面に柵を打ち込んでいく。
「これくらいでいいかしら? ライカ、キラリ、ミウ、約束よ? 貴女達のマスター、クレハ様にちゃんと私を紹介して、契約を薦めてよね!」
「ええ、勿論よ!」
「わかってるわ、リーフ」
「約束は守るよ」
………………。
……へ?
キラリちゃん達三人の会話に、ぽかんと口を開けていると、ぽんと、肩に手が置かれた。
視線を向けると、フレンさんが微笑んでいる。
「押し入りだけど、契約精霊が一人増えるね。おめでとう、クレハちゃん。じゃ、畑とかの拡張の手伝いももう必要ないみたいだし、僕は部屋に戻るよ」
「…………」
こうして、畑と放牧スペースの拡張は、私が何もしないまま、精霊達の手によってなされた。
私は精霊達にお礼を言うべく、彼らの元へ向かった。