ニューフロンティア
やぁ、今夜も、どんよりとした薄ッ気味悪い妙な空気が漂う暗い夜だねー
「もう、いいっす。
クラスタとか、データベース・マーケティングだか
WEB・マーケティングだかを仕事でやってる
先進国マーケティング業務用語を勉強する気とか無いんで・・・
今、マーケティング仕事をしている人にでも憑りついて下さいよ
そういう人なら、マーケティングの歴史の勉強って事で聞いてくれますよ
こんな学生のトコに化けて出てないで
ささ、どうぞ。自分が生きていた頃にやっていたんのと同じように
マーケティング担当職務をする人のトコへ行きましょ
ささ、そうしましょ、そうしましょ。今すぐ 今すぐ
祓いたまえ、清めたまえ。はらったま きよったま」
へっへーんだ。そういう祓いの呪文はね。
修行を積んだ精神力を鍛えた人間の言霊じゃないと
なーんの効力も無いんだよねー。
やー、そっかー、気づいたかー
そだよー、マーケティング用語だよ。クラスタとか
クラスタ分類して、どのクラスタの住人に何が売れ筋商品か
どんな企業サービスが人気を誇って集客が見込めるか
というのを調査して報告するのが仕事をだったんだよ。良く気づいたねー
一番、儲かったのは都会的趣味を受け入れた田舎町には
必ず発生していた、最も裕福な居住地域を含む
ニューフロンティア・クラスタのマーケティングをしてた時だったなー
「てか、そういうトコじゃ、たいして頑張ってマーケティングしなくても
いっくらでも売り上げが騰がって、俺様のおかげだと主張するだけで
年棒が騰がったんじゃないんですか?」
そう、その通り。でもね、そういうオイシイ想いの出来るクラスタを
担当させて貰うまでが大変なんだよ。
それにイイ想いが出来るって知られると
同じマッケターとの横取り合戦になるから
実情はニューフロンティアでも
同じ仕事をする同業者には、旨味が無いヘヴィ・ブルーみたいな
誰が、どうやっても、どうにもならないクラスタって嘘を思い込ませたなー
そんな内輪駆け引きが大変だったね。うん
「なーんだかなー、それって、人として、どうよ?」
てか、横取り専門の同業者除けの方法を考えるのも仕事の内だったんだよ
それと・・・ 人じゃねえよ。”街の魂”だよ。
「いや、その当時は生きてて肉体がある人間だったんでしょ」
そうだけどね、今、思えば、あの頃から彷徨う魂みたいな人間だったかな
存在感が無いというか、目立たないように仕事をしてたというか
自分以外の誰かに言わせたり、行かせたり、思い込ませたり
同じ仕事をしていて目立ちたがり屋がいると
何故か同業者の罠に嵌って仕事を、やめざるを得なくなってたからねー
自然と、忍者のように目立たないように、仕向けるのが仕事
という ポ リ ス ィ ー な人が残ってしまったから
なんてーかなー、たとえばだ
たーくさんクラスタがある中で、宝くじ購入金額上位5クラスタは
ヘヴィ・ブルー・ワーカー
オールディーズ・レガシー
ダーティー・オールド・ワーカー
サクセス・シルバー
メルティングポット
投資口座を持っていて取引金額上位5クラスタは
ニューフロンティア
富裕インテリ
都心豪華マンション
名門富豪
郊外ニューリッチ
というくらいに同じ金を突っ込んでヒトヤマを当てようって事を
やるにしてもクラスタによって違ーう
投資口座の取引金額 最下位な、ヘヴィ・ブルー・ワーカーの人間に
株の話をするくらいに馬鹿げた話。
ってな例えがあるくらいだ
「え? そのココロは?」
所属している群衆心理レベルで無関心な事に関心を持たせようとしても
労力がかかるだけで時間の無駄ってな意味だったのかな。たしか・・・
「実際のトコ、名門富豪より富裕インテリの方が取引量が多くて
富裕インテリより、ニューフロンティアにいる人の方が取引量が多い
て事は?」
そうだねー、”無能な働き者”というか、”やりたがる下手くそ”
といった感じで取引量が多いだけなんだろうね。ニューフロンティアの住人は
でも証券会社の営業とかは、自分の営業成績のために
言いくるめられそうなニューフロンティアの住人の所へと営業に行ったり
電話でセールス・トークを話したりするワケだったんだろね
「んで、ヘヴィ・ブルーには宝くじ売り場が設置されたってワケっすか
ちなみに ヘヴィ・ブルーにいる住人に人気があるのって、他には?」
ネット検索でもしてみればぁ
「そっすね・・・・えーと
自動車の維持費を負担できない人が多いからという理由での鉄道旅行
先進国の高い医療費を払えないという理由での応急治療薬
ううーむ・・・・?」
ヘヴィ・ブルー・ワーカーの住人にならないように頑張ろうって気になった?
