14話 世界は僕らの手の中に
(´・ω・`)おかしい、書いた文字数と実際の行数が合わない……
どこへ消えてしまったのだろう?
※今回の話にも難解な文章が多用されています
読み辛い言い回しや分かり辛い表現は仕様ですのでご了承ください
あと、彼らは前世の記憶とかはない一般人です
剛の型、柔の型、刃の型の3種の神拳使いが群雄割拠する世界「トライジャンハンズ」。
神拳使いは日々、己の拳を鍛え、自分の流派が最強であることを示す為に日夜修行で自らを高め、敵とぶつかり合い、戦いに明け暮れている。
その世界に今、全てに神拳使いを滅ぼさんとして、邪拳使いである魔王が蘇った……!
「さあ、覚醒の時だ。神魔大戦にて混沌の王を討ち滅ぼせし英雄の転生体、破滅と救世を定められし勇者たちよ!」
「え? 何だここ?」
「あの子は何であんな黒いコートにジャラジャラと鎖とか付けて、黒に十字の入った眼帯とか片腕に包帯巻いているんだ?」
「……止めろ!」
フッフッフッ、今ここに3人の勇者が揃った。
仮の名は郡野剛、不破勇、長野金弥。
だが、全てを見通す右眼、万象貫く魔眼には見えているぞ。
汝らの魂に秘められた最古の記録、最も古きに刻まれた能力がある事を!
「ようこそ、ここは刹那の刻と無限の空間の狭間にある神の宮殿。選ばれし魂たちが集い、異世界へと旅立つ伝説の出発点」
「な、何言ってるんだコイツ?」
「グラズヘイム……聞いた事ない地名だな。ファート・レジェンダリーは……伝説上最初の?」
「ぐふっ……た、頼む……もう止めてくれ……!」
「お、おい、お前さっきから大丈夫か?」
しまった!
長野金弥が組織の妨害攻撃を受けていたのか!
くっ、ここへ来る途中を狙われたか……幾ら神の身である我でも、ここへ来る間に攻撃を受けては守りきれぬ……そこを狙われたか!
「済まない……こうなる事は予測できていたが、まさか汝が組織に狙われるとは……!」
「そ、組織!? じゃあ、俺たちは何かヤバい事に巻き込まれたのかよ!?」
「いや、でも彼は見た限りでは外傷は無いよ。恐らく体内に何か……」
「違うんだ……もういいから……止めて……謝りますから、お願いします……」
クソ!
我が封印されし左腕、神聖なる創造の左の能力があれば、このような事にはならなかったであろうに!
「なあ、それにしてもここはどこで君は誰なんだ?」
「まだ名乗っていなかったか? 我は過去と未来を渡る白き烏、生と死の輪廻を見つめ勇ましき魂を誘う道標。人は我を神と呼ぶ」
「か、神様?」
「ぐあぁ!? 古傷が! 忘れたい過去がぁ!」
フッ、我の神圧を受けてしまったようだな。
神創級である我の神圧を、伝説級にも達していない者が受けてしまっては気圧されてしまうのも仕方あるまい。
「おいおいお嬢ちゃん、ごっこ遊びは他でやってくれねぇか? 俺は暇じゃないんだよ」
「そうだね。僕も受験に向けて勉強しなくてはならないから、早く帰りたいんだけど」
「じゅ、受験ってお前幾つだよ」
「16だけど?」
「お、俺と同い年……だと?」
郡野剛と不破勇は、どうやら現状を把握できていないらしい。
ここに来ただけでは最古の記録は覚醒しないか。
やはり英雄の記憶は、戦いの中でのみ覚醒るのだな。
「これは稚拙な遊戯などではない、思い出すが良い勇者たちよ。この神の間へ導かれるその切っ掛けを。現世より解き放たれ、魂の身となる前の自らを」
「ここへ来る……前? 確か、家に帰るんで電車に乗り込んで……」
「僕も学校帰りで電車に乗ってたね。そういえば、あの時何か光って……」
「ぼ、僕も……なんか壁みたいなものが迫ってきたような……」
「待てよ。じゃあ、もしかしてここにいる3人とも同じ電車に乗って!?」
気が付いたようだな。
己に課せられた数奇なる運命の円環と、それらが重なりし3点の特異点を。
「うむ、ここにいるのは同時期に同場所にいた3人である。その場所にここへと繋がる扉を開き、汝らをここへ導いたのだ」
「じゃ、じゃあ、神様ってのもマジなのかよ……」
「た、多分、ネット小説で良くある異世界転生って奴だよ」
「は? なんだそれ?」
