ロイスター帝国大学付属学校の選抜試験
ギルドに行って次の日。
ロイスター帝国大学付属学校の選抜試験である。
早速幼馴染のニーナさんと一緒に、学校ヘ向かう。
「エリオス君、一緒のクラスになれると良いね。
絶対だよ。アタシ本当に頑張るから」
「僕は最低クラスで良いので、ニーナさんはトップのDクラスでしっかり頑張ってね」
「ヒドイ!
アタシは本当に頑張るって言ってるのに。
ね。一緒のクラスになろうよ。絶対楽しいよ」
勿論、いつもの嫌がらせをするエリオス君である。大人気ない。
しかしめげないなー、この娘も。と心の中で思ってしまう。
いつも飽きない反応である。
エリオス君の本音としては製造業を立ち上げたいので、
この国の子供レベルの学問に実はそれほど興味が無いのである。
むしろそこにつぎ込む時間が勿体無い・・・という背景でもあった。
確かにエリート学校で友人つまり人脈を作れ、とも言うだろうが。
で、学校の受付。
実に立派な学校である。流石王都。
「新しい留学生の方ですね。
選抜試験を行いますのでこちらの教室まで移動して下さい」
受付のお姉さんに案内されて、試験会場に入る。
選抜試験はかなり難しいと聞いていた。
何故なら色々な年齢の人が試験を受けるので、
学識の高い人向けにかなり難しい問題を集中させているそうな。
正直、現役の大学生にも解けない問題も入っているそうであった。
試験開始。
まず語学。なんとか頑張るエリオス君。
数学。・・・え?普通に高校生レベル?
これ子供には絶対解けないだろう。というか大学生も14歳からのはずと思うエリオス君。
異世界人には簡単だが、この時代背景を考えると超難易度高いのではないのか?と。
物理。簡単なニュートン力学程度なので超余裕である。まだ電磁気やベクトル解析もない。
次、神学。勉強した所を解いて後は前世での歴史の内容を入れてみる。
軍事学。こんなのあるのか。
これはハンニバルとローマのカンナエの戦いに似てる。
これは有名なので直ぐ分かる。
あとはカエサルのガリア戦記に似てる。これも読んでいれば分かる。
農学。これは未来知識の方が圧倒的に強いので難なく。化学+生物みたいであろう。
エリオス君はこめかみにシワを作りながら問題を解く。
・・・これ子供には無理でしょう、と。
いやこの世界の14歳大学生にも無理である。
どういう基準で作られているのか?疑問にしかエリオス君の頭には浮かばない。
いや多分大学教授が自分の趣味で作っている。
多分、普通の学生が解ける事を全く前提としていない。
良くある前世の大学の定期テスト並みである。
ダメじゃん。
この世界こんなので良いの?
という訳で選抜試験は終わった。
これやる意味あるの?
なんてエリオス君は思っているとニーナさんが笑顔でやってくる。
「エリオス君、凄く難しかったね。
アタシも努力して勉強したけど分からない所沢山あったよ」
「これは普通に解ける様には作られていないよ。多分。
ある意味、作成した教授の趣味の内容。
まあ、落ちたら素直に諦めて故郷に帰る」
「そんな、結果が出る前に投げ出さないの。
アタシには普通の問題です。ちゃんと解ける問題ありました。
アタシとエリオス君が同じクラスになればそれで十分なんだからね」
おねえさん拘りますな、そこ。
しかしエリオス君の頭には疑問しか浮かばない。普通の問題なんてあったか?と。
よく大学にある変な教授が趣味で作った問題しかなかった。
もしかして僕だけ試験の内容が違うとか・・・
ありうる。いやー、無いだろう。多分。エリオス君は心の中で不思議に思って悩んだ。
そんな雑談をニーナさんとしながら学校をあとにする。
後から聞いた話だが、やっぱり一部の人のテスト内容はすり替えられていて
まともに解けない内容にしてあったそうな。
つまりエリオス君が大学への直接飛び級選抜テストになっていた、という事を聞いたのは
後日のとあるイベントで確定した話であった。
ひねくれすぎだろう、この大学の学長さんは・・・。
ロイスター帝国大学付属学校の選抜試験です。
エリオス君と一部の人だけ、やたら難易度の高い問題を当てられています。
試験は頑張って受けましたが、
果たして結果はどうなるのでしょうか?
ニーナさんはエリオス君と同じクラスになれるのか?




