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エリカお嬢様と砂糖工場の立ち上げ①

 エリカお嬢様とリリアンヌ教授、

エリオス君とウイリアムさんの4人で会社を立ち上げる。

必要な人材はこれから雇う事として、挨拶する。


「今回、砂糖工場に参加させて頂きます

 グリーヴィス公爵家のウイリアム・マーシャルと申します。 

 お嬢様の為に全力でフォローさせて頂きます」

「ウイリアム宜しくね」

「エリオスです。宜しくお願い致します」

「リリアンヌです。宜しくお願い致します」


 まず一番重要なのは会社の資本金と株式比率。

どうしようか。

ウイリアムさんと会話するエリオス君。


「会社を設立するとして、資本金と議決権はどうされますか?」

「本来ならエリカお嬢様100%にしておいた方が後々揉めないですが」

「それはエリオス殿とリリアンヌ教授が経営参加する権限が無くなるので

 公爵様の意向に反します」

「・・・ですよね。

 であれば、エリカお嬢様51%、

 グリーヴィス家が24%

 僕とリリアンヌ教授で12.5%ずつは

 如何でしょうか?

 増資する際にもその比率で当面行うという事で」

「・・・なるほど」

「もしグリーヴィス公爵家が単独否決権を持つのであれば

 33.4%以上の株式を持つという事になりますが、

 それはエリカお嬢様と話をして決めて下さい」

「一先ずそれで良いかと。

 資本はどのみちグリーヴィス公爵家がエリカお嬢様に

 貸し与えますので、返済するまでは最終的には公爵様のご采配になります」

「問題ありません。

 グリーヴィス公爵家内の協議は宜しくお願い致します」

「中々難しい話だわね。エリオス君。

 任せるわ」


 いったんエリカお嬢様に過半数の株式と議決権を与えておく。

でないと本人が何も決められない。

公爵様のご判断次第であるが、どれだけ会社に

介入する意思があるかは株式の比率で全て決まる。



「じゃあ、お金を借りて建屋を作って、人を集めて・・・」

「絶対駄目です。エリカお嬢様。

 いきなりそんな事をしたら大赤字で倒産です」

「どうしたら良いのよ」

「小規模でも安定して黒字化する必要があります。

 従業員のお給料も払えないですし、

 材料も買えません」

「・・・ほう。」


 拗ねるエリカお嬢様と感心するウイリアムさん。

理解しているのだろうか。


「どうするのよ」

「まずはメイドさんに余暇の時間をお借りして

 時給をお支払いして手伝ってもらいます。

 一番重要なのは、出ていくお金を絞って

 売上を上げることです」

「何でよ?

 もうちょっと分かりやすく教えてよ」

「収益やお給料はお客様に買って頂いて初めてお金が入ってきます。

 ところが、当社が雇ったり使ったお金に比例するとは限りません。

 直ぐにお金が入ってくるわけではありません。

 そして買って頂いたお客様の売上が上がって儲かるとも限りません」

「と言うと?」

「まずは買ってもらうお客様を見つけて、

 その商品が順調に売れ続けるのを確認するのが最初です。

 評価がNGで買ってもらえなかったり、

 お客様の商品が売れなかったり、

 場合にはお客様が倒産したりすることも珍しくありません。

 そうなった場合には見込みの売上が急に無くなる事も珍しくありません」

「つまりお客様が儲かって安定して、

 初めてウチの売上が出て利益になるのね?

 それまではお金を極力使うなということ?」

「ご理解頂きありがとうございます。

 実はここが一番難しいのです。

 モノを作ったから必ず売れるとは限りません。

 もちろん、競合が値下げして邪魔してきます。

 特に砂糖という高級品は」

「・・・高すぎるパンやお菓子は売れないかもしれない。

 そして採用してもらえる保証は無いって事ね」

「そうです。

 まず商品開発とお客様探しが最優先です。

 特に営業活動です。

 売りにいきましょう」

「営業ね・・・

 イメージと大分違うわ」


 ベンチャー会社が難しい理由として

太いお客様に継続して買ってもらうのが難しい所。

そして資本金が足りなくなって倒産。

入ってくるお金と出ていくお金が比例しないのだ。

そしてお金が入ってくるのは出ていくタイミングと

かなりズレがあって黒字収益でも最終的に倒産する。

幸いながら今回はグリーヴィス公爵様の温情でお金を貸してもらえる。

贅沢な条件である。

こうしてエリカお嬢様の会社がスタートしたのである。

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