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繊維工場改造プラン その④ アークライト型紡績機 改良

ジェニー紡績機を改造して均質で太い糸を作れる様にします。

ただし、高価な細い糸は作れません。

設備をちょっとづつ改造していく事で弱点を克服して

量産性と品質を高めていきます。

実は現代にも通じる細い糸を紡ぐ紡績機は

ミュール紡績機、リング紡績機以降になるのでもう少し先の話になります。

その頃には蒸気機関や鉄鋼などの大量生産技術が開発されて

イギリスが世界を制覇する原動力になりました。

さて次はジェニー紡績機を改良する。

アークライトが追加した機能をつけるのである。

しかし動力を水車と固定するのは構造上、貧弱な設計なので無理である。

当面は手動で使う分には変更出来ない。


安価で普及したジェニー紡績機であったが弱点がいくつかあった。

アークライトが紡績機に追加したのは水車だけではなく

設備や構造を見ると色々と改造が施されている。

有名なのは、


・ジェニー紡績機では糸の太さが安定しないため、低品位グレード

⇒3対のローラーによって粗糸を引き伸ばす機構で太さを安定化し、

 フライヤーの回転によって糸にねじりをかけて

 ボビンとフライヤーの直径および回転差を利用して糸を巻取る構造


このローラーとフライヤーとボビンは過去に発明された構造であるが、

アークライトは改良として組み合わせて使った。

この事により均質的にねじりを入れてボビンに紡ぐ事が可能になったのだが、

売価の高い高品質グレードの細い糸を作る事が

ギアによる強い力で切れてしまい出来なくなってしまった。

この弱点はミュール紡績機によって初めて機械化が可能になったのだが、

複雑な動作の為、熟練工で無ければ製造出来ず

リング紡績機にとって変わられる事になるのだが。



「構造上のスペースの関係で、ジェニー紡績機では取り付けが難しいが、

 試験的にバラしてローラーやボビン、フライヤーを付けてみよう。」

「それはうまくいきそうなのか?」

「理屈では大丈夫なはずです。お父様。」

「そ、そうか。それは頼もしい。」



といってジェニー紡績機を1台を借りて部品を取り付ける。

実際のアークライトの紡績機は水車で動かしているので、

多数のギアで回転数を制御させている。

かなり複雑な構造になってしまう。

しかしデータではアークライトの水力紡績機は

ジェニー紡績機と比べコストは変わらない結果だった。

なので、水力紡績機を急ぐ必要が無かったというのは未来知識チートである。


実はより高価な細い糸が作れる

次世代型のミュール紡績機を作りたいのだが、

構造が複雑になるので新規に作り直す必要があり、

部品とお金と時間がかかるので次の機会にする。

お父様に少し資金援助してもらおう。

その際には水力か蒸気機関の紡績機を作れる様になりたい。

産業革命が革命と呼ばれる事になった切っ掛けの一つとして

インド産高級グレードが非常に安価なコストで大量生産できる様になった

ミュール紡績機が存在していたのである。


「どんどん紡績機は改良されていくな。

 糸の質もあがり、生産性も良くなっていけば

 皆が大量に作り出して

 最後には繊維の値段も暴落するかもしれないな。」


お父様が呟く。


「そうなったら新しい産業を立ち上げましょう。

 衣食住、繊維は人の数だけ必要ですが、

 余暇が出来てお金が貯まれば色々な物が欲しがるものです。

 そうやって沢山作って沢山儲ければ、

 国も国民も豊かになって幸せになれるはずです。」

「そうなると良いな。」

「砂糖を使って美味しいものを食べたいですし、

 コーヒーや紅茶を飲んでくつろぎたいです。」

「贅沢な願いだな。

 遠からずそういう時代が来ると良いな。」


まあ、豊かになった先に戦争が待っているのですが・・・


「神様が、こうやって商売で稼いで儲けて豊かになる事を

 許してくれるのかな・・・」

「お父様・・・」


お父様が呟く。

この国の宗教は清貧を理想としていて

商業ギルドを悪と考える人が多いのだ。

国家や領地運営を是とする殿下と伯爵様は例外として。

資本主義の考え方が定着するには相当先になるだろう。

この後に、宗教との長い戦いが各国で始まるのだが

この国では避ける事が可能であろうか、と

それは別の物語の話である。

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