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高炉の設備投資 新会社設立③ 新会社の配分と担当役員決め

国王陛下への報告が終わり、新会社の設立の会議になる。

トーマス殿下を社長として各貴族からも資本を導入する。

新会社を起こすにあたって貴族と会議が行われる。


「新会社として社長になるトーマスだ。

 宜しく頼む。

 会社の構成だが事前の情報通り

 資本金に応じて株主比率を決めて

 経営幹部を任命する」


トーマス殿下が発言する。

資本金比率としては王家が40%で拒否権を握る。

グリーヴィス公爵が20%、宰相閣下が10%、

アナトハイム伯爵が10%

エリオス君が5%。後はその他。

勿論エリオス君にそんなお金は無いので実家から資金提供である。

繊維業で既に資金を抽出出来る程の事業規模になっている。


株式が66.7%を超えると特別決議の単独可決、

51%を超えると役員の任命など議決権があり

事実上、会社の経営権を持つ。

1/3を超えると拒否権を持ち、

10%を超えると解散請求権などとなる。

51%というのは会社を支配する為には大きい壁なのである。


しかし王家の株式比率が50%を超えていないという所がミソである。

グリーヴィス公爵とアナトハイム伯爵、エリオス君が手を汲むと

35%の株式になり重要案件の拒否権を持つことが出来る。

それに不満は無いのだろうか?と心ながら思う。

もっとも王家と宰相閣下で50%を持つので

事実上、会社をコントロール出来る事には変わりがない。


「新会社の執行役員は王家、グリーヴィス公爵家、

 宰相、アナトハイム伯爵、坊主の所から選出する事にする。

 任期制で株主総会で承認する。

 経営企画、財務、製造、技術開発、営業購買、安全と品質などの部分を担当してもらう。

 将来的にはそれぞれの事業単位にまで権限を拡張して

 製鉄、青銅、木炭、加工など大きな事業単位のカテゴリーまで

 権限を持つことにする」

「異議はございません」

「小規模な投資や決定は当面社長決済、

 大規模な投資や決定は国王陛下に承認して頂く形になった。

 宜しく頼む」

「陛下のご意向のままに」

「現物となる大砲や収入は株式の比率で配当する。

 株式に応じて利益と責任を持つことになる。

 まあ、言い方を変えると連帯責任だな」


ざっくりと会社の概要をトーマス殿下が説明する。

特別に大きな問題などは無さそうである。


「高炉の初号機はアナトハイム伯爵領の鉱山付近。

 輸送と輸出に効率の良い立地である。

 北部に建築するのは南の異教徒に侵略されない様にするためでもある。

 将来的には国の各地で生産し、消費地に直接納入する」

「鉄の需要が増えれば、ですか。

 我が領地にも将来は建設したいですな」

「それは段階的に、だな。

 技術は実証されているが効率などはまだこれからである。

 改良を続けて良い設備になればそれだけ収穫は多いであろう」


してやったり、の顔をする伯爵様ではあるが

鉱山資源を領地に持っているのは強かったりする。

ちゃんと鉱山経営をしていたお陰でもある。



「なら担当部署を決めるぞ。

 経営企画財務担当役員は宰相、

 製造担当役員はグリーヴィス公爵、

 技術開発担当役員は王家推薦で教授、

 営業購買担当役員は王家直轄、

 安全品質担当役員はアナトハイム伯爵」

「意外な組み合わせですな。殿下」

「なお製造部門は当面言いだしの坊主に面倒を見てもらう。

 ちゃんと量産まで製造の責任を取るように」

「仕方がありません。承知しました」

「後は王家の判断で副社長をおく。

 坊主、お前の責任だ」

「・・・あのトーマス殿下?

 私の株式比率は5%でございますよ?」

「まさか経営責任を俺に押し付けて逃げる訳ではあるまいな?」

「あのですね?殿下。

 実質的に、製造と開発と安全、品質などの面倒を見ろと同義ですか?

 そう聞こえたのですが」

「やり甲斐があって良かったな。

 公爵も伯爵も頼りにしているだろう」

「・・・ぐっ。騙された」

「陛下のご意向である。

 謹んで受けよ」

「・・・承りました」


トーマス殿下とエリオス君が会話する。

一見騙した様に見えなくもないが

対応出来る人材もまだいないのである。

言い出しっぺが責任を取るのも仕方のない事であった。


「私めに異論はございません。殿下」

「承知した。頼むぞ小僧」

「承知しました。

 まあ余の担当も面倒を見てくれ。内政官殿」

「承知しました」


各貴族が賛同する。

難しい所は結局エリオス君と教授が担当して面倒を見るのである。

逆に考えると、財務と購買、営業は面倒を見てくれるのである。

技術部門はある程度、教授に任せておける。

視点を変えると仕事が大幅に減ったわけなのでありがたいはず。

エリオス君は考え方を改める事にした。

そうしなくてはやってられないのかもしれないが。




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