マッピー リバイバル
「で? マッピータウンが何故に復活したんですか?」
なんでか? かあ。どうしてだろうなあ
流行は巡り巡ってリバイバルすると言うし
自分とかが肉体があって人間の労働者だった頃の記憶じゃ
人間の欲望とか上昇志向とかはキリが無いという事だし
我が国じゃ廃れたけど、先進国じゃマッピークラスタは
才能ある成功者によって反映していたから
失敗したと認めたくない上司様とか地域産業振興担当の役人様が
御前等、この過去の遺物をなんとかしろって
俺等に投げてきたからね
繁栄している本家の先進国のマッピーを必死で研究させたわけ
マッピー発生から10数年が経過して、
本家先進国のマッピー地区は、クラスタ分割して変化してた
若い田舎住民地区
大都市郊外のマッピークラスタから離れ地方都市の住民によるクラスタ
大都市居住者でなくても仕事が可能な職種の人々が流入した
ジェントリフィケーション地区
都市住民による地域向上化運動が盛んになったクラスタ
子供が出来て一緒に子育てをする人々との地域活動をするようになった
ファミリー層などによって形成された
ニューカラーマンション地区
ワーカーでもホワイトカラーでもないサービス産業専門職向けの
シングル用の マンションやタウンハウスを不動産業者が建設した地区
マッピーの内、プログラマー、医療専門職、弁護士などが流入
郊外隠遁者地区
マッピーと一緒に仕事をした高齢者。何かに例えるなら・・
プロリーグの監督やコーチ、オーナーや球団経営者、球団職員のような
現役プレイヤー以外な人々が、引退したプレイヤーと一緒に
たまに評論や解説をしながら郊外で隠遁生活をする
といった生活スタイルな人々によるクラスタだな
そうこうしている内に、インターネット・ハイウエイ構想という政策とともに
後にドットコム・バブルと呼ばれる好景気が発生して
雨後の竹の子のようにインターネット関連ハイテク新興企業が現れて
巨大に成長する見込みのある新興企業に投資すれば儲かるのではないかと
ベンチャーキャピタル会社なども集まって、それらのクラスタに流入
先進国のシリコン・バレーやワイヤレス・バレー
航空宇宙業界の企業城下町に隣接するハイテク団地
はては、軍用セキュリティ通信や、軍用通信衛星などを扱う
軍関係者だけが集まるハイテク軍需産業
それらの都市の近くに今まで無かったクラスタが発生した。
で失敗した残骸の中でも、バブル崩壊の象徴みたいになって
もう、どうにもならないのは損切りして諦めるとして
まだ、なんとかなりそうなクラスタで頑張る事になってしまったワケだ
「で? なんとか、なったんですか?」
ああ、都市再生案件「開発センター」とかいう
投資案件をデッチアゲて、出資企業を募って
マッピータウンを都市計画で創ったものの
衰退して行き場の無い失業者が滞留する廃墟になってしまう前に
なんとかして都市リフォームをする必要にせまられていた
地域産業振興を担当する役人を抱き込んで
ある年の10月、ドットコム・バブルに沸き立つ先進国を訪れて
年度始でのプレゼンや、各種展示会が開かれる会場で
ワイヤレス・バレー企業と関わって
有線の通信網では無く、ワイヤレス通信網を国内に整備して
モバイル携帯電話網と、モバイル携帯電話によるインターネット
その産業を担うプログラマーを育成してみては、どうでしょう
まずは、我が国のワイヤレス・バレー会社の
プログラミング・デバッグをする下請けのソフトウエア製造作業会社を作り
そこで働くプログラマーを育成する学校を設立してみては?
という産業振興案件プレゼンテーションを全面的に受け入れて実行に移して
ドットコム・バブルと今になっては呼ばれているけど
当時はハイテク産業を核とする好景気とか呼ばれていた
好景気が続いている間は、なんとか、なってたな。
ニューカラーマンション地区というクラスタを作り上げて
不動産開発会社が、新産業新興都市の開発に協力する事になって
モデル地区にしたのは、先進国ニューカラーマンション地区でも
若いプログラマーや、その見習いなデバッグ・テスターが集結する
やや安いアパートが林立する地域
多くのユーザーが利用する人気ソフトウエアをデザインするエンジニアや
各種権利取引をする有能な弁護士などの
高い年棒を会社から受け取っている人々が暮らす豪華マンションは
その発展途上国には色々な意味で建てても意味が無いだろうと判断して
政府関係者との打ち合わせで国の感覚にあわせて改装された
タウンハウスとアパート、そして都市開発スタイルを輸入した
次から次へと製造販売される携帯電話の新機種を
昼も夜も無く開発予定時期までに製造作業を完了させるために
作業場でプログラミング&テスト作業をする
先進国に比べれば安い人件費で使えるプログラマー
それらのプログラマーの担当作業項目や作業手順指示をして
進捗状況を把握して管理職や発注元に報告する
少しだけ高い報酬を受け取る チーフプログラマー
それらの人々を雇って発注元との交渉をする管理職
大体3階層ほどに住民は別れ
管理職が居住するタウンハウス
プログラマーが、荷物置き場で仮眠所として利用するアパート
クラスタ内は、大雑把に2地域に分かれて
ドットコム・バブルが世界的な流行となっていく中で数年が経過