うむ、長野金弥は既に己の使命を理解しているようだな。
それに比べ郡野剛は未だ覚醒の兆候すらないか……
「ネット上で公開されている主に一般人が書いた小説の事だよ。その中のジャンルに僕たちみたいに神様が前に現れて、全く別の世界、所謂ファンタジーの世界に飛ばされるのさ」
「はぁ!? それってアレか? 朝にやってるアニメみたいなヌイグルミが喋ったり、女の子が箒で空飛んだりするアレか!?」
「そ、それはファンシーだと思う……」
「簡単に言えばゲームやマンガの世界を想像すると分かり易いと思うよ。中世ヨーロッパ風の街並みに、武器と言えば剣、ドラゴンや魔法使いがいる感じの世界さ」
「お、おう。お前ら詳しいな……」
「パソコンやってると自然とね。ネットなんかはそういう話に溢れてるし」
うむ、不破勇は覚醒かけている途中か。
だがあまりよくない傾向だ、このままでは現世の記憶と英雄の記録の狭間で齟齬が起り、魂が魂魄崩壊を起こしてしまうかもしれんな。
だが安心するがいい、我が力の片鱗を持つことで崩壊を食い止めることは可能だ。
「分かればよい。そして、汝らに行って貰う世界には今、蘇りし魔王が率いる邪拳使いが神拳使いたちを狩り始めているのだ! 世界を救う為、勇者たちよ旅立つがよい!」
「待て待て、ただの学生の俺にそんな事できねぇよ!」
「これがネット小説なら、何か能力が貰えるというのが伝統らしいが、そういう特典はあるんでしょうか?」
「無論だ。例え汝らが伝説級の能力に既に目覚めていようと、それだけで戦えるほど異世界は甘くない。向こうの住人はそれを使い熟し、昇華し、新たな段階へ上っている者も多い。それに言語の問題もあるのでな」
転生の基本能力である成長の限界を超える力、世界の言語を紐解く力、異次元の宝物庫、そして物の真実を見抜く魔眼を与えよう。
「そして汝らにはそれぞれ3種の神拳使いの力を授ける」
「と、とら? なんだそれ」
「剛、柔、刃の3つ型をそれぞれ司る、神拳使いたちの事である」
「わっかんねぇよ!?」
「ロックは岩だね。シュトロームは分からないな。エッジは端とか縁、他にも機械刃って意味もあるね」
「3種類……岩と刃って、まさか……」
「郡野剛には剛の型を、不破勇には柔の型を、長野金弥には刃の型の能力を与える。これで邪拳使いにも対抗できるだろう」
「待てよ! 何だよそのなんちゃらって!」
「た、多分、その勝負ってジャンケンの事じゃあ……」
「じゃ、ジャンケン?」
「違う、三神拳の聖戦だ。その世界ではそれが原因で危機に瀕している」
「ねぇよ!? なんでジャンケンで世界の危機になるんだよ!」
「ま、まあ、カードゲームとか独楽で世界が崩壊するアニメもあるから、割とよくんじゃないかな?」
「そんなのあんの!?」
郡野剛を勇者に選んだのは間違いであったか?
どうやら此奴は完全に最古の記録の覚醒の芽が閉じているようだ……
「ジャンケンって……あっ、俺の剛の型ってグーの事か! 俺、パーに負けんじゃんか!」
「彼が刃の型って事は、柔の型の僕はパーだからグーには勝てるけどチョキには負けるね」
「き、きっと向こうにはそれを覆す能力があるんじゃないかな? だ、だから世界の危機に陥ってるんだと思うよ?」
「流石、最古の記録に覚醒め始めている刃の型の神拳使いだな。理解が早い」
「お、俺は頭がおかしくなりそうだ……」
「それでは3人とも、世界の危機を救うために異世界へと旅立つがいい!」
3人の足元に転送の魔法陣を展開し、魔法の光に包まれる……!
「ちょっと!? まだ何にもわかってないんだけど!?」
「異世界転生か……まさか自分がこんな体験をする事に成るとは」
「ま、まあ、チート能力も貰ったし……な、何とかなるんじゃないかな」
「なんでそんなにすぐ適応できてんだお前ら!?」
全く、最後まで郡野剛は騒がしい奴だったな。
神の間にまた静寂の時が戻ったな……
……ククク……フッフッフッ……フッハッハッハッ!
また我の神代の秘文書にまた一つ、英雄譚が増えたな!
あの3人の活躍、確と我が書き残してくれよう!
この書き方はいつもの倍疲れます……
最後まで読んで頂きまして、ありがとうございました。