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王都での直販店の開店 リバティー・マーケット

新しい店舗が決まったと伯爵様から連絡を頂き

エリオス君含め一同は伯爵様の館に向かう。

自由に開店準備を進めることという話である。


「ついに決まったのね」

「やっとの王都店ですね」


ニーナさんとエリオス君は呟く。

王都で商売する事で、キルテル村の商品を取扱い販売出来る。

ちょうど、この魔王国からの貿易開始のタイミングで。

本当ならもう少し早めに開店して魔王国との貿易に先手を

打ちたかったのも本音ではあった。


「伯爵様、エリオスです」

「良く来た。入ってくれ」


伯爵様の執務室に入る。

最近色々イベントが多かったので久しぶりの感触がある。


「内政官殿の店舗の話だが場所と立地が明け渡しされた。

 後で、執事のデュランに現地で説明させよう」

「ありがとうございます。伯爵様」

「よい。卿にはいつも世話になっている」


伯爵様に感謝してようやく王都での店舗を手に入れた。

まあ話が通ってから少し経ってしまったが問題ない。

色々仕事が溜まってきたので手が回らなかった。


「して、卿はこの新しい店舗を如何様に運営するのか?」

「・・・それはですね」


ワクワクして聞いてくる伯爵様に説明するエリオス君。

新しいビジネスに繋がる話なので伯爵様も興味があるのであろうか。

前も説明した通りであるが、キルテル村の産物と

伯爵領内の物資の販売、紙や本など。

後は余裕があれば最近開発中の砂糖やじゃがいもと加工品。

平たく言うと庶民の為のお菓子屋である。

ごちゃまぜのジャンルでは収拾が付かない危険があるが、

まずはBtoBなので当初の予定通り倉庫代わりからスタートである。


「従業員は足りるのか?」

「当面は、常時の店員は足りていません。

 まだ商売の切っ掛けをつかめていませんので、

 軌道に乗り次第、雇用を進めたいです」

「もし困り事があれば余に相談するが良い。協力しよう。

 この商売は余の領内の商売を加速する。

 卿の店舗は余の店舗と思って支援するつもりだ」

「勿体無いお言葉です。伯爵様。

 感謝の言葉がありません」

「しかしだな。卿らはまだ学生。

 そして色々と業務まで抱えている。

 余は雇用人を雇って常駐させるべきだと提案する。

 卿らの時間はいくらあっても足りない」

「・・・そうですね。伯爵様」


学生主体の場合、昼間は講義があり夕方は研究室。

流石に平日は時間の確保が難しい。

週末も業務が入っている。

非常に悩ましい所である。


「それならば伯爵様。

 キルテル村から2名程お願いしたいのですが」

「ニーナさん?」

「余は別に問題ない。

 誰か希望はあるか?」

「・・・それは」


ニーナさんが伯爵様にお願いをする。

2週間後に、見慣れた顔がこの王都にやって来るのであった。


「なら執事のデュランに現地へ説明にいかせよう。

 卿らも一緒に見てくるが良い」

「承知しました。伯爵様。

 ありがとうございました」

「感想は後で聞かせてくれ」


と伯爵様にお礼を行って別れる。

さて店舗の方を見に行こう。


「ではエリオス様。ご案内致します」

「宜しくお願い致します。デュランさん」


執事のデュランさんに案内頂き

現地に直行する。


「こちらでございます」

「大きい店舗ですね。

 表通りから大分脇道に入った所ですが」

「立地に関しては申し訳ありません」

「商売はこちらで考えますから大丈夫です。

 ありがとうございました」


執事のデュランさんにお礼を言う。

ニーナさんとエリノールお嬢様に店舗を見て頂く。


「まだ中には何もない店だけど大きいわね」

「集客力がある訳でも無いので当面は問屋産業です。

 伯爵領の物産を受け入れて販売すると同時に

 王都の物資を伯爵領へ相互に展開しましょう。

 お父様には了解頂いているので大丈夫です」

「しかし、これで本当に商売になるのかしら?」

「予断を許しませんね。

 簡単には軌道に乗らないでしょう。

 将来は表通りに販売店を構えたいですが先の話です」


ニーナさんとエリノールお嬢様と会話するが

悩みの種は付きない。

将来的にこの店舗も買収して伯爵様にお支払いする必要があるのだ。

それまで独立出来たとはまだ言い難い。


「所でエリオス君。

 お店の名前はどうするのよ?

 決まった?」

「うーん。あまり良い名前は思いつかないのですが、

 とある場所にあった歴史ある店舗から拝借して

 縁起を担ぐ事にします」

「そう。何て名前?」

「リバティー・マーケット。

 自由の市場という意味にしました」

「意味深そうなネーミングね・・・」


歴史ある百貨店になって欲しいという意味も込めて

ネーミング。深い意味は無かった。

しかし自由という言葉は、将来的に禍根を残す。

まだ自由主義という概念は存在していなかったのを

エリオス君はこの時は見落としてしまっていた。 


「いずれにしても営業開始出来る様にしましょう。

 まずはお客様回りですか。

 売りに行きましょう。」

「お客さん来るかな?」

「こちらから納品しに行きましょう。

 問屋業だと。そういうサービスもありかと」

「納品ね。

 地味な活動になるわね」

「仕方がありません。

 いきなり成功するのは厳しいですが、

 売れる要素をちゃんと構築しましょう。

 まずは第一歩です」


王都でのマーケティングが必要になる。

いきなり成功するのは難しい。

売れる商品を買ってくれる人に供給するのが目的。

お客様を探すのが第一優先だろうか。

ここから王都店は長く厳しい戦いが始まるのであった。

173話の続きです。

ここで2名の応援をお願いすることにしました。

彼女らにも頑張ってもらいます。

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