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序
序
――千年の安寧を形成し、長らく平安を享受した時代、晏定暦。
ときの天災、「晏定の大飢饉」をきっかけに起きた「大乱ノ大戦」。
各地の「童」――まつろわぬ民たちによる動乱は瞬く間に晏定京に混乱と混沌とを招き、その平和と遊興に惚けた治世を終焉に導いた。
この一連の事件を「晏定の変」という。
長らく――公家社会の安寧の陰で虐げられた者たちによる反乱によって、千年紀の一つが完全に瓦解したのだ。
帝将・神狩家によって平定されていた世は混迷を極め。
各地で次々と分離独立が勃発。
童に限らず、もともと、神狩帝将に属さぬ地方豪族もまた、これに乗じて挙兵した。
広大無辺な和深大陸では、各地で人間の国々と、妖怪の郷と――。
その内々の藩、郡、ときには里村の単位で、戦が恒常化した。
これをもって、和深大陸はあとにも先にもない、苛烈な戦乱の世を「戦灰暦」迎えるのだった――。




