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マクデブルクの半球と真空ポンプ

マクデブルクの半球の実験を再現しました。

大気圧を利用することで大きな力を再現します。

蒸気圧へ応用することで動力源になる事へ進化しました。

理科の実験でも環境が整えば現代でも教育に使われています。

そろそろ蒸気機関にも着手したい。

でもその前に必要なのが、マクデブルクの半球の実験と真空ポンプ。

大気圧と真空の力を見せないと教授には伝わらない。

この実験があって、後にボイル-シャルルの法則が成立した。


マクデブルクの半球は1657年にオットー・フォン・ゲーリケが

行った真空環境と大気圧の実験である。


実験は実験に過ぎないのだが、

これは産業革命になる前の革命的な実験。

ここで真似してもよかろう。

という事で真鍮で作ってもらった半球と

簡単な手押し真空ポンプを作って実験する。

オットー・フォン・ゲーリケが作った真空ポンプは詳細な情報が

よく分かっていないので、クランク式の簡単な手押しポンプを作成。

クランク式のポンプとは、

荷重で片方に閉まる弁を2つ用意して、クランクシャフトを押すと

空気が圧縮されて外に排出する。

クランクシャフトを引っ張ると空気が薄くなって

大気圧差から半球の中の空気が引張り出される仕組み。

空気のリークを防ぐ為にパッキンが必要。

ポンプを応用した仕組みである。


「この実験をやると空気の力が説明できるのか?」


教授が質問する。


「真空は存在しますし、空気の力も存在します。

 その大気の力は有限ですが物を動かす動力になります。

 圧力をポンプでコントロールする事で

 水力に頼らずに動力を得る事が出来ます。

 これはその実験です。」

「・・・興味深い話だな。」


教授に返信する。

多分、教授の頭の中にいくつかのイメージが湧いているに違いない。


真空ポンプを半球に繋いで空気を抜く。

人力によるポンプの往復作業。

これ結構辛い。

水車を使えば良かったな。


「エリオス君は本当に力が弱いですね。

 私が守ってあげる。」

「汝は本当に貧弱じゃの。」

「エリオス様は私が鍛えてあげまする。」


・・・お前ら何故そこにいる。

ここは教授の研究室じゃなかった、大学の広場。

目立ちますわな。


「エリオス君が午後は教授の研究室に向かっていると聞いたのです。」

「汝は午後、夕方は研究室に向かうからじゃの。」

「エリオス様は私達を放置して大学にいると聞いて

 ついてきました。」


まあロザリーナお嬢様とは研究室に行ったから

バレていますわな。

そしてここは大学の広場。目立つ。

仕方がない。


「・・・。これから実験をやるので離れていて下さい。」


この傍観者達を諦めました。

いないものとして実験します。

ポンプでガンガンに空気を引っ張ると

真空になっているかは圧力ゲージが無いので分かりませんが

それに近いだろうと推定して半球を引っ張る。

よしよし、ちゃんと固まっているな。


「教授、しっかり固まっています。

 外れません。空気がちゃんと抜けている証拠です。」

「うむむ、確かに圧が掛かって外れない。

 真空は確かに出来ている様子だ。」

「これを引っ張って外しましょう。

 これが外れる力が大気圧の力です。」

「よし、馬に引っ張らせよう。」


教授の合図と共に半球を繋いだ縄を馬で引っ張る。

びくともしない。

史実通り16台の馬で引っ張ってようやく外れた。

素晴らしい実験結果だ。満足。


「「「おおー、凄い。」」」

「うむむ、大気圧の力はこの半球の面積で馬16台分か。

 凄い力だな。」


教授が呟く。

20,000 N (2.2 short tons)だそうな。

この実験で分かった事は色々あるが、ポンプで減圧を作ることで

動力になるという事。蒸気機関もそれを応用している。

これからは石炭の時代がくるであろう。

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