宗教行事? ナインピンズボーリング
エリオス君がウィルエルさんを探していると、
神父の皆さんが遊んでいるもとい宗教行事をしていた。
悪魔に見立てたピンを立てて、それをボールで倒すゲームだ。
「ほう。ボーリングですか。
面白いですか?」
「宗教行事ですからね。
・・・実は面白いです」
そう現代のボーリングに似たゲームである。
ボーリングというピンを倒すゲームは宗教事として古代からあって、
現代のボーリングに近いルールを決めたのは16世紀の
なんとあの宗教改革のマルティン・ルター氏らしい。
当時の宗教家に大人気だったそうである。
当時は9本のピンを倒すルールとしてナインピンズボーリングと呼ばれた。
ちなみに現代の10ピンボーリングはアメリカで成立している。
エリオス君からみたらこれは盲点だった。
確かにピンとボールと床があればボーリングというゲームは成立する。
原始的な道具だけでも楽しめる。
問題はルールだけであった。
「現代風のボーリング。
確かにこれは良い娯楽になりそうですね。
素晴らしい発見です」
「現代風???
どう言う意味ですか?」
「ええとですね・・・」
現代風ボーリングのルールをウィリエルさんに説明する。
きめ細かいルールに驚くウィリエルさんであったが、
慣れれば面白いものである。
時間の問題であった。
「ボールを取りに行くのが面倒なので、両脇にガーターを掘って・・・
ボールに指が入る様に穴を開けて・・・レーンの長さは・・・」
「なかなか奥が深いんですね。エリオスさん」
「ウィリエルさん。競技性を高めましょう」
「一応宗教行事でありますけどね」
ウィリエルさんにボーリングを遊んでもらう。
関心のある宗教家が集まってきた。
ルールが複雑になった分だけ競技性が上がっている。
慣れれば盛り上がるだろう。
「ほう。汝は何やら新しい遊びをしておるのか」
「アタシも混ぜなさいよ。エリオス君」
「もう見つかってしまいましたか・・・」
ロザリーナお嬢様とニーナさんにもボーリングを見つかってしまう。
まあ時間の問題であっただろう。
細かい事を考えずに遊ばせて競わせよう。
ちょうど良いサンプルである。
「ガータです」
「難しいの」
「練習しましょう」
「アタシの番」
「・・・ストライクです。上手いですね」
「えへへ」
こうしてアナトハイム伯爵家を中心にナインピンズボーリングは
ちょっとしたブームになるのであった。