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街道にて盗賊が出現

冒険者のセレナさんが声を掛けてくる。

緊迫した表情である。

どうやら異変に気がついた様子であった。


「村長さん、坊や。

 盗賊が待ち構えているわよ」

「人数はどの位か?」

「多分10人前後かね」


 盗賊はまだこちらから見えない位置にいるらしい。

中世ではよく街道に出るというアレである。

こちらは比較的少人数。マズイと思った。


「セレナさん。対抗できそうか?」

「相手が少人数である事が救いだけど、

 人数的に厳しいわね。

 こちらの冒険者で前衛をするから、

 村長さんと坊や達は後ろに下がって後衛をお願いするわ」

「そうか、仕方がない。

 じゃあワシは弓で対抗するか」


 エリオス君は軍事訓練を受けていないので戦えない。

接近戦に関してはお荷物であった。

あまり上手では無いが弓を構える。

子供だから仕方がないのである。

体力を付けねば、と。


「初動で数人を片付ける事が出来たら相手も引くでしょう。

 こちらの戦力はそんなに小さく無い訳だし」

「それはどういう意味ですか?」

「まあ見てなさい。

 じゃあニーナちゃん、ミネアちゃんも行くわよ」


 盗賊は円を描きながら馬車を包囲してくる様子。

ミネアちゃんは槍を持って構える。これは相当訓練しているであろう。

ニーナさんは手ぶら。どうするのか。

セレナさんと冒険者さん達が剣を持って向かう。


「ワシも昔は村の為に戦ったものだ。

 まだ腕は落ちてはいないぞ」


 村長さんが遠距離から弓を放つ。

先手を切って村長さんの弓が盗賊の1人に当たり倒れる。

凄い。

プロの狩人の腕である。

そしてニーナさんが腕を構えて呪文を唱え始める。


「………ファイヤーボール!!!」


 空間に炎の玉が出現して盗賊の中心にヒット。

爆風で4人程が吹っ飛んで倒れる。

...なんだって。

ニーナさん魔法が使えたんだ、と驚くエリオス君。


「…(パクパクパク)」


 驚きのあまり声が出ないエリオス君。

この娘凄かったんだ、と今更ながら驚く。

その間にも戦闘は続いていく。


「エリオス君、次行くよ」


 村長さんと一緒に弓を構えて放つ。

村長さんの矢は盗賊を1人倒したが僕の矢は肩に当たって致命傷にはならない。

しかしここで盗賊側の数的優位は完全に崩された。


「ヤバイ、敵に魔法使いがいるぞ。撤退しろ」


 先手を取られて完全に不利になった

盗賊が仲間を抱えて逃亡する。

こちらは深追いしない。

冒険者のミネアさん達が倒した盗賊を2名捕まえて引っ張ってくる。


「どうやら上手くいったようね」

「セレナさんもミネアちゃんも無事盗賊を倒して撃退したわね」

「イエーイ」


 女性陣が戻ってくる。

ハイタッチする。

女性陣かなり強かった様子である。

二重の意味でも驚くエリオス君。


「捕まえた盗賊はどうするんですか?」

「このまま逃しても災厄になるから王都で兵士に引き渡そう」


 まあ縛り首か良くて奴隷だろう。

中世は盗賊には甘くはない。

戦争が終わると傭兵が盗賊になって荒らし回る時代である。

法律や軍隊が機能していなければ尚更。

そういう場合には処罰は特に厳しくしなくてはならない時代であった。



「この街道もまだ盗賊が出る。

 危険には変わりはない。

 生活が貧しいから、追い剥ぎに身を落としてしまうんだろう」


 村長さんが呟く。

交易には邪魔だから討伐は必要だろう。

その前にちゃんと生活出来る仕事が必要。提供出来るだろうか。

ニーナさんが近づいてくる。


「エリオス君は無事?

 どうよアタシの魔法は。

 貴方にはずっと秘密にして裏で特訓してきたのよ。

 アタシに惚れ直したでしょう?」

「驚きました。

 まさか魔法まで使えるとは。

 村には魔法を使える人も教えられる人もいなかったはずですが」

「内緒。エリオス君に負けまいと、1つでも勝てる様にと努力しているのよ」


 ニーナさんはドヤ顔で近づいてきてニッコリ笑う。

確かに先制攻撃の魔法が勝負を決めたのは事実だ。

エリオス君はこの娘の天才っぷりを始めて脅威と思った。

冷や汗が止まらなかった。化物だ。

優れているのは学力だけじゃなかったのだ。

末恐ろしい才能は今ここでエリオスの前に開花したのであった。

当時の街道は安全では無かった、という事で盗賊が現れます。

商業を発達させる為には街道の安全が必要になってきます。

ニーナさんが実はとんでもない人だという事が徐々に現れてきます。

今回エリオス君はその才能の一端を見て驚いています。

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