「はい」
せめて、ニューフロンティアの住人くらいに、なりたいなあって?
「・・・ん? はい? ・・・はい」
といったトコで
なんかニューフロンティアを語るつもりが
いつのまにか、ヘヴィ・ブルー語りになってるから話を戻そう
ニューフロンティアが先進国内クラスタで一番な部分って何だと思う?
「なんすか?」
楽観主義指数
この国は良い方へ向かっている
って考える人間の割合を示す指数が先進国内で1番高いんだよね
なので逆に悲観主義指数が世界一な国へ
ニューフロンティアが何故に楽観主義指数が高いかを調べて
”我が国は素晴らしい方向へ向かっている素晴らしい国”
と国民を妄信させるために、ニューフロンティアの統治システムとか
インフラシステムとかをフルセットで輸出した。スゲエだろ
「悲観主義指数が世界一な国へ?
で? その国って、どうなったんですか?」
最初は国民が自分の国は素晴らしい、完璧だ。と妄信した
その群衆心理操作も可能な電子政府システムによってね
でも数年が経過して実は虚像だったって知る事となった
すると、どうなるか? どうなったと思う?
「クーデターでも起こったんですか?」
そ、正解。依頼した政府が作り上げた虚像が国民にバレて
楽観主義指数の反動で、同じくらいの悲観主義指数が発生して
軍がクーデターを起こし政府を打倒した
まあ、その頃には、電子政府システムを輸出して
開発費用として金は貰った後で
システム運用は自分達でやるってんで
関係者が全員、引き揚げた後だったから
どうなろうが知ったこっちゃ無かったけど
亡命してきた政府関係者が文句を言いに来たねー。
「その時の内心の本音は、なんだ殺されなったのか、だとでも?」
よく、わかってるねー。
なんだ自分が生き残るために色んなモノを使ったかーとも言ってたね。仲間が
で、言いくるめて、なだめる言葉を考えた
システム運用次第で、どうとでもできたのに
運用する人間に払う金が無いから
自国の人間で運用するって言ったじゃないですか
そして電子政府システム運用に失敗したんですよね
電子政府システムの常識を説明して納得させられなかった上に
発生した国民の不満を調整できなかったワケですから
仕方ないじゃないですか、もう今更。
それより、これから、どうするかを考えましょう
というような言葉で言いくるめたのかな
今、想えば、よくなんとかなったよね。
「本当っすね、国と国の力関係で立場の弱い国だったんですか? その国
じゃなかったら、国際裁判所に訴訟を起こされたのでは?」
いや、システム常識説明とシステム運用は自分達の責任で遂行します
もし失敗しても自己責任として訴訟を起こしません
って契約書に明記されてるから、それは無かった
てか出来ない仕組みになってた。スゲエだろ。天才だろ?
「はい、そうですね。凄いですよ天才魂様。
といったワケで、そろそろ眠るんで」
そっか、じゃっ、おやすみ