0話
お姉さま視点です。
第0話
これは、まだ、フェレンシア王国が存在していた頃のお話でございます。
「オンギャ~! オンギャ~!」
フェレンシア王国の一室に、赤ちゃんの産声が響いた。
ドタドタドタドタ ドンッ
「ああ、やっと産まれたのか!!」
「ああ、やっと産まれたのですね!!」
「ええ、あなた、私似で、とっても可愛い子がね。」
その日、シルスティア・フィファ・プリオト・スターリングス
私のとっても可愛い最愛の妹が産まれたのです!
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「ねぇ、ねぇ、お姉さま!ご本読んで!」
シルティアが産まれてきてからとゆうもの、わたくしの人生は薔薇色でした。
シティアが寝る時は私といつも同じベッドで、シティアに本を読み聞かせてあげていました。
「それで、悪い魔王は聖女様によって倒されました。
めでたし、めでたし、
って、シティア!?
何で泣いてるの?」
「だって、 えぐっ、 魔、魔王様だって、 うぐっ、 きっと、人間を憎む理由があったから、人間を攻撃しているのに、 うぐっ、 何も聞かずに殺してしまう、なんて.......。」
私が絵本を読んであげると、私の可愛い妹は必ずどんな立場の者のためでも泣いていた。
例え、それが空想上の事実だとしても、、、、
きっと、こんなに頭が良くて優しいのは妹の取り柄なのだろう。
けれど、それが一国の王にふさわしいかと問われれば、それはまた別だ。
私は、あんなドロドロとした政治の中に妹を放り込む事は絶対にしない。
絶対に、防いでみせる!
私は長女なのだから、絶対に可愛い妹と弟を守らなければならない。
あいにく、弟のユキティナには、私は嫌われているようだが、、、、。
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そんなある日、シティアが「国民のためにも、勉強がしたいです!」と、いい出したので、シティアに家庭教師をつける事が決まった。
もちろん家庭教師が来るのには賛成だ。
賢い妹が、さらに賢くなるのだから。
だが、家庭教師は頭が良く、なおかつ結婚問題を考えて女でなくてはならない。
(可愛い妹に変な虫を付かせるわけにはいかないからな)
だが、最近、都合良く隣のルキトシアでもの凄く魔法を使うのが上手いと話題になっているシティアと同じ位の年の女の子がいたはずだ。
なんでも、彼女は、次々と新しい魔法や道具を生み出しているそうだし、
その女の子なら、きっと、いろいろな事を学んでいるだろうから家庭教師としては申し分ないし、シティアの友達にもなるだろうとゆうことで、その女の子をフェレンシア王国に招く事になった。
.....だが、まさかこの幸せな時間が終わってしまうなんて、思いもしなかった、、、。
それから数日後、
家庭教師の女の子とシティアが初めてあう日、私はそっと木陰から覗いていた。
その時は、妹の初めての家庭教師とゆう名の友達作りに、私も気が気じゃなかったのを今でも覚えている。
シティアの前にやってきた女の子は黒い髪を腰元まで伸ばした女の子だった。
「はじめまして。
私、隣のルキトシア帝国から来ました。
エレノア・リーテシア と申します。
これから、よろしくお願いしますね、シティア様」
「はいっ!
これからよろしくお願いします、エレノア様!
あ、確か臣家に様をつけてはいけないのでしたよね?
エレノアと呼んだ方がいいのでしょうか?」
...............っ!?
あ.......れ...........?
今、一瞬、ぼーっとしていたようなきがした。
「......ええ、エレノアで構いません。
では、これから学んでいくのは、、、、」
それからは、何事もなく授業は進んでいった。
やっぱり、さっきのぼーっとした感覚は何でもなかったようなので、そろそろ私も自分の執務に戻る事にした。
「初めて失敗したなぁ......」
私が立ち去った後、そんなつぶやきがあったなど、私は知るよしもなかった。
案外、短かった。