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魔王革命譚  作者: 朧月
2/21

出会い

短いです。


目が覚めると見知らぬ天井だった、ということはなく青空だった。


見渡すかぎり草、草、草。魔王は自然発生方式なのだろうか。


手を上げてみると、小さな手が見えた。ふさふさした銀色の毛にところどころ青いのが混ざっていて、気持ちよさそうだ。手の先には申し訳程度に爪が生えていて可愛らしい。


……そんな気はしていたが、魔王は人外だった。小説でよくみる獣人だろうか。


遠くで何かの遠吠えが聞こえた。


転生そうそうピンチが訪れたな。今は自分より背が高い草に囲まれていて、魔物には見つかっていないが、このままここにいるわけにはいかないだろう。


しかし、幼少期なのかこの体は言うことを聞いてくれない。歩こうとしても、足が生まれたての小鹿のように震え、立つことすらもままならない。


なにかの遠吠えが近づいてきた。


「グルル、グルル、グルルルルゥー」


詰んだかもしれない。


すぐにここから離れなきゃいけないのに、やは

り歩けない。


「グルル、グルル、グルルルルー」


どんどん大きくなっていく。


「グルル、グルル、グルルルルッ?」


うなり声がすぐ近くで止まった。


〈がさがさがさがさがさ〉


目の前の草むらが揺れるが、体が動かない。


そして、背丈の高い草が横に割れ、大きな頭がにゅっと突き出てくる。


「!!」


物語の悪役でよく使われるドラゴンのような怪物がそこにはいた。黒々とした鱗に覆われ、ルビーのような赤々とした目が獲物を狙うように爛々と光っている。


ドラゴンのような怪物が口を開けた。私はこいつのおやつになるのだろうか。


「ウェアウルフか。珍しい。しかし、このままでは死んでしまう。持って帰るか。」


言葉をしゃべった!?

……いっている内容からして私を食べるつもりではないようだ。


とりあえず、何も出来ない今、このドラゴン(仮)を信じてみるしかないだろう。

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