その国の ニューカラーアパート・タウンも人口が増えて巨大化していって
これで大丈夫だろうって空気になったんだけど
ドットコム・バブルを発生させた先進国大統領が
ドットコム企業が支援していた大統領から
名門オールドエコノミー大企業が支援している大統領に交代したら
ドットコムバブルが崩壊してな、クラスタ構成が変わった
当然、我が国にあるクラスタも現行のままじゃ維持できなくなった
ニューカラーアパート・タウンへのソフト製造作業依頼が減ったから
もっと人件費が安い国へソフト製造作業を丸投げするようになったんで
「開発センター」もう、その頃には「デバッグ&テスト・センター」
って呼ばれてた投資案件は続行不能だなって事になって・・・
「という事は? またシステム投資案件をデッチあげたとか?」
そう。正解、都市再生案件「ユーザーサポートセンター」とかいう
投資案件をデッチアゲて、出資企業を募った
ソフト製造作業が無くなったワケなのだけれども
世界的に人気のあるソフトを作るのは先進国だったので
自国に輸入して国内企業がユーザーとして導入してくれそうなソフトを
先進国へ行って探して、自国へのローカライズして販売する権利を取得する交渉
その人気のあるソフトの先進国英語で表示される画面を
自国の言葉で表示されるように修正する作業
先進国商習慣に基づいた書式で書かれたマニュアルを
自国の商習慣向けに翻訳したりするマニュアル書き直し作業
国内企業向けソフトとしてリリースした後のユーザーサポート
ユーザーからクレームが入った現象の再現テストをしての原因調査作業
原因をソフト開発元に連絡して修正パッチリリース交渉
修正パッチが有効なものかを確認作業をするオペレーター
といった作業をする労働者を募集したんだよね
余剰人員になったデバッガーやテスターの中から
まだ若いから、今から訓練して新しい技術トレンドを受け入れて
やってける人間は、ある程度の人数いるだろって判断で
結果、あるレベル以下なので仕事が無くなった人が
どの作業項目の、どの職種でも いいから、働かせてくれと殺到した
実際に作業項目を消化できる能力のある人は少なかっけど
何人かは、なんとか作業項目を消化できるようになって
ユーザーサポートをするデータセンターが建設され
プログラマーからユーザーサポート要員に転職した人間や
通訳からマニュアル・ライターに転職した人間が格納され
ネオ・ニューカラータウンが出来上がった。
「”街の魂”になる前の、たまさんも
マッピークラスタの住人だったワケすか
いつ、街の魂に、なったんですか?」
そう肉体があって若い労働者だった。
先進国で不動産バブルが崩壊して
不動産債権暴落で金融危機が発生して
ありとあらゆる投資案件が中止になったり
続行不能になったりして不景気になって
ユーザーサポートセンターも
もっと安い人件費の国へと移設され出した
でも数年が経過して2年後だったかな
景気が復活して雇用も復活して
全てのユーザーサポートセンターを海外へと移設したワケでは無く
データセンターが、特定地域では運営されていて
そこで労働者として働いてたんだけど
ユーザーサポートセンターが建設されていたクラスタで
1000年に一度の巨大地震が発生してね
肉体が滅んで魂だけの存在になって
何故か学園都市の、”街の魂”になって漂っている
「歴史映像で残ってますからね
いろんな大企業の企業城下町が壊滅状態になって
インフラとかが津波の直撃を受けて破壊
近くにあった原子力発電所が電源喪失して
メルトダウンを起こして周囲が居住不能地域になって
放射能汚染により、地震被災地域からの退避命令が
グローバル企業の各社に出て、外国資本が引き揚げ
といった大地震の記録は」
そう、魂になってから聴いた
生きていた時にいたマッピークラスタは消滅したと
運営続行が不能な状態になって
ユーザーサポートセンターは全面的に国外移設
システム投資案件「ユーザーサポート」も完全に中止されて
クラスタだった所は、誰もいない廃墟になって
その頃にクラスタにいた生き残りで金を持ってた人間は
不動産転売で転がし商売ならぬ、会社転売商売をやる
ギャンブラーになってしまって
そこで勝ちぬけた人間が富裕インテリクラスタの住人になれて
栄華を誇って、”偉大なる勝ち組な俺様の人生”を
会社史として下僕や従僕に語って賛美させているらしい
今では忘れさられ、今や誰も覚えていないだろ
語る人がいても、”どうでもいい過ぎた事を何故に言う”
と不思議そうな顔をされるだけだろ?
「そうですね、一部の歴史ヲタが知っているくらいで
普通の人は知らないでしょうね」
グルっと歴史が一周して、街の魂や住人の涙ぐましい努力により
またしても、マッピークラスタは再評価されているワケだ。
「またしても、って、
”おのれ、またしても、正義の味方侍にやられた”
とかいう時代劇の決めセリフじゃあるまいし
てか、使い方、おかしくありません?」
いーんだよ。なんとなく
”またしても”って言葉を使いたくなったから使っただけじゃ
言葉なんて使いたくなった言葉を使えばいいんだよ
今夜は長くなったね。 じゃっ、またね
「邪魔た寝」
ん? なにかな。なんか悪意を感じたが
「いや、気のせいっすよ。崇高な魂様」