第17話 猫カフェきたゾ♡ ……だがまあ何だ、猫さんに関しちゃ真摯なんでな……冗談ナシだし、今回めっちゃ短いことをここに明言させて頂きますヨ☆
「さてさて、今日はエロ研究部の皆で猫カフェきたゾ♡ ……ってハナシなんだけど、まあ、なんてーか……まあ、ウン……」
誰にという訳では決してありませんのですが、軽くウインクしつつ発言するルナが――真っ先に気にしてしまうのは、猫カフェ内の床に座り込むカヲリ。
「…………」
カヲリは、一切、微動だにしていない。発言すら必要最低限で、胡坐をかいて座り(パンツルックで良かったな☆)、軽く両手は浮かせている。
狙うは――猫カフェ内を横行する、猫達の歩み。横切るたびに、軽く毛先が、尻尾が触れ、時にはニオイをかいでいってくれる(ご褒美♡)ことすらある。
そのたびに、猫カフェ内のちょっぴり前衛的な置き物と化しているカヲリは――
「ッ。……ッ」
その感触を、全身全霊で、味わい尽くすかのように、集中する。
全神経を、体表に露出するかの如し感覚。
カヲリは、今、木になっていた――〝猫を愛でる木〟である。
「……感謝するぜ……猫に会えた……これまでの全てによ……」
(なんか渋い表情してんな~カヲリちゃん。……あーでも口の端、ちょっぴりニヤけてんネ。楽しんでるみたいでヨカッタヨカッタ☆)
納得したように頷くルナは、自分からすり寄って来てくれた御猫様の首の横を指先で撫でている。いるよね、なんか向こうからニャンコ寄って来てくれる、羨ましい人……。
ちなみに花子は、どうやら撮影に夢中の様子だ。とはいえ、マナーはしっかり守れる子である。
「……うっし、フラッシュは完全オフ、ビックリさせないよう音も最小にして……イイですわ、イイですわよ~ニャンちゃん。うちの子にも良いお土産ができますわ~……♡」
(……猫チャン、写真とか見るのカナ? ま、本人が満足ならそれでいっか☆)
ルナが納得していると、御猫様が額をぶつけて挨拶していた。なんスかその体質、代わってくださいよ。
ちなみにエロ研究部(※文芸同好会だっつの☆)の一行、お店や他のお客さんの邪魔にならないよう、あまり集まらず思い思いに過ごしていた。本当に気の遣える子達である、エロ研究部とか言い出すクセに……。
それはそうと、すみれは――いつも通り、静かに座って読書している。
……が、ルナには分かった。〝違いが分かる女〟なのである、多分。
(! すみれちゃん、いつもと少し違うわね……そう、ただ座ってるように見せかけて、意識は少しだけ外を……つまり猫チャンを向いてる! そしてお膝に絶妙なスペースを空けてる……まるでそれは、トラップ……誘いのトラップ、つまり……!)
「……にゃ~ん……♡」
(い……いったァァァ! 猫チャンがすみれちゃんのお膝の上にいったァァァ! そして静かな雰囲気が心地いいのか、そのままお膝の上でくつろぎ始めたァァァ!)
「…………ふふっ♡」
(計算通りか、すみれちゃーん! クッハー絵になるわー文学美少女と猫チャンのツーショット! ……ていうか……羨ましい、羨ましいんですケド……!)
誰かが聞いていたら〝それはどっちの?〟と議論を呼びそうなルナの心情。
……さて、この場には部員(会員?)である四人だけでなく、顧問教師である黎も引率という名目で訪れている。
そんな黎が、いつの間にやらルナの横に立ち、腕組みしたまま呟いた。
「……かつて新撰組の沖田総司は、病床の折に庭へ入ってきた猫を斬ろうとし、斬ること適わず嘆いたという逸話があるが……」
「ちょっ黎ちゃん先生、いきなりそんな渋い、しかも物騒なハナシを猫カフェでするの怖いんですケド」
「斬れなかったのは……可愛いから、だったのかもな。ふふっ♡」
「ウ、ウン、なんかその、黎ちゃん先生の納得がイイカンジのトコに着地できたんなら、ホントよかったと思うよ、ウン」
言いながら目を細めて猫を見つめる黎に、ルナは頷きつつ手にすり寄ってきた猫を撫でてゴロゴロいわせた。
結局そんなこんなで、楽しく猫カフェを堪能したようです☆




