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紙の月  作者: めるぶ
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エピローグ

視界が失せた。

それどころか視覚から触覚至るに五感のすべてがシャットダウンされたようだ。

にわかに現実を受け入れられない。

未だ目の前にいるであろう白衣を着た初老の男性が先程放った言葉がちょうど矢のように彼の心臓を打ち抜いた。

例の矢のごとし言葉を今一度脳内で反芻してみる。

ナガクテイッカゲツ。

「貴方の余命は長くて1ヶ月です。」

この世に生受けて16年、彼は人生で1番の衝撃をその生涯を終える約1ヶ月前に受けたと感じた。


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