中尉への昇進とモンスター退治の依頼
再び伯爵様の館に呼ばれる。
何だろうか?
最近色々とありすぎて理由が分からない。
「とにかく入ってみましょうよ」
「そうだね。ニーナさん。
伯爵様、エリオスです」
「内政官殿か。入ってくれ」
ご機嫌の伯爵様がいらっしゃる。
特に問題では無かった様子。
ちょっとホッとするエリオス君。
「して、此度のご要件は?」
「まあ急ぐな。
一つは、卿を中尉に昇格させる。
この前の海賊退治とリトハイム村防衛の功績だ。
少し時間が経ってしまったが」
「ありがとうございます。
何やら曰く付きですね」
「そうだ。卿には次の南の異教徒との戦いでも
先進的な技術を駆使して活躍して欲しい。
そのために指揮官として昇格させるのだ。
別に異例でもない」
「承知しました」
何かと思えば、急に昇進の話で驚くエリオス君。
裏には南の異教徒との戦争を想定している。
「もう一つ。任務を受けてもらおう。
隣国のジュリヴァ王国への陸路だが、
モンスターが現れて街道を封鎖している。
貿易路が塞がれて大混乱している。
そこで調査と討伐を卿に頼む。卿には経験を積んでもらいたい」
「モンスターですか?」
「報告ではな。
ただしジュリヴァ王国は非常に怪しいので
裏で手引きしているのではないかと危惧している」
「貿易は互いに欲しい物を購入する為のルートですが」
「仮に奴らが山賊まがいに荷物を略奪するなら分からないでもない。
調査は我が国の国内までだ。
軍隊の越境は基本的に許されない」
「承知しました」
「特別に任務に担当していない軍人も今はいるだろうから、
暇な連中を好きに連れていけ。余が許可する。
後、無理そうであれば交戦するな。
その場合はアーシャネット中佐の軍を派遣する」
「ありがとうございます。
承知しました」
こうして再びエリオス君は伯爵様から任務を受ける。
さて人集めをしなければならないがどうしよう。
一旦戻って誰に相談しよう。
「じゃあまず私達ね。エリオス様。
当然ですわね」
「僕もがんばりますので、ご協力させて下さい」
当然ながらいつもの双子エルフは参戦したい様子。
最近勉強ばかりでフラストレーションが溜まっているかもしれない。
「アタシもエリオス君の行く所ならついて行くわよ」
「ニーナさんもですか。
いつもありがとうございます」
「まあ、危険そうなら逃げるわ」
ニーナさんもついてくるらしい。
何時もどおりである。
「なら妾も当然じゃな。
たまには訓練代わりで良いだろう」
「お嬢様なら問題ありません」
「お嬢様なら確実です」
とロザリーナお嬢様に見つかってしまう。
当然メイドさんと執事さんも一緒である。
「外国人の貴族に傷を付けたら国際問題ですよ?
それは困ります」
「ただのモンスター退治であろう。
妾は気にしませぬ。
公にするほどの話ではない」
「・・・こちらが気にするんですが」
当然この人もついてくると言うだろう。
王都にこもっていたら退屈するだろうし。
危険と言っても全く考慮しない。
この脳筋貴族が。
「ちゃーも連れていけ。
お主の行く所にはついて行く。
たまには訓練以外の任務もよかろう」
「ちゃー殿はモンスター退治にもついてきて頂けるのですか。
ありがとうございます」
という感じで芋づる式に情報が伝わり
ピクニック感覚で参加者が増える。
一応討伐任務で危険なんですけど、
武闘派は退屈しているらしくこの手のイベントにノリノリである。
そういうイベントを本来作るべきであろうが、
馬上槍試合とかは中世の12世紀で禁止されている。
たぶん、死亡者と騎士による略奪など治安が理由であろうか。
当時は盗賊まがいの騎士が多かったであろう。
結局正規軍を加えると総員200名程の集まりになってしまった。
戦力も強者揃いである。
個人技のレベルでは。
集団戦闘が出来るのであろうか?と危惧しつつも
ベテランもいるので何とかなるであろうと思い、
現地に向かう事にする。
そこは確かに大混乱であった。