表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

新聞紙(温人、おんじん)

作者: sinohara779524
掲載日:2025/08/24

酔った、飲み過ぎだ。

いくら酒好きといえども4軒もハシゴは無謀すぎた。

途中、終電も無くなり気付けば1人テーブルでヨダレを垂らして寝ていたみたいだ。


「お客さん、もう閉めますんでお願いします」


「あぁ、ゴメン、ゴメン、

、、、連れたちは?」


「お客さんが俺はまだ飲むってわめいたんで先に帰りましたよ」


そうか、少しずつ思い出した。


勘定を払い

表に出る、寒い、初秋といっても夜中は風が薄着の衣を通り抜け、背中を丸くさせる。


どうしよう、さっきサイフを見たがタクシー代も家まで足らない。


始発には、3、4時間か

どこかに風があたらない所はないかなと周囲を見渡しながら歩いていくと左手に公園が見えてきた。


何かあるだろうと近づくと

大きな筒状の遊具があった

あそこなら風よけになるかもしれない。


暗いトンネルに入るとなかなか快適だが、やはり寒い。


暗さに目が慣れて、ドキッとした。


先客がいたのだ。


毛糸の帽子を深々被り、分厚そうに見える上着とズボンを履いている。


先客というより、常連さんかなと震えながら横目で見ていると不意におじさんとおぼしき声で


「にぃちゃん、これ意外とあったかいよ」


と新聞紙を1束、2メートル先からポイと座っている横まで下手で投げてくれた。


「こうやって体に巻くんだ」


とおじさんは器用に新聞紙を体に2重、3重に巻いてゆく。


私も真似て巻いてみた。


「あったかいです、ありがとうございます」


おじさんは軽く右手をあげてニコリとしたようだった。


風も止み、日がさして目が覚めた。


からだには新聞紙

隣りのおじさんはもういなかった。


恩人だな

私の心はあったかいまま 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
Xから来ました! 終電を逃して途方に暮れた主人公が、偶然の出来事をきっかけにちょっとした親切を受けたり、見知らぬ誰かとの瞬間の会話や気遣いを交わす―― そんなごく日常の一瞬が、じんわり心に残る暖かさと…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