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第1回帝国大学祭⑤ 初日早朝準備

色々と前準備に苦労しているが、大学祭が始まった。

今回はエリオス君はあちこちの裏方である。

アピールする場の無い大学教授が意外とノリが良く

積極的に参加してくれたのは嬉しい誤算でもあった。


「さあエリオス君。

 いつまでも寝てないで大学に行くわよ。

 待ちに待った大学祭じゃないの」

「むにゃむにゃ。ニーナさん。

 昨日の作業が夜遅くなってつい」

「こらぁ、起きろー。げしげし」


学生寮で可愛い幼馴染に朝叩き起こされるエリオス君。

普通なら世間の人にとっては嬉しいイベントのはずであるが、

夜遅くまで作業しているとつい寝坊してしまう。


「さあ行くわよ。

 貴方を待っていると遅くなるわ。

 皆、先で準備しているはずだわ」

「むにゃむにゃ、行きます」


ニーナさんとエリオス君が大学に着くと

既に一部は出展を開始していた。



「遅いよ、エリオス君。

 もう大学祭の出展始まっているわよ」

「リリアンヌ教授、おはようございます。

 ここは屋台の場所ですか。

 今日は気合が入っていますね」

「そりゃ、実質的にグリーヴィス公爵家と合同イベントだから。

 売って売って売りまくるわ。

 後でまた来てね」

「承知しました」


リリアンヌ教授率いる農学研究所と

エリカお嬢様率いるグリーヴィス公爵家が

通り道に多数の屋台を出している。

最初はポツポツ学生が眺めている感じではある。

なんか現代日本の大学祭を思い出してしまう。

この演出は当然エリカお嬢様の発案、イメージ通りであろう。

近世のこの国では珍しい材料と料理である。

もちろん、現代人のエリカお嬢様プロデュース。

美味しそう。

後でゆっくり堪能させて頂こうか。



「おはよう、エリオス君。

 軍事学も準備は順調だ」

「おはようございます。エリオス君。

 今日も宜しくね」

「エリオス殿。遅いぞ。

 ちゃーはこれから部隊と共に軍事演習とパレードの準備に入る。

 先に準備を進めている」


軍事学のオズワルド教授とマーシリエお嬢様がいる。

ちゃー様も先日の依頼通り訓練中の部隊を連れて

参加して頂いている。

まだアルビノお嬢様は来ていないな。


「剣術大会も宜しくお願いします。

 ティアナさんやロザリーナお嬢様が優勝しても

 予想通りで会場は盛り上がりに欠けます」

「彼女らは剣術は達人レベルだが、

 銃剣の方はそれ程慣れていないのではないか?」

「彼女らの技術は武器が変わっても強いでしょう。

 仮に勝てる人はちゃー殿くらいじゃないですか?」

「まあ外国人より国民が勝ったほうが盛り上がるかもしれんが」


教授と会話する。

実際の強さは軍事教練である程度わかっているので

知っている人達に限定すれば、推定できる。

まあある意味余興なのである。



「エリオス君。おはよう。

 理工学も準備は進んでいるよ」

「アラ、エリオスさん。

 今日はしっかりがんばりますわ」

「今日は宜しくお願いいたします」 

「我々の成果物をアピールするチャンスですわ」


広場には理工学のレイモンド教授とエリノールお嬢様の親子と

研究所の学生が準備を進めている。

お土産の売り物屋台だけでなく、

銑鉄技術試験炉や井戸の蒸気機関を動かして実演する様子。

実際に小さい形状を鋳型成形して作って提供するのだろう。

理工学は実演など大物が多い為、準備に苦労している様子。

後で応援に出かけよう。


その他教会や講義棟、教室では様々な出し物が協議されている。

他の学部も準備を進めている。

学生や見学客も少しづつ集まり始めた。



「おはよー。エリたん来たよ」

「エリオスおはよう」


幼馴染のチェリーちゃんとミネアちゃんがやって来る。

今日は売店の店員をお願いしてある。


「今日は売店をお願いします。

 店やキルテル村の名産品の宣伝も兼ねてアピールして下さい。

 後は他の屋台のフォローもお願いします」

「まっかせて。

 名産品をガンガン売るわよ」

「村で作ったものを王都で自分で売るなんて不思議な気持ちだね」

「キルテル村の繊維や靴下。

 その他特産品と店をアピールするチャンスです」

「うん。エリたん頑張るわ」


こういう時に商品をアピールし続けないと、

新しいお店はお客様が来ないのである。

頑張って売ろう。

という事で大学祭初日が始まったのである。

 

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