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そして、王都への旅立ち

 最低限、このキルテル村で必要な事を終えて留学する準備を行ったエリオス君。

これから王都ロイスターに向かう事になる。



「お父様、後のことは全て宜しくお願い致します。

 お母様、糸の生産は宜しくお願い致します。

 メイヤーさん家の生活も掛かっています。何かあれば手紙で連絡を下さい。」

「エリオス。後はお父さんに任せろ。

 商売もきちっと立ち上げてみせる。

 頑張って資本金を貯めておくから2号機を作る時は是非言ってくれ。」

「エリオスちゃん。

 寂しくなったらいつでも帰ってきてね。

 お母さんも寂しいのよ。」


 エリオス君は両親の優しさに感動する。

素晴らしいお父様とお母様を持って幸せだと思った。

2号機は革命的なとびっきり特別の一台に改良しよう。

もっと作業が楽になるはずだと思った。


「エリオス君。色々とありがとうね。

 また遊びに来て下さい。

 後は婿として娘も忘れないで」

「エリたん。あたしは今は悲しいけど、必ず追いかけるからね。

 エリたんのそばにいるのは私。

 絶対他の娘と仲良くしたらダメだからね」

「また休みには帰ってきますよ。

 チェリーちゃんも元気でね」


 メイヤーさんとチェリーちゃんが見送りに来てくれる。

チェリーちゃんは泣きながらくっついてくる。

本当に真っ直ぐ可愛いとは思うエリオス君。

この娘は本当に距離感が近い・・・

チェリーちゃんの頭を撫でながら、メイヤーさんにも挨拶する。

婿ちゃうわ。

と、こっそりと呟く。



「坊や、今回の護衛はあたしに任せてね」

「是非宜しくおねがいします」


 冒険者のセレナさん登場。

最近出番が少ないが忘れてはいない。

勿論。


「あたしもセレナさんと一緒に行くから。道中は見習いとして」


 スポーツ万能娘のミネアちゃんが答える。

冒険者志望だろうか?

この娘は意外と強いので武人としても将来は期待されているかも。


「ちなみに、王都までどの位の日程ですか?」

「ちょうど歩きで7日。

 早馬だと4日位かな」


 徒歩で一日20〜30kmと推定すると大体180km。

つまり東京〜静岡。結構遠い。

週末に帰ってくるなんて不可能。

将来は絶対、鉄道を敷く必要があるだろう。



「ああ、後エリオス。

 王都に着いたら、商業ギルド長のチェスターさんに手紙を渡してくれ。

 紹介状を書いておくので、もし困った時は相談に乗ってあげてくれ」


 としてお父様から手紙を渡される。

相談に乗ってあげてくれ?

この時はエリオス君はこの言葉の違和感をあまり気にしていなかった。

後日その言葉の意味を痛烈に思い知る事になる。


「さあ行くわよ。あんたとい、一緒に行くのは私なんだからね。

 あんまりデレデレしていると置いていくわよ。フン」


 委員長のニーナさんが急かす。

この人はいつもツンデレっぽい。

置いていかないで下さい、と呟くエリオス君。

皆さんの顔を見て大きく声を掛ける。



「じゃあ、行ってきます。

 後は宜しくお願い致します」



このキルテル村から王都へ留学します。

皆さんに挨拶して、村を出ます。

いずれ来たる産業革命の拠点として、

また特別な意味での故郷として種を残して旅立ちます。

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