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同行者

 いつも通り、日の光が差した頃に目覚める。他の何が変わろうとも、相も変わらず輝かしい朝はやってくるのだ。


「なぁ、俺も一緒に行ってもいいか?」


 むくりと起き上った瞬間に、声がかかった。

いつから起きていたのか、眠っていなかったのか。ダリスは真剣な目をしてこちらを伺っている。


「一緒にって、どこまで?次の町まで連れて行ってくれるということかしら」

「分かんねぇけど、俺だっていつまでもここに居たって仕方がないなって…思って」

「いいわ。と言っても私に目的地があるわけでもないから、今後のことは2人で相談しながらにしましょう」


 断る理由がない。むしろ、どうせ世間知らずと称されるであろう自分一人よりも何倍も心強い。


「ありがとう」

「こちらこそ」

「んで、おはよ」

「ええおはようダリス。これからよろしくね」


 昨晩の同じメニューで朝食を済ませ、熟しきる前の果実をポケットに詰めれば旅の支度は完了した。お腹が空いたら途中で食べる為の非常食だ。

ダリスは今日までに集めていたらしいお金になりそうなものを袋に詰めている。


「お前金持ってんの?」

「ないわね」

「だったら俺の服をやるから、今着てるやつ売れば?手触りいいし高く買ってもらえると思う」


 嬉しい提案に、間を置かず頷いた。元々目立つので着替えたいと思っていたのだ。


「これなんかどうだ?丁度いい丈だろ」


 差し出されたのは、もちろん男物の服だ。土色のズボンに、黒いシャツ。これでは今度は白銀に輝く髪が悪目立ちしてしまう。


「白っぽいのはないのね」

「そんな直ぐ汚れる色ねぇよ」

「私の髪、ダリスぐらいに切ってちょうだい」

「そんな綺麗なのに?勿体ないな。いらないなら町で売ろうぜ」


 私が気にするので、とりあえず帽子に詰め込んで隠す事になった。なんと、髪もお金になるとは。少し驚いたが、人も売り買いされるぐらいだから当然と言えば当然か。

扱いで言うと、鳥の羽や蛇の皮のようなものだろうか?


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