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トーマスさんと今後の製鉄業

次回の続きでトーマスさんです。


「俺の事か。・・・そうだな。

 まずギルド長のテオドールさんとは付属学校以来の付き合いだ。

 それと今は商業ギルド担当の、そうだな。役人だ。役人。

 国に商業事情を調査する仕事をしている。みたいな感じだ。」

「そうですか。」


なんか急に話が凄く怪しくなったんですけど。トーマスさん。

嘘をついているのバレバレなんですけど。

これはどこかの貴族か高官だろうか。

ツッコミを入れてみよう。


「役人さんならそうですね、陛下や宰相閣下にこの国の

 食糧事情の課題を伝えて頂けませんかね?

 この国の経済成長の急所です。」

「う、うむ。分かった。」


本当に理解しているかな。

トーマスさんは放蕩貴族みたいな感じにも見えなくもない。

だっていつも会うし。


「それとトーマス様。

 この国の鍛冶ギルドでは製鉄需要を満たせません。

 早急に製鉄業の立ち上げが必要です。

 機械部品、武器、蒸気機関、鉄道などなど。鉄と鋼が必要です。

 陛下の富国強兵には製鉄業が最優先です。

 高炉の建設には膨大な資本が必要です。

 国家が資本を融通して頂けないでしょうか?」

「う、それは即答できんな。

 何しろ俺には財務の権限が無い。

 しかし製鉄業の立ち上げが重要なのは陛下に伝えよう。」

「それに製鉄業の立ち上げには木炭では限界があります。

 直ぐに禿山になってしまいます。

 石炭が必要です。鉄鉱石も。

 鉱山の開発を加速させて下さい。」

「・・・・。」


一応お願いしてみる。

まあ、未来の話なんて分からないかもしれないが。 

もし他国のスパイだったらそれはそれ。

もうここには来ないだろう。


「まあ、坊主の言う事は進みすぎていて理解が追いつかない。

 確かに武器は殆ど鉄器と真鍮と青銅器だ。

 我が国が強国になるには当然必要だろう。

 しかしそんなに簡単に技術が出来るかどうか。」

「そこは大学があるので問題ないです。

 技術問題は研究所で対策すればよいはずです。

 その為の理工学科です。」

「大学か・・・。確かに我が国の知の集約であるが。

 研究成果がな。予算にも限りがあるし。」


適当な話の都合合わせに大学を出す。

まあこの名前を出すと一般人ならイチコロであろう。

象牙の塔と呼ばれない程度に頑張ってもらおう。

後日、この話が巡り巡って教授に呼び出される事になるが

自分に跳ね返ってくる事を全く想定していないエリオス君だった。

蒸気機関もその時にエリオス君のゴリ押しで研究テーマに追加される事になる。

今回はトーマスさんと製鉄業の話。

トーマスさんがどこかの貴族と想定して色々な話をねじ込もうとしています。

また大学へのコネがあるかどうかをチェックして

研究テーマに採用されるか否かを探っています。

今回はその最初の一歩です。

もちろん、後日エリオス君の大学の研究室へ伝わって

自分に跳ね返ってくるのですが将来のネタになります。

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