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悪役令嬢は穏便に別れたい  作者: もののめ明
幕間

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23/51

マティアス(4)

たくさんの方からブクマや評価をいただき、ありがとうございます!

おかげさまでランキングの上位にも入ることが出来ました。感謝、感謝です。

ということで、御礼の話をUPいたします。

夏休みから断罪までをマティアス視点で。

(全4話?もしかしたら5話になるかも??おまけ話なのに多すぎ……。一応、毎日更新予定です。一気に全話上げられないんです、まだ書き終えていないので…)


ひたすらマティアスが「ロクサーヌ可愛い」を連呼する話(笑。

 居ても居なくても気にならない……としか意識していなかった婚約者が、実はすごく可愛くて魅力的だと突然、気付いた。

 しかし、それに気付くのが遅かったらしい。俺は今、それまでの塩対応のツケを払わされている。

 会おうとしても───完全に相手に避けられているのだ。

 悪友のヒューゴに相談しても、自業自得だと冷たい答えしか返ってこない。ああ、分かってる、そんなことは!

 それでも、なんとか挽回することは出来ないだろうか?


 ある日、街への買い物に付き合えとヒューゴが言い出した。

 ヤロウと2人で買い物へ行って何が楽しいんだ、さっさと1人で行ってこいと返すが、首根っこを掴まれて無理矢理、連れ出される。

 憮然としながら歩いていたら、ロクサーヌと出会った。彼女も街へ買い物に行くらしい。……あれほど会おうと思っても会えなかったロクサーヌ。まさか一緒に買い物へ行くことが出来るとは。こんな偶然は大歓迎だ。

 しかし、街に着く直前でわざとらしくヒューゴが帰ると言い出して、はたと気付いた。

 あいつ、謀ったな。

 これは……しばらくあいつに頭が上がらない。


 さて、ロクサーヌと2人になったものの、ここからどうすればいいのか。難題だ。

 とりあえず、最初のデートのやり直しをしたい。ヒューゴに、屋台で買い食いした話をしたら、そんな色気のないデートはあるかと怒られた。女子とは、ちゃんとお洒落なカフェで食べなければいけないらしい。あと、アクセサリーなどをプレゼントしろとも言われている。かなり緊張してデートのやり直しをしようと提案し、手を繋ぐことまでは出来た。嫌がられていない……ので、少し安心する。

 手にぎゅっと力を入れると、目元が赤くなって俯くロクサーヌが可愛い。


 まずは文房具の買い物をした。

 本当にいるのかどうだか、ヒューゴに頼まれたものを買う。

 ふと、ロクサーヌが店頭のガラスペンを熱心に見つめているのに気付いた。

「欲しいのか?」

「いえ、綺麗だなと思っただけで……」

 言いながら、まだチラチラとガラスペンを見ている。その様子がまた可愛い。

 せっかくだから、揃いのペンを買おうと言ってみた。ヒューゴにはアクセサリーを買ってやれと言われていたが、ロクサーヌがアクセサリーを身に付けているのをあまり見た覚えがない。それより、本人が欲しがっていて、日常的に使う物の方がいいんじゃないだろうか。

 ロクサーヌはしばらく逡巡し、やがて金と翠の螺旋模様のペンを手に取った。

 ……俺の、色。

 俺に気を使って、その色を選んだ訳ではないよな?

 嬉しくなって、俺はロクサーヌの色のペンを選んだ。ロクサーヌはまた赤くなって俯いた。

 うう、抱き締めたい。

 

 文房具屋を出てすぐに、自分も買わねばならないものがあったことを思い出した。ロクサーヌ同伴でどうかと思いつつ、武具屋へ行く。

 剣の手入れ用具を購入している間、ロクサーヌは物珍しそうに店内を見て回っていた。そして店頭の剣を危なっかしい手付きで持ち上げて、目を丸くする。

「こ、こんな重いものを持って戦うのですか?!」

 俺は4~5才から剣を握っていたので、正直あまり重いと感じたことがない。

 だが、学院に来て剣技を始めた者には重いらしい。ヒューゴなどは、そういえばフラフラになっていたな。「僕には魔法があるから剣技なんて必要ないのに、なんで必修なんだよぉ」とボヤいていたことを思い出す。

「わたくしでは、持って歩くだけでヘトヘトになりますわね。マティアス様、すごいですわ」

 ロクサーヌからの思わぬ称賛に、つい、顔が綻んでしまった。

 さらに、おずおずと二の腕が触られる。ロクサーヌから俺に触れてくるなど、初めてだ。しかも、本気で感心した顔で筋肉を見ている。

 うわぁ……これは予想外に照れるな……。もっと上腕二頭筋を鍛えておけば良かった……。


 その後は話題の店で昼食を食べた。

少し物足りない量だと思っていたら、ロクサーヌが自身の皿から肉を半分、俺の皿に分けてくれた。

「わたくしには多いので、マティアス様、食べてくださいます?」

「ああ……」

「ふふ、王宮でこんなことをしたら、怒られてしまいますわね」

 怒られていいから、毎日、こうやって食べたい。幸せだ。

 肉のお礼に、ロクサーヌが目をキラキラさせて頬張っているパンケーキを渡すことにした。

 半分食べてくれと言ったら、嬉しげに頷く。コクコクと何度も頷く姿は、いつもの俯き加減なロクサーヌとは全く様相が違う。なんてことだ、ロクサーヌの可愛いが止まらない……。

 もっとその可愛さを堪能したくて、俺の手からパンケーキを食べさせる。

 目元を赤くさせながら、ロクサーヌは素直に口を開いてくれた。恥ずかしげに食べる姿は、国宝級だ。

 唇に付いたハチミツを指で拭ったら、驚くほど唇が柔らかかった。

 はあ。もっと……触れたい…………。

こちらの話を面白い!と思っていただいた方は、もしまだ読んでいなければ『ピュアな少女、悪女に転生する』も読んでみてください。そちらものほほ~んと笑える話になっています。

ただ、1人称書きでなく固めの文章で書いているので、最初は少し読みにくいかも?

でも2話か3話あたりから面白い展開なので(個人的には4話目)、ぜひ……!

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ミーティアノベルス様より、電子書籍化です!
第1巻:2025/03/06~
第2巻:2025/04/03~
「悪役令嬢は穏便に別れたい」
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第1巻では、ロクサーヌとマティアスの出会い編や、マティアスの女子寮忍び込み事件の詳細を書き下ろしています
第2巻の書き下ろしは、ロクサーヌとマティアスの愛(?)の交換日記などなど
